Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

還暦を迎えた正倉院展

2008-10-27 20:37:31 | 季節
午前中はたっぷり 正倉院展 を楽しむ。開催3日目の月曜日の開館時間はねらい目だったらしく、スルスル入れた(この15分後には入場制限)。

正倉院展は10年ひと巡りらしい。次回この宝物に出会えるのは、最低でも10年後、そして全部見るのには40年かかるとのこと。気が遠くなるような世界だが、4年目にしてやっと内容が把握できるようになった。そのひとつには、奈良通・Mさんにくっついての<秋の正倉院展>と<冬(春)のお水取り>計8回の奈良詣で、奈良に興味を持ち始めたこと。そして今まで別世界だったお寺や神社見学で、仏教や神道の知識がふえたこともあるかもしれない。

さて正倉院展で毎回楽しみにしているのが、楽器。今年は、尺八。 たて笛(リコーダー)のような尺八で、私たちがイメージする尺八よりずっとスリムで高い音を奏でる。復元音が聴こえたが、天平時代のゆったりさとのどかさが感じられる柔らかな音色だった。演奏方法に決まりはなく楽譜もなかった時代、これぞ人々をいい気持ちにさせる癒しの音楽を奏でたと直感する。

愛らしかったのは、<テンのミイラ>。 どうしてこんな動物のミイラが宝物かと笑ってしまったが、いちばん人が集まり、微笑ましくみていたかわいらしい姿。それから <椰子の実>。 遠く南の島から流れ着いた実は、内塗りが施されていたというから、珍重されていたに違いない。<♪名も知ら~ぬ~遠きし~まより>を歌うときにはこの話をしようと、しっかり目に焼き付ける。



秋の奈良は面白い。正倉院展のあとは、また秘仏・建物公開へと大忙し。残念だったのは紅葉がまだだったこと。まだというか、まったく色が変わっていなかった。いにしえの古都は、<春は桜、秋は紅葉>がよく似合うのに・・・。それでも色づき始めた柿を味わいながら満喫した、奈良の休日。