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ちょっとしたメモです。

2006Jリーグディビジョン1 第8節 京都パープルサンガ戦

2006年04月23日 | 試合



シュート25本の乱れ打ち ~京都を圧倒して勝利~


2006Jリーグディビジョン1 第8節 京都パープルサンガ戦

日時:2006年4月15日 15:05キックオフ 場所:埼玉スタジアム2002


天候:晴れ 気温:13℃ 観衆:40657人


審判:吉田 寿光 副審:手塚 洋 青木 隆 第4の審判:鍋島 將起


浦和レッズ Team 京都パープルサンガ


3 Score 0

3-5-2 Formation 4-4-2

スターティングメンバー

GK (23)都築 龍太 (1)平井 直人 GK

DF (2)坪井 慶介 (23)大久保 裕樹 DF

DF (4)田中 マルクス闘莉王 (19)登尾 顕徳 DF

DF (20)堀之内 聖 (5)鷲田 雅一 DF

MF (14)平川 忠亮 (7)児玉 新 DF

MF (13)鈴木 啓太 (18)米田 兼一郎 MF

MF (17)長谷部 誠 (16)斉藤 大介 MF

MF (8)三都主 アレサンドロ (27)加藤 大志 MF

MF (6)山田 暢久 (8)美尾 敦 MF

FW (10)ポンテ (9)アレモン FW

FW (21)ワシントン (20)林 丈統 FW


サブメンバー

GK (1)山岸 範宏 (26)西村 弘司 GK

DF (19)内舘 秀樹 (3)リカルド DF

MF (7)酒井 友之 (6)三上 卓哉 DF

MF (16)相馬 崇人 (11)星 大輔 MF

FW (12)黒部 光昭 (14)中払 大介 MF

FW (30)岡野 雅行 (30)松田 正俊 FW

FW (34)エスクデロ (31)田原 豊 FW


≪得点≫
浦和:55分/長谷部、72分/ワシントン、84分/ワシントン
京都:なし

≪交代≫
浦和:63分/平川→岡野、89分/三都主→相馬
京都58:分/加藤→中払、67分/アレモン→松田、分/米田→田原

≪警告≫
浦和:39分/長谷部
京都:7分/アレモン、81分/中払

両者ともに核を欠いた一戦

ワールドカップの中断期間まで、リーグ戦も残すところあと5試合となった。
今日の相手は、久しぶりのJ1復帰もトップクラスの厚い壁に跳ね返され、なかなか結果が出せていない京都パープルサンガ。
草創期のレッズでキャプテンを務めた、京都の柱谷幸一監督は、格段の思い入れを持ってこの試合に臨んでくるはずだ。
とはいえ、先日のナビスコカップでエース・パウリーニョが一発退場となり、今日の試合に出場できない。
攻撃を一手に担っていた存在を欠くだけに、引いて守る戦術を貫いてくると予想された。
レッズは、小野伸二がナビスコカップ・アビスパ福岡戦に続いて今日も不在。
代わって、トップ下には山田暢久を配置し、右サイドハーフには平川忠亮を起用した。
これまで、リーグ戦でスタメンが変わることは1試合もなかった。
8試合目にして、小野という「特別な存在」(ブッフバルト監督)を欠く中、いつもと変わらぬサッカーをどれだけ見せられるかがポイントの試合。
結果、戦力に勝るレッズが圧倒的な攻撃力を見せつけるものとなった。

ハーフタイムの豹変劇

ブッフバルト監督のコメントを見てもらえば分かるとおり、試合後の会見は
「前半について何も言うことはない。ひどい内容だった」
という一言で始まり、終始怒りをあらわにするような内容だった。
その前半を振り返ってみると、以外にもシュートを12本打っている。
実に京都の3倍にあたる乱れ打ちだ。しかし、打っていることは打っているが、そのどれもが決定機を作ってのものではなく、苦し紛れの“乱発”に近いものばかりだった。

序盤からペースを握るレッズは、いつも通り中盤でのパスワークから、中央突破やサイド攻撃をしかけていく。
しかし、今日はいつもより選手の動きが鈍い。
パスミスも多く、この試合で初めて一緒にプレーするかのような、連係面でのズレが見受けられた。
それでも、ワシントンのポストプレーを頼りに、何度も京都ゴールには迫っていた。
28分には、オーバーラップした闘莉王がタテパスをワシントンに通すと、ワシントンはこのボールを反転しながらトラップして、ゴール前にフリーの状態で侵入する。
しかし、シュートは目の前のゴールキーパーに阻まれ、こぼれ球を拾った三都主のシュートもポストを直撃。
対する京都は、カウンターの一点狙い。
そこは、闘莉王のカバーに鈴木啓太がしっかりおさまるなど、危なげない対処を見せていた。
ところが、いざ攻撃となると、なぜか今日はボールが落ち着かない。
長谷部やポンテに珍しいミスが頻発し、京都に負けずひたすらワシントンのポストプレーに頼る単調な攻撃に終始した。

