文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

当時、中国の人民解放軍は何ら動きを見せておらず、当然ながら日本政府も自衛隊を出動させることなど考えていなかった。

2018年10月18日 10時57分57秒 | 日記

以下は今朝の産経新聞、阿比留瑠偉の極言御免に掲載された論文である。

菅直人について、史上最低の首相だったと何度も言及した来た事の正しさが証明されてもいる。

仙谷氏、やぼは承知ですが・・・

菅直人内閣で官房長官を務め、11日に死去した仙谷由人氏は毀誉褒貶が相半ばし、特にその発言が物議を醸した人物だった。

言わずもがなのことを言って相手を挑発し、黒を白と言い張る。

めったに誤りを認めない…。そんな姿勢は傲慢そのものに見えた。 

ただ、仙谷氏の後任だった立憲民主党の枝野幸男代表が宣房長官当時、こう評していたのが強く印象に残っている。 

「彼はピュア(純粋)だから…」

自分はそうではないからもっと老獪に振る舞うという含みかどうかは分からないが、確かに仙谷氏にそういう部分はあったろう。

東大の学友で、菅内閣では内閣宣房参与だった評論家の松本健一氏(故人)も平成22年、産経新聞の取材に対し、こう語っていた。「仙谷はナイーブ(無邪気)でシャイ(恥ずかしがり屋)だ」

仙谷氏は「(私は)本当は気の小さい男だ」と述べたこともある。

それゆえに悪ぶってみせたり、強弁で押し通そうとしたりする癖があったのかもしれない。

中国漁船衝突の対応

とはいえ、たとえそうだったとしても、22年9月の尖閣諸島(沖縄県石垣市ブ沖での中国漁船衝突事件と中国人船長の超法規的釈放に関しては、もっと素直に反省し、経緯を明らかにしてほしかった。

仙谷氏の死去に関する菅氏のこんなコメントを聞き、痛感した。  

「軍事的衝突に発展しかねない場面もあった。最悪の事態は避けることができたのは仙谷氏の力だった」 

だが、事実関係を知る外務官僚は「この発言は根本的に間違っている」と断言する。

菅氏は大変な事態だったと強調したかったのだろうが当時、中国の人民解放軍は何ら動きを見せておらず、当然ながら日本政府も自衛隊を出動させることなど考えていなかった。

背負った船長釈放 

この問題では、菅氏も仙谷氏もずっと、釈放は那覇地検独自の判断だと虚偽答弁を続けていたが、仙谷氏自身が25年になって菅氏の意向を受けて船長釈放を法務・検察当局に働きかけたことを認めた。  

「中国の圧力にべ夕折れした菅氏が釈放を指示し、それを仙谷氏が全部かぶって処分保留での釈放などと理論武装した」外務省幹部は当時、筆者にこう証言している。

こんなこともあった。 

「外務省は一体何をやっているんだ。早く問題を解決しろ。中国に人脈だってあるんだろう」 

事件解決を焦った菅氏が休日の首相公邸に仙谷氏を含む関係閣僚と関係者らを集め、外務省側に罵声を浴びせ続けたのだった。

これに、たまりかねた外務省側が反論した。 

「鳩山由紀夫内閣が前年、外務省や宮内庁の反対を押し切り、『1ヵ月ルール』を破って天皇陛下を無理やり、習近平国家副主席 (現主席)に会わせたから、日本は中国に足元を見られているんですよ」 

菅氏はしばらく沈黙した後、「忸怩たる思いはある」と答えたという。

だが結局、外交判断などするはずもない那覇地検に責任を押しつけ、さらに中国に譲歩を重ねることになる中国人船長釈放を選んだ。 

この事件で菅内閣が国民の目から隠した漁船の体当たり映像をインターネット上に流出させ、仙谷氏から犯罪者呼ばわりされた元海上保安官、一色正春氏は16日、筆者のフェイスブックにこうコメントしていた。 

「仏さん(仙谷氏)に何だかんだというのは野暮ってもんです」 

もっともだと思いはしたが、やぼを承知で書いた。

(論説委員兼政治部編集委員)


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