Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

支援、それぞれのかたち

2011-04-30 18:56:36 | 音楽療法

復興が急がれる大震災の被災地。この連休は多くのボランティアが東北入りするらしい。私の勤務先(医療法人・介護老人保健施設)は、専門職を送る支援で、陸前高田に行っている。

第一陣は4月半ば、事務長+訪問看護主任ナース+施設ケアマネージャ+介護主任のトップメンバーで1週間。車に医療品、薬、介護用品、カップ麺、寝袋をいっぱいに積んで出かけて行った。個人的にも感想を聞いていたが、先週その報告会が開かれた。

報道で見えない部分は本当に凄まじいらしい。海に近い地域は壊滅状態、渾然としたがれきの中に身体の部品が転がっていたり、腐敗臭を頼りに遺体を捜しているという現実に、「地獄というのはああいうものか」「精神的につらかった」と聞く。専門職の継続支援が必要と、とりあえず7月末までの志願者を募った。私も「こんなときこそ音楽」と手を挙げた。

5月は介護、看護、リハビリ、系列のグループホームなどの主任クラスが3名ずつチームで出かけることになった。(土)早朝出発、現地1週間で翌週(日)帰り、仕事は夜勤もあり、かなりハードな内容。これはやはり若手に任せたほうがいいかしらと、私は気持ちはあるが、体力(体調)的におそらく無理と判断した。では私にできることは? 「歌集、作ります」。

毎日いくつもの音楽療法プログラムがあり、自前歌集は3冊で300曲以上。ご利用者様以上に音楽環境にあるスタッフたち、「先生、家でお料理しながら『青い山脈』歌ってた」とか「お風呂でふんふん歌っていたのは、今日の音楽療法の歌」・・・というくらい、知らず知らずのうちに刷り込まれているスタッフたち。彼らが歌ってリードできるよう、我が施設ベスト50の選曲で歌集を作った。カットはネットの無料イラストを拝借、どなたのイラストかわからないが、支援へのご協力に感謝。

私のささやかな支援の形。末永く使ってもらえるようラミネートで補強し、祈りと思いをこめて、今朝出かけた第二陣に託した。来週の第三陣はリハビリ科の同僚と開設からもう10年以上一緒の介護主任たち、「任せて!」と。第四陣のリハビリ主任は「歌いますよ~! 先生の分も頑張る」と。必要だったら伴奏テープも作るし、歌集増刷も喜んで・・・と私は言っている。カンテレや携帯用キーボードを携えて、数日でも行きますよ、とも。

あちこち故障を抱える虚弱体質な私はいつ赴くことができるのかと思う。子どもの頃から教会や学校、そして家庭でボランティアを経験している私、気持ちはおおいにある。もう少し若かったらと悔しい思いはあるが、今いる所でできることはたくさんあると感じる毎日。留守を守るのも大事だし、まずは出かける若手を支え、お弁当の手料理やケーキを食べてもらおうかなとも思っている。

それぞれの立ち位置でできることはたくさんある。専門職の私たちは、長いスパンでの継続を、力と思いを尽くして頑張っていきたいと願っている。