監督の逆鱗に触れた選手達は、ハーフタイムに相当怒鳴られたのだろう。
開始と同時に、激しく相手を追い込み、1つ1つのプレーを確かめるように慎重にパスを運んでいった。
試合を動かすキッカケを掴んだのは、後半開始直後の3分。
左サイドのスペースをフリーで飛び出した三都主がクロスをあげると、ファーサイドでワシントンが胸トラップから強烈なシュートを放つ。
ゴールこそ奪えなかったが、「山田が左のスペースに上がってくるので、三都主が高めにポジションを取ったら、(大久保)裕樹と(美尾)敦のところでマークの受け渡しをスムーズにしたかったが、後半は全くできなかった」(京都・柱谷監督)というように、この試合の京都の穴を見つけた瞬間だった。

あとは、この左サイドのスペースを使うだけ。
10分、闘莉王のスルーパスから、三都主が左サイドのスペースへ飛び込み、ダイレクトでニアへ流すと、長谷部がこれをつめて先制点を奪う。
27分には、フリーキックを早めにリスタートした三都主が、山田とのワンツーを介してスペースへ飛び出す。
ゴールを横切るクロスに、今度はワシントンが体ごと押し込み追加点をあげた。
39分、またしても三都主が山田とのコンビで左サイドを突破。
マイナスに流したパスを受けたワシントンが、振り向いてコースを狙ったシュートをゴール右スミに流し込み、試合を決定付ける3点目をあげた。

前半と後半で180度様変わりした選手達。
監督の怒りには触れたが、後半は小野が抜けた穴を感じさせない怒とうの攻撃ラッシュを見せてくれた。
監督も頭をひねったが、前半のミスの多さはどこからきたのだろうか。
25本のシュートを打って3得点というのにも納得がいかない。首位は堅守したが、まだまだ気の抜けない状態であることは間違いない。

この内容で勝てて幸い ~ブッフバルト監督コメント~

今日は、前半について語ることはほとんどない。
守備でもミスが多かったし、リズムも作ることができなくて、対戦相手もあまりよくなかったが、ウチも本当にひどい内容だった。
ハーフタイムに入って、今年初めて選手達を起こすために非常に大きな声を出さなくてはいけなかった。
後半60分くらいで、選手を交代しようという考えが頭にあったが、どの選手もひどくて誰を代えようか迷うような内容だった。
幸いにも、後半、全員がパフォーマンスをあげて、選手も動くようになり、ボールも動くようになった。
今日は、後半しかゲームになっていなかった。
年間を通して、色々な試合があるだろうが、こういう内容でも勝てたということは幸いだったと思っている。

今日は、対戦相手に恵まれた。
次の試合は、今日みたいな相手ではなくて、すごく手ごわい相手。
今日のようなミスをしないように調整して臨みたい。

-ワシントンにくさびでボールが入った後のサポートが遠くなかったか?

特に前半、ワシントンに限らず前線のくさびのパスを早く出しすぎて、フリーでもててしまったことに選手達は驚いてしまい、単純な壁パスになってしまった。
通常であれば、あそこでは激しくタックルされるのだが、相手はそこにはいるが立っているだけであまりにフリーで持ててしまった。
前回の福岡との試合では、ワシントンは、相手に体を使った守備をされて自由にさせてもらえなかった。
今日は、ただ立っているだけの相手とやって驚いてしまった。
今日は、くさびに出したボールから(サポートする選手が)遠いというか、ほとんどなかった。
もっと出した後の動きや、サポートに走る動きは必要だった。

-出来が悪かったという原因は?

試合直後に分析するのは難しいが、あれほど高い技術を持った選手達なのに、ミスが多く、それ以前に動きが遅く、パスも横パスやバックパスが多かった。
動きが悪く、相手の穴を攻めることもできなかった。
何らかの技術的な低下があったとしか思えない。

京都戦を振り返って ~戦評&選手コメント~

簡単なプレーは難しい

「簡単にプレーする」。
時折、こんな言葉が選手から聞かれる。
この簡単なプレーとは何か?
つまり、何に対して、簡単にするのかが問題である。
『簡単なプレー』それは省エネ的な意味で楽にプレーする事ではない。
相手にボールを渡さず、かつ味方に対して、簡単にボールを渡す作業を指すと思う。
そのためには相手の事を考えながら、プレーしなければならない。
どのタイミングで出せば、スムーズにボールが繋がるのか。
味方選手がどのポジションを取っているのか。
その選手が何をしたいのか。
つまり、味方選手の特徴を把握しなければならない。

もし完全に違っていたら、相手にボールを奪われ、カウンターを仕掛けれる。
簡単なプレーこそ難しいと言われるのは、そのような理由からだと考える。
今シーズンカップ戦を含め10戦負けなしも「簡単なプレー=選手同士の共通認識」ができている証拠である。
簡単なプレーは難しい。だが、それができれば、怖いものはない。
ギド体制3年目にして「簡単なプレー」が完成しつつある。

