6時半から始まる始球式。
これを見るため、ドームに行くの。
だけど、ラーメンを食べておしゃべりに夢中になっていると、本来の目的を忘れてしまっている。
ぎゃあぁ~~~もうすぐ6時じゃん。
え、練習とか始まってるかもしれない?
入り待ちとかもう無理じゃん。
あ、FMシートのラジオを受け取らないといけないよ。
うわあ、もう間に合わない、バカ、バカ、わたしのバカ!
あれこれ応援しようと思っていたのに、そのために準備したのに、そんなゆとりないよ!
あせった、あせった、11月9日。
ファンミ会場にもけっこう遅めに来たし、ドーム入りもギリギリ。
始球式見逃したら、切腹?亀田○○?
人に話したら、だれもが呆れた顔したけど、でも、備えあれば憂いなし。
チケットを3種類用意したの。
ロイヤルシートに、チアシート、FMシート。
始球式はロイヤルで、会場でPeterの声を聞くには、FMシートのラジオで、ひょっとして、Peterが応援ステージに来たら、すぐチアシートに急行できるように。
こんなに用意周到なのに、いざ始まるとなると、どうして遅れるのかな?
さあ、ロイヤルシート。
入場するには、荷物検査がある。
わたしのバッグを見ていいか?中に手を入れていいか?
そう聞くので、
「いいですよ…でも、危ないのが入っているかも~あ、ヘビッ!?うふふ、あ、それ、爆発物かもよ~。」なぞと、若いバイトのお兄ちゃんをからかって遊ぶ。
ついでに、ボディチェックのお姉ちゃんにも、
「よ~く、調べないと、爆発物を持っているかもよ~。」
おばちゃんに怖いものはない、何でもできるのよ。
中に入ると、おお、ドームだ、コンサートでしか来たことない。
まず電飾ボード、これを大きく掲げる。
そして、「PETER加油!」と書いた大きな紙。
投げるときは、これを掲げて、投げ終わったら、
「Good Job!」の紙を掲げる。
Wさんたち、ご協力ありがとう!
最後にちゃんとご挨拶もせずにゴメンナサイ!
よしよし、ああっと、メガホンを忘れた…。
では、練習に電飾ボードにスイッチを入れてみましょう。
おお、新品なのでよく光る…後ろに忍び寄る警備員。
「お客様、これを試合中にご使用はおひかえください。」
「大丈夫ですよ、始球式の時しか使いません、試合のときは絶対使いません。それならいいでしょ?」
「聞いてまいります。」
とこういう会話があって、始球式の時のみ使うということで決着。
しかし、これがこの夜の警備員との戦いの始まりだったのだ。
そうしている間に、いよいよスタート。
まず両チームの紹介、ごめん、全く興味なし、だいたい中日ドラゴンズにどんな選手がいるのかすら知らないもん。
で、Peterは、いつどこで出てくるの?
ん~~あ、あ、あ、向こうの一塁側ベンチ前にいる~~~!
ぎゃああ~Peter!!Peter!!それっ、電飾ボードよ!!
立って!立って!
ぴいたあ~~~~!GyaaO~~~~OH!!(注:ゴジラではない)
どんなに声を限りに叫んでも、遠く離れるPeter♪2、3回手を振って、すぐマウンドに。
あ、投げた。けっこう遠くにボールを投げられるねえ。あ、ビデオ、ビデオ、ああ、また地面と空を映している、Peterが画面に入らないよ~!
え、今の練習じゃないの?
え~~~、今のが始球式なの~~~
だって、バッターボックスに打者も立ってないし、え~~これじゃ草野球のキャッチボールと同じじゃん。
あっという間の出来事に、呆然と立ち尽くすわたし…。
どんなボールを投げたんだ?
しかし、電飾ボードは珍しがられ、チャイニーズタイペイの選手もじっと見るし、関係者と見られる人たちがカメラに収めていた。
いや~ん、あなたたちでなく、Peterに見てもらいたいから持ってんのよ、いや違う、Peterの応援だから、周りの人に見てもらって正解か、ふふん、それなら、どうぞドンドン見てちょうだい、わたしが用意したわけではないけどね。
と、来た来た、警備員スタッフ、「電気を消してください!」「あ、はいはい。」
さあ、FMシートの出番だよ。
このロイヤルシートには同じPeterFansが数人座っている。
その中の知り合いの一人の方が教えてくれた。
「Peterは試合後、あの後ろのラジオ放送席に座りますよ。」
ん?振り向いた先に、おお、今まで全く気づかなかったが、ラジオ放送のブースがいっぱい並んでいる。
Peterの横が、なんと、星野監督と中居くんの解説ブース!
でも、そんなの関係ねぇ!Peterは、ど・こ・だ?
ラジオではまだ登場ではないらしい。
よし、ちょっと落ち着いて荷物を整理だ。
喉も渇いたし、飲み物も購入しよう。
あ、ロイヤルシートは三塁側はガラ空きだし、どこ座ってもいいんじゃないの?
よ~~し、ラジオ放送のブース近くに移動開始だ!
すでにこの時点で、フィールドではアジアシリーズの熱戦が繰り広げられていることなんて全く念頭にない。
同じロイヤルシートに座っている人たちでも、ドラゴンズ応援の人たちとは異世界の住人。
だって、わたしたち、フィールドに背を向けて、後ろしか見てないの。(笑)
そのうち、Peterの声が入り始めた。
おお、Peterの生声だ、通訳がついているので話がわかる、ありがたい。
でも、どのブース?見えないのよ、Peter、座高が低すぎるもん。
どこ?どこ?どこ?どこ?
