Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

キース・ジャレット

2007-05-13 17:50:42 | 音楽
キース・ジャレット東京公演(5月8日 上野・東京文化会館大ホール)を聴いた。

彼の演奏をはじめて聴いたのは 昨年クリスマス前、ジャズ好きから「聴いてみて」とまわってきた <バッハ:平均律曲集>。 第一印象は「音楽を歌っている!」 それからバッハのほかの曲やソロコンサートも何枚か聴いたが、流れるような心地よさは、まるでフワッと爽やかな風に吹かれている印象だった。

ずっと楽しみにしていたコンサート、どんな音楽を奏でるのかしら? 即興の名手だから音楽が広がっていく楽しさを期待し、私は最初のフレーズに聴き入る。思っていたとおり! シンプルで優しい、でも芯がある音。本当に丁寧な音楽作りはスーッと心に入ってくる。語りかけるような音にどんどん吸い込まれる・・・、ゾクゾクしてくる。演奏者が音楽を楽しんでいる、だから主張しすぎない心地よさを感じるのかもしれない。目を閉じて聴いていたら、景色が浮かんでくる。私は全身耳になっていた。

20年以上前、海外の名の知れた演奏家たちの連続3日間ライブに行ったことがある。素晴らしい演奏だったが、なぜか「うるさい」印象しか残らなかった。またソロピアノの演奏会でも、全身の力をふりしぼって弾く音には魅力を感じなかった。私の中では<ジャズ=音の洪水>の長い時間だったから、まさに「目からウロコ」のキース・ジャレット。

前半6曲、後半4曲+アンコール2曲でたっぷり2時間以上。トリオの息も相性もピッタリ、ドラムとベースもよかった。最後の曲はベースソロが続く。低音の魅力的な音にジワジワ感動、涙がでそう。「すごく、いい」、これ以外の感想が見つからないほどのコンサートだった。



この夜の音は、きっと忘れない!