文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization

日本の時間、世界の時間。
The time of Japan, the time of the world

ウェンウェン・シェン氏は、″偶然にも゛サバテイル氏の勤務する欧州議会にインターンとして入り

2021年01月02日 05時14分12秒 | 全般
以下は前章の続きである。
氷山の一角 
サバティル氏の夫人は、ウェンウェン・シェンという中国人女性であり、電子版「ファイナンシャル・タイムス」(2020年1月28日)には、奥方のシェン氏の経歴が紹介されていた(現在削除されている)。
四川省成都市生まれで、新華社通信に入る前は地方の大学で勉強していた。
この後、英国で8年間留学し、博士号を取得後、欧州アジア中央シンクタンク、欧州評議会、ブリュッセル自由大学などの要職についた。
その後、キャンベラのオーストラリアナショナル大学、ウェリントンのヴィクトリア大学、クライストチャーチのカンタベリー大学等、国際的な研究活動を展開した。 
ある国際学術会議では「ニュージーランドのウェリントン大学哲学博士」として「いかに中国共産党の『新しいシルクロード』プロジェクトを欧州で施行することができるか」というテーマで講義している。
現在は、サバティル氏と子供とともにベルリンに住んでいるようだ。
サバティル氏とシェン氏は、欧州の対外政策に関する学術論文の共著があることから、少なくとも2013年には知り合っていたことがわかる。
ウェンウェン・シェン氏は、″偶然にも゛サバテイル氏の勤務する欧州議会にインターンとして入り、2015年にサバティル氏が欧州議会の外交官として韓国に召集されると、その後を追うようにソウルの高麗大学のKU-KIEPーSBSーEUセンターで客員教授になった。
2016年、ウェンウェン・シェン氏は中国のウェブサイト(chinaqw.com)に「外交官夫人」と登録された。
前述の陳用林氏は、「学術研究者という職業はスパイ活動をカモフラージュするのに最適だ」と述べている。 
記事の最後には、この夫妻の活動例が挙げられている。
2010年にノーベル平和賞を受賞した劉暁波氏を偲ぶイベントが2019年4月15日にプラハで開催された。
アイルランド人の人権活動家、ビル・シプシー氏が仕掛けたもので、劉氏の妻である劉霞氏も参加予定だった。
しかし、劉霞氏はこのイベントへの参加を喜んで受けたのにもかかわらず、イベントには劉霞氏の姿は見られなかった。
中国人の人権活動家、Zou Fengsuo氏によると、劉霞氏は電話口で「泣きながらとても動揺していた」そうである。 
「ドイツ・エポックタイムズ」がチェコの電子新聞「Akualne」に行った電話インタビューによると(2020年2月19日)、サバティル夫妻が劉霞氏に圧力をかけ参加を阻んだという。 
劉霞氏がプラハ入りする予定の4月12日、シプシー氏にウェンウェン・シェン氏から電話があり、劉霞氏は参加しない旨が伝えられた。すぐにシプシー氏がサバティル氏に問い合わせると、彼らは劉霞氏の代弁者で世話人だ、と言うだけだったという。 
さらに、サバティル氏はこのイベントで1989年の天安門事件と故劉暁波氏と、その妻、劉霞氏のことについて取り上げないように要求した。
サバティル氏は劉霞氏の代わりに講演することを持ち掛けたが、シプシ一氏はこれを断った。
サバティル氏は、「霞氏の命にかかわるだけでなく、チェコと中国の友好関係にとって大きなリスクだ」とシプシー氏を脅したという。
結局イベントには、元外交官としてサバティル氏は出席したが、霞氏の参加はサバティル夫妻の工作により実現しなかった。 
「サバティル氏の件は、欧州とドイツにおける中国共産党の影響の氷山の一角を現しているに過ぎない。中共はもう10年以上もの間ヨーロッパにおけるネットワークを静かに念入りに構築してきており、その浸透度合いはとても深いのだ」と前述の前中共高官は語る。 
中国によるドイツへの侵食は、これほどすさまじいものがある。  
一方で、ドイツの日本に対する意識はどのようなものだろうか。
もともとドイツ政府は基本的に親中・反日的な傾向が強い。
例外は、ナチス時代の外相リッベントロップが、親日に舵を切るように動いていた数年ほどではないか。 
1911年から1938年までシーメンズの中国駐在員として慟いていた営業サラリーマン、ジョン・ラーベも中国が大好きだったようである。
この時に書いた日記が後に「発見」され、南京でラーベの知人だった、これまた親中のエルヴィン・ヴィッケルトの手で1997年『ラーベの日記』(ドイツ語原題『ジョン・ラーベ 南京の善きドイツ人』)として世に出された。 
中国はブランド化された「ジョン・ラーベ」のイメージを使い、さまざまな分野で動員をかけ「南京攻略後の日本軍の大虐殺時に、ジョンーラーベは25万人の中国の民間人の命を救った英雄だ」とあらゆる機会を使ってプロパガンダを垂れ流している。
ラーベの孫であるトーマスの子供は「中国語を習っている」など、プロパガンダ流布のための次世代育成にも余念がない。

この稿続く。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。