ママ研究者~人生まだまだこれから~

製薬会社で新薬開発に挑む研究者。2人の息子(6&0歳)がいます。ママ研究者(今は臨床系)、日々の思いを綴ります!

製薬産業の将来、今後の発展を知るには。。。

2008-10-18 05:36:28 | 企業におけるお仕事
製薬産業の将来ビジョンや、現在おかれている状況などに関する情報を得たい場合、

医薬産業政策研究所 (政策研)

の web siteには、参考になる資料が豊富です。

政策研ニュースは、PDFでダウンロードできます。
目次を眺めるだけでも、産業の概要や方向性が結構見えてくるものです。

製薬産業の将来像~2015年に向けた産業の使命と課題は、ちょっとページ数は多いけれど、なかなか読み応えがあります。

各疾患の治療満足度と薬剤貢献度の図は、とても分かりやすいです。(P122)

アルツハイマー病や、多発性硬化症、糖尿病の3大合併症(網膜症、腎症、神経障害)などが、治療満足度が低いことが分かります。

一方で、消化性潰瘍、高血圧などは、薬剤貢献度、治療満足度共に、非常に高いです。以前は、胃潰瘍などは手術が必要でしたが、今は、H2ブロッカーとか、PPIなどで治せるのですから、医薬品の果たした役割は大きい。手術が要らない(低侵襲性)治療法は、体の負担も少ないと思います。(もちろん、薬の副作用が低い場合に限ってですが。)

また、大腸がんや胃がんは、治療満足度は中間位ですが、薬剤貢献度が非常に低いことが分かります。外科的手術の方が、優れているということなのでしょう。

それに比して、白血病などは、薬剤貢献度は高い。グリベックなどの分子標的薬の貢献と思われます。

手術ができなくて、治療満足度が低い病気の治療薬の開発に積極的に取り組む必要を感じると共に、こうした疾患の中でも特に患者数が少ない疾患に対しては、どのような取り組みをするのかを、真剣に考える必要があるでしょう。

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