以下は前章の続きである。
マッカーサー証言をTV放映せよ
第三段階としては、そのマッカーサー証言を日本に広く知らしめることです。
「梅毒」は長い時間をかければ治るでしょうが、病原菌が脳に到達しないうちに治さなければなりません。
ですから、NHKがゴールデンタイムに、「マッカーサー一代記」を製作し放映することを提案したい。
マッカーサーは、第一次大戦では数々の戦功を重ね、五十歳で史上最年少で陸軍参謀総長に任命されるなど、目覚しい昇進を遂げました。
その後、彼は米極東陸軍司令官として対日戦を指揮することとなりますが、バターンとコレヒドールで日本軍の猛攻を受け、部下の将兵数万人を置き去りにしてオーストラリアに
一時的にせよ、撤退する屈辱を味わいます。
やがて、ニューギニアから島伝いに北上する対日反攻を展開、結果として「アイ・シャル・リターン」という有名な言葉通り、レイテ島上陸を果たしました。
そして、日本の敗戦に際しては連合国最高司令官を務め、公職追放、憲法改正、財閥解体、農地改革などの占領政策を実施していった。
一九五〇年一月、アチソン米国務長官は「西太平洋におけるアメリカの防衛線は、アリューシャン列島-日本-沖縄―フイリピンを結ぶ線である」と演説しました。
台湾、韓国は防衛ラインから除外されていたわけです。
この声明が、朝鮮戦争勃発の原因と言われていますが、国連軍総司令官として国連軍を指揮したマッカーサーには、東京裁判で日本が縷々述べていたことがよく解ったのでしょう。
戦争収拾方法をめぐって、主戦論派だったマッカーサーは、トルーマン政権と対立し、けっきょく解任され、本国に召還されます。
そして、上院軍事外交合同委員会で前述の証言をするわけです。
そのシーンまでを放映するんです。
最後のシーンは、くだんの「日本は主として自衛のために戦争をした」という台詞を述べるところで終わるという構成にする。
その効果たるや覿面なはずです。
日本人ひとりひとりに、彼の述べたことが伝われば、日本の思想界や教育界、あるいは政治外交といった分野を、長い問侵してきた「梅毒」は完全に治るに違いありません。
もしNHKがこの放送をやりたがらなかったら、全国民が料金不払い運動でもやるべきでしょう。
(「WiLL」2005年9月号初出)