すると、アナウンサーが「ピーターさんがどこにいらっしゃるかファンの方がお分かりになるように、手をふりましょうか?」
ナイス!アナウンサー!
おお、すぐ近くのブースじゃん、そこにいたのね、Peter。
もちろん、ロイヤルシートで試合中に大声で「Peter!」なんて叫ぶほどおバカさんではない。
でも、相当派手にパフォーマンスしまくり、応援の紙をあげて振りまくった。
そこで、本日三度目のスタッフ登場を招く。
「さげてくださいっ!」「はーい!(決して納得してない声)」
でも、両手を挙げてアピールするもんね、もう、ずっとその席しか見てないよ。
試合は今何回の裏?表?
あれっ?知り合いのファンのお1人がブースの横を歩いている。
ああ、そうか、わたしたちはロイヤルシートにいるんだ、これを使わない手はないね。
ぐふふ、だれでもトイレに行く権利あるよね、横の階段を通って、上がっていく。
ブースの近くを通る時、ぐいっと顔を覗かせて、中を見ると、いるのよ、Peterが!
もちろん手を振ったともさ、えへへ、手を振りかえして貰えた、昇天~~~
この後も、途中休憩の際にロビーに出てくるPeterを見るために、階段を上ったり降りたり、それに、友達を捜すため、あちこちのシートを行ったり来たり。
冷静に考えると、相当傍若無人、試合を真剣に見たい人にとってこれほど迷惑な客はないだろう。
でもね、ファンなんて、応援するスターがそばにいるとき、冷静になったり秩序を考えたりできないのよ。
現に、前日のリュ・シオンの時は激しかったらしい。
警備のバイトのお兄ちゃんが言ってたもん。
Peterの出待ちをするわたしたちを抑えるので、「だいじょうぶ、わたしたち、大人だから、心配しなくても押し寄せたりしないよ。」と告げると、
「いやいや、昨日もすごかった、上の人から怒られた。」みたいなことを言っていた。
いやあ、それくらいPeterが人気があるといいけど、悔しいことにsmap中居くんや韓流スターのリュ・シオンと比べられても、ねぇ?
通る時、こっちを向いて欲しくて「Peter!」と大声で叫ぶ、くるっと振り向いてくれるんだな、これが。
よほど野太い声らしい、ガックリ
Peter、おメメに星が入っているよ、スターの証だわ、いつ見てもかっわいい!
こんなことばかりやっていると、小腹が空いてきた。
目の前に、「東京ドームあいすもなか」の文字が!?
ほおお、これはうまそうだ、買うと、四角の東京ドームの形のアイスモナカ、よし大きいので友達に分けてあげようっと。
でも、割ろうとしてもモナカ部分が柔らかくて割って分けることができない。
ふん、1人で食べちゃえ。
階段を下りながらモナカを食べ食べ、あちこちウロウロ、やっと友達の席にもどろうとしたら、警備員のお席チェ~~ック!
何言ってんの、わたし3種類もチケット持ってんだから、さっきまでこれ警備員のチェックを逃れていたけど、今回はそうは行かないらしい。
さっき、ブースを覗いて、手を振ったのがどうもいけなかったらしい。
わたし(おそらく友達も)、東京ドームの警備のブラックリストに載ったもよう。
「お席にお座りください、番号が違います、これより先にはいけません!」
えええぇ~Peter!荷物も置いているのに、もう友達のところにも戻れない。
うなだれて、すごすご元の席へ、そして、そこにいた中日ドラゴンズファンに窮状を訴えた。
彼女達も同情してくれて優しかったので、来季は中日ドラゴンズ、特に「井端」を応援することにしよう。
彼女の背中にイバタの文字があったしね、って、それ、誰だ?
それからはわたしのところに来てくれた他の友達に連絡を頼み、携帯で連絡を取り合いながら、ロビーに出るタイミングを相談。
こう書きながら、今、冷静に自分を振り返ると、おそろしい…。
でっかいアイスモナカを立ち食いしながら、試合を一生懸命見て応援している人たちのいる前を、ウロウロした挙句、注意を受けても反発して、なかなか席に着かず、憎まれ口を利きながら、仕方なくふてくされて自分の席に戻る。
これじゃまるで、先生にいつも注意されるけど、でも、言うことをきかないタチの悪い中学生ではないか?
Peterに恥かかせちゃったんではないだろうか、ごめんね、Peter、これでも本当は常識人なのよ?
さあ、試合終了が近い、Peterがブースから出てくる、出待ちですよ、待機、待機。
「試合はどこが勝ったんだろう?」「さあ?」後から私たちの交わした会話。(笑)
最後にまた、「Peter!」一声叫んで振り向いてもらって自己満足だわ。
終わったら、またまた出待ち、急いでラジオを返そうっと。
わたしたちは、Peterの私物もサイン色紙も当たらなかった運の悪い仲間だしね、せめてもう一回Peterの極上の笑顔くらいゲットしたいじゃないの。
外は雨、これでPeterとお別れの日本fansの涙雨よ。
さあ、駐車場でうろうろ、Peter!どこなの~!わたしはここよ!(笑)
Peter
…そんなの関係ネェ!
そのあとは…それは、また別の話。
Peter、すごく楽しかったよ、一緒に騒いで応援したりいろんなことを語り合ったともだち、久々に会ったり初の出会いだったりした皆さん、
ここに書いたより、実はもっと警備員にはチェックを入れられた。
反省文
我を忘れて、勝手なことをして申し訳ありませんでした。
関係各位にご迷惑をかけました。
二度とこんなことはしません。(
疑)
ねえ、始球式のボールってどうだったの???