鉄人 須藤 將のホームページ

ホームページとして利用しています。モータージャナリスト、Webコンサルタントとしての活動をここに記載します。

Webマーケティングその6

2009-07-23 03:18:02 | Webマーケティング
Webサイトだけでは、継続的に商品は売れません。
マーケティング戦略を見直し、ターゲット・ポジショニングを修正する必要があります。

花王シャンプー・メリットは、数年前までは「ふけ・かゆみにきく」というキャッチフレーズで、主として男性をターゲットとした広告展開をしていました。
この花王メリットの市場シェアが頭打ちになり、2000年には市場シェアが8%
まで低下しました。花王は販売増加・市場シェア増加を目指して検討した結果、2001年に商品をリニューアルし、「弱酸性」のコンセプトで、ターゲットも子供を含めた家族に変えて、広告も可愛い子供を主役のTVCMに変えました。
結果として、花王メリットの市場シェアは10%まで回復しました。
商品のポジショニングを変えたことで、使用者層が拡大し、メリットの市場シェアは増加に転じたのです。

「ハイチオールC」は、1996年ごろに売り上げが横ばいの状況になりました。そこでマーケティング戦略を見直し、1998年から商品コンセプトを従来の「男性の2日酔い改善」から「女性のしみ・そばかす対策」 に変更しました。
ターゲット・商品コンセプト変更に伴い、製品仕様を変更し、Webサイト、広告・ 流通も変更した結果、1999年には、売上高が倍増しました。

花王メリットもハイチオールCも、それまでのターゲット層における増販が限界にきていたので、ターゲットと訴求ポイントを修正して(リ・ポジショニング)して、新しいターゲットへ新しい訴求で攻めて、結果として、売上げ増加を達成しました。

既存顧客層への浸透が成熟期に達した状況では、商品のベネフィットを活かせる新しいターゲット層へ、ポジショニングを切り替えて、訴求ポイントもターゲットに合せて修正して攻めることが必要です。

既存市場の需要に限界がきたら、別の市場を狙うのです。この市場には、別のマーケット・セグメント(顧客層)を狙う場合と、新しい使用法を開拓する方法があります。

花王メリットの場合は、前者でターゲット層を成人男性から、子供を含んだ家族へと拡大しました。

「ハイチオールC」は、「男性の二日酔い」という市場から、「若い女性のしみ・そばかす対策」へとターゲット層とベネフィットも変更しました。

この「男性の二日酔い」という市場から、「若い女性のしみ・そばかす対策」への変更は、非常に賢い戦略転換です。「男性の二日酔い」という市場は、毎日需要があるわけでなく、したがって、購入頻度も少ない。

ところが、「若い女性のしみ・そばかす対策」という需要は、気にする女性は、毎日、「ハイチオールC」を飲むことでしょう。安定した需要があるわけです。


リ・ポジショニングしたら、マーケティング・ミックスを修正する必要があります。
リ・ポジショニングしたら、製品仕様、取扱店、広告・Webサイト表現、広告媒体・クロスメディアをターゲットに合わせて修正します。

「ハイチオールC」は、ターゲットを変えたときに、製品の成分は変更しませんでしたが、継続的に飲みやすいように1回あたりの服用量を4錠から2錠に変え、1瓶あたりの錠数を変え、商品の”もの的”な仕様を調整しました。
価格についても、若い女性が買いやすいように、1瓶あたりの錠数を減らし、標準小売価格を3800円から2200円に引き下げました。
流通チャネルも、若い女性が買いやすいドラッグチェーンの取り扱いを強化するためセールスマンの営業活動の重点を、街の薬局からドラッグストア・チェーンに変えました。マツモトキヨシなどのドラッグチェーンの増加が幸いしました。
マーケティング・コミュニケーション活動では、Webサイトの新しい表現やテレビや新聞などへ新しい表現の広告を大量投入し、また、小売店頭での販売促進活動(POP広告)にも力を入れました。
このように、「ハイチオールC」のマーケティング・ミックスは、見込み客と対応ニーズの転換に伴い、製品仕様、価格、流通、マーケティング・コミュニケーションを変えて成功したのです。

最新の画像もっと見る