オヤジの葬儀が終わった。おくりびとに化粧してもらった、静かな、まるで微笑んでいるようなオヤジの顔、花に埋もれた姿をしげしげと眺めながら、現実に記憶にある父の顔や声とのギャップを感じていた。あっという間に完了する火葬、骨壷にぴったり収まる遺骨...現代の葬式とはそうしたものだ。しかし、オヤジが残した思いは、ますます拡大して心の中にも納まらないものがある。
死後に書斎をチェックしていたら、一通の封筒がでてきた。オヤジの字でこうかいてある「これはシベリア抑留の間、肌身離さず持っていたお守りです。帰国後捨てようかとも思いましたが、不敬な感じがして、残しておきました。私の火葬の時に一緒に入れてください...」というような文言だった。手の触覚では、また灯に照らせば、おそらくどこかの神社のお守りだと思った。いったい、どこの神社だろうか、大連のなのか、それとも国内のものなのか、何のお守りだったのか、封筒を開けて見てみたい強い誘惑に駆られた。別に糊付けされているわけではない。それでも封筒の上部にとめた細いホッチキスがその強い衝動をも拒否して、結局そのまま御棺に入れられて火葬された。
不思議なことに、私が学者となってから色々聞いても、シベリア強制収用所での体験をなぜか父はほとんど語ってくれなかった。ハバロスクの上を飛行機で通って、眼下に沿海州を見たという話をしても、ただ微笑んだだけだ。しかし、もっと若いとき、私がまだほんの子供のころには盛んに私に話して聞かせた記憶がかすかに残っている。「シベリアにはドイツ人捕虜も沢山いた。一人が懲罰をうけると、全員がひとりをまもり、また責任をとって、全員が激寒の野外に立ちつくした。一方、日本人は仲間を裏切りあい、自分だけ助かろうと見苦しい姿だった...」。きっと私がまだ子供だったからはなしたのだろう。それくらい重い話しばかりだったはずだ。
オヤジはもう骨になってしまったが、残されたかすかな記憶はいまでも頭の中を脈打って流れている。
死後に書斎をチェックしていたら、一通の封筒がでてきた。オヤジの字でこうかいてある「これはシベリア抑留の間、肌身離さず持っていたお守りです。帰国後捨てようかとも思いましたが、不敬な感じがして、残しておきました。私の火葬の時に一緒に入れてください...」というような文言だった。手の触覚では、また灯に照らせば、おそらくどこかの神社のお守りだと思った。いったい、どこの神社だろうか、大連のなのか、それとも国内のものなのか、何のお守りだったのか、封筒を開けて見てみたい強い誘惑に駆られた。別に糊付けされているわけではない。それでも封筒の上部にとめた細いホッチキスがその強い衝動をも拒否して、結局そのまま御棺に入れられて火葬された。
不思議なことに、私が学者となってから色々聞いても、シベリア強制収用所での体験をなぜか父はほとんど語ってくれなかった。ハバロスクの上を飛行機で通って、眼下に沿海州を見たという話をしても、ただ微笑んだだけだ。しかし、もっと若いとき、私がまだほんの子供のころには盛んに私に話して聞かせた記憶がかすかに残っている。「シベリアにはドイツ人捕虜も沢山いた。一人が懲罰をうけると、全員がひとりをまもり、また責任をとって、全員が激寒の野外に立ちつくした。一方、日本人は仲間を裏切りあい、自分だけ助かろうと見苦しい姿だった...」。きっと私がまだ子供だったからはなしたのだろう。それくらい重い話しばかりだったはずだ。
オヤジはもう骨になってしまったが、残されたかすかな記憶はいまでも頭の中を脈打って流れている。
戦争末期、大本営ではスゴイ責任の押し付け合いがあったそうな。
今朝の讀賣新聞に「仙谷刷新相ら四人、嫌われ役を押し付け合い」の文字が躍ってた。要するに補正予算の削減額について閣僚にハッパをかける役を、嫌われたくないから、菅、仙谷、藤井、平野の四氏が逃げまくってる、という事らしい。補正予算は見直したらしいが、どれを見直したのかすら分からないなんて、なんだか変な話だけど、これが民主党流のようだ。
かと思えば、亀井徳政令は返済猶予中も強制的に金融機関に貸し出しさせるそうだ。これもホントに実施する時は責任の押し付けあい、なんて事になるのだろうか?連日株価も爆下げしてるけど、「鳩山不況」が現実のものとなったら、きっとスゴイ責任の押し付け合いがはじまるんだろうな?単独政権ならまだしも、三党連立だから失敗した時の責任の擦り付け合いも凄まじい事になるだろう。
永田町の大本営大丈夫か?
都合の悪いことはこうして闇に葬られていくわけですね
わかります。
あなたの父上は酷い部隊に居たようですね。
私の父もシベリア抑留者で多くは語りませんでしたが、
みんなで助け合って生き残ったと申しておりました。
帰還後20数年経って、同じ部隊だった方が遠路はるばる我が家に訪ねて来られた事もありましたよ。
あなたも政治家なのですから、身近な情報だけでなく広く情報を集めて、
総合判断出来るような立派な代議士になってくださいね。(棒
>やはり文筆だけでは生活は苦しかったのかもしれない。
と
>小生が何度か民主党の勉強会への講演を依頼したときにお答えになったことで、
>「いそがしいので、野党への講演のような無駄なことに時間を費やしたくない」
>と率直におっしゃっておりました。
さーて、喧嘩を売られたから死後に恨みをはらしたのか、
それとも貧乏が本当なのか。
首藤先生どっちなのですか?