文明のターンテーブルThe Turntable of Civilization on September 2016

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金正恩氏の野望を挫くのは米国か中国か。米中ともその手段を持つが、両国の立場は全く異なる。

2017-11-03 20:41:44 | 日記

以下は前章の続きである。

中国が狙う対米取引とは

久保田るり子

金正恩氏の野望を挫くのは米国か中国か。

米中ともその手段を持つが、両国の立場は全く異なる。

米国は自国の安全保障上も核拡散防止からも「チビのロケットマン」に核弾頭を持たせるわけにはいかない。

だが中国、習近平国家主席にとって核武装した北朝鮮であっても利用価値がある。 

中国共産党大会で習近平体制は一層の権力基盤強化を行った。

2013年以来、外に向けあらゆる手段で権益拡大し、内向きには腐敗撲滅闘争で政敵を潰し一極集中を進めてきた。

その中国からみたとき、核ミサイル開発に血道を上げる北朝鮮の金正恩体制はもはや「血盟関係」も「友誼」も儀礼にすぎず、地政学的に価値のある衛星国でしかない。

中国は北朝鮮の第6回核実験に米主導の国連安保理の対北制裁決議で石油の全面禁輸に反対した。

北朝鮮系会社の閉鎖や海産物などの禁輸措置をアピールしているが、一