選手コメント

≪キャプテン・山田暢久≫
今日の前半は悪すぎた。
もう少し簡単にプレーできていれば良かったが、ボールを持ちすぎて取られる場面が多かった。
ハーフタイムで監督にメチャクチャ怒られた。
すごく怒っていて、その怒りの中には自分もいた。あとは、ポンテとヒラ(苦笑)。前半は外からの攻撃を意識し過ぎてしまったかも知れない。
相手が4-4-2の場合、よくあるんだけど。うまく展開しようとして、ボールを持ちすぎて、そこで奪われたというのが今日の前半だった。
後半に入る時に、全体のポジションを少し前へ上げた。
啓太(鈴木)にも、ディフェンスラインに入る機会が多かったから「スペースあるし、もう少し前でポジショニングしてくれ」という話をした。
そうすることで、みんなで前をサポートできたと思う。

≪三都主アレンサンドロ≫
(後半は)もっとサイドを使う意識を持てと監督からも言われていたし、今までも言われてきたので、サイドを使うようになった。
(1点目のアシストは)最初は足元でもらうふりをして、あとはウラに走ればいいボールが出ると思っていたし、ハセがいいところに走りこんでくれたので。
2点目もスペースを上手く利用して、3点目も合わせるように動き出して、ワシもいいところに動いてくれた。
闘莉王のパスも、ヤマのパスも自分の武器にあったボール。
クロスは、ハセのゴールもワシの3点目のも、難しいボールではなく、簡単に出すことを意識した。
前半がいいコンビネーションで攻めることができなかったので、もっとサイドで作ろうという話を皆でして、もっと厚い攻撃をしようと思っていた。
ハセがあそこで走ってくれたのは良かった。
ハセが取ったからというよりも、ボランチあそこで走りこんで点をとったのが、いいことだった。

≪堀之内聖≫
前半では、球際の甘さなど修正しなくてはいけない事があった。
カウンターを与える隙さえなくしたかった。オーバーラップの部分は、今日の場合、ヒラ(平川)がスペースを作って僕や啓太が使うことができた。
もっとサイドを使う意識を持たなくてはいけない。
前半のような試合をしていては勝ち続けることは難しい。

≪闘莉王≫
前半はチームはダメだった。
相手に合わせたような感じだったし、ボールをもらおうともせず、突っ立ってばかりだったので、監督から檄が飛んだ。
(1点目のゴール)アレックスがいいタイミングで入ってくれたし、アレもよく追いついた。
(攻撃参加する場合)タイミングを遅らせて、中盤でタメを作ってもらいながら、センタリングの時だけは入れればいい。
ワシントンだけでなく、自分もポイントとなりたい。

≪坪井慶介≫
前半は淡白にプレーが終わっていた。
攻守にわたって粘り強さがなく、簡単にやりすぎていた。
(ハーフタイムで)監督は怒りモードでした。
自分のコンディションは良いと思うし、この高いパフォーマンスを維持したい。

≪鈴木啓太≫
前半、リズムがつかめなかった。
相手が引いていたので、もう少しボールを、はたいたりして変化をつけたかった。(1点目が入った時は)ようやく入ったという感じ。
不満というよりは、決めなくてはいけないし、入れて当たり前。
もっと早い時間帯で入れたかった。
重要なことは後半で修正できたこと。
悪い流れのなかでも結果を残せたこと。
ゴールもサイドから崩せて、きれいなゴールだった。
流れのなかで点が獲れた。
ポジションチェンジも流動的でボールもうまく回り、スペースも作れた。

≪長谷部誠≫
勝ち点3取れてよかった。
内容はまだまだツメていかなければいけない部分がある。
ゴールを取られて、追いかけてしまうような気持ちの面があると悪循環になる。(ゴールシーンは)いいボールが入ったので合わせただけ。
今日は点を入れたくらいで、何もやっていない。
自分としては常に結果を残さなければ、次のステップには上がれないと思っている。
負けていないので、勝ち癖もついている。

≪岡野雅行≫
今日は監督からウォーミングアップの声がかかるのが早かった。
なかなかボールがつながらない状態で真ん中がつぶされては苦しいな、という感じを持っていた。
1点が入り、少し全体が落ち着いてきたから、交代はないかなと思っていたが、早めの交代だったね。
監督の「もっと点を取れ」という考えだと思う。
1点取ったことでスペースは生まれたけど、スペースがあっても動かなければ、ボールも良い位置ではもらえない。
流れてボールをもらおうとイメージしていた。
ゴール前のチャンスはポンポンとボールがつながって、自分のところへきたから“これは!”と思ったが、いつもよりもボールが転がらず、足元に入ってしまい、シュートまで持ち込めなかった。
2点目が入ってからは楽しかった。

≪ワシントン≫
私へのマークは厳しくて、今日もまた1対2の状態でプレーしていた。
なかなかスペースを与えてはくれず、苦しい展開だったが、その中でチャンスを作り、2点取れたのは本当に良かった、良かった。
前半は“簡単に点が取れるだろう”と思っていたかも知れない。
そういう油断があったかも知れない。
ただ、ハーフタイムで監督に「もっと気合を入れろ!」と言われて、みんな自分たちのサッカーができるようになった。
前の試合も今日の前半もそうだが、サポートなしでボールにほとんど触ることができなかった。後半に入ってからは、みんなが顔を出してくれて、ペナルティエリア内に自分以外の2、3人の選手がいる状態で、良い攻撃の展開ができた。





















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