カレーなる日々 / शानदार दिन

インドの日常を中心に日々を綴っています。

麻酔。

2006年02月11日 19時53分59秒 | 病気 / SICK
私の手術を担当した麻酔科の先生は、
こう例えて説明してくれました。
 (内容は私の理解と学習を含めて編集してあります。)

麻酔は、①沈静剤、②鎮痛剤、③筋弛緩剤の3つを使用します。
①で気持ちを静め、②で痛みを取り、③で筋肉の力を緩めます。

麻酔は、飛行機で空を飛ぶ様な事です。
手術前の麻酔は離陸にあたります。
無事に飛行できるように、滑走路を走り出し、
徐々にスピードを上げて空中に舞い上がります。

手術中は、安全に飛行(手術)できるように、
心電図、血圧、脈拍、体温を常に確認して、
麻酔を維持すると共に必要に応じて輸血等を行います。

手術後は麻酔から醒め自発呼吸ができるようになると、
人工呼吸器を外します。これが着陸です。

そして大切な麻酔の副作用や後遺症の話もあります。

 外科医ほど派手な活躍はなく目立ちませんが、
  とても重要な役割をしてくれるのが麻酔科医です。

   ◆ 麻酔の実際(私の場合) ◆ 

私が入院している病室は6階にあり、手術室は5階です。
8:30頃、看護師さんに付き添われて5階に降りました。
2/6はたくさん手術があった様で待合室は満員でした。
しばらくすると名前を呼ばれました。
返事をして行くと麻酔科と外科の先生と看護師さんがが待っていました。

 先生:「お名前を確認します。」
  私:「サントーシーです。よろしくお願いします。」
間違われたら大変です。

先生は私をリラックスさせるためか、唐突に思わぬ事を聞いてきました。
 先生:「あの石は、売ってるんですか?」
あの石とは、写真のペットボトルの石の事です。
  (ちなみに写真の茶色がセラミック、黒色がトルマリン、
    白っぽい色が麦飯石〔バクハンセキ〕。たぶん・・・。)

これを見た人は、これは何か?と聞いてきます。
もっともみんなは、メダカを飼ってると思ってるらしく、
飲み水だと言うと驚きますが・・・。
  私:「欲しいですか?友人が持ってきてくれたんです。」
 先生:「なんか塩素とか取ってくれそうですね。」
  私:「はい。とても身体にいい水なんです。」

そんな会話をしているうちに、手術室に到着しました。
手術台に上がったらまず心電図を貼り、
右腕には、血圧計とパルスオキシメーター(血液中の酸素量を測定する)
を取り付けました。左腕には点滴がセットされました。
  (点滴は、病棟から開始する場合もあります。)

そして全身麻酔の前に、硬膜外麻酔を行います。
横向きに寝てエビのように背中を丸くした状態で、
背中の脊髄の近くの部分に針を刺し、麻酔を開始します。
 先生:「ちょっと押されるような感じがしますよ。」
  私:「はい。」
 先生:「もう一度、押されるような感じがしますよ。」
  私:「はい。」

・・・・ここまでは記憶があるのですが、
ここから先は手術が終わって声をかけられるまで、
全く記憶がありません。

  と言うわけで・・・ここからは想像です。

  酸素のマスクを顔にあてます。
  全身麻酔は点滴から麻酔薬を入れて始めます。
  麻酔薬の点滴を始めると、数十秒で意識がなくなります。
  筋弛緩剤を投与すると呼吸も止まりますので、
  人工呼吸の金属管を口から気管まで入れます。
  これにより歯が欠けたり、のどが痛かったりするようです。

  膀胱へ尿管が挿入されます。実際に手術できる程度に、
  麻酔が効いてくるまでに30分位だと思います。
  また手術後、麻酔が醒めるまでも30分位だと思います。

           

名前を呼ばれて麻酔から醒めた時に、
あっという間だったと思いましたし、
頭痛や吐き気もなくスッキリしていると言う感じがしました。

 先生:「サントーシーさん、わかりますか?」
  私:「はい。」
 先生:「終わりましたよ。何処か痛い所はありますか?」
  私:「ひ・・左肩・・・ 」
 先生:「えっつ?左肩ですか?」

手術室が一瞬「  」となったのは、言うまでもありません。
5時間ほど同じ姿勢でいたために、身体がこわばってしまったのでした。
こうして私は激痛の走る左肩を抑えながら、6階に戻って来たのでした。

この病院では、手術後は病室へ戻らない場合は、
ナースステーションの中にある「リカバリルーム」へ入ります。
壁の時計を見たら14:30でした。ほぼ予定通りでした。

              

以前、渡哲也と高橋恵子主演でドラマ化され話題になった本です。
高橋恵子が麻酔から醒めずに植物状態になってしまうと言う、
ちょっと怖い話です。

リスクは数万人に一人の確率と言われても、
宝くじと同じで、次は私の番かも?
と思ってしまう瞬間もありますよ、私だって人間ですから。

麻酔

講談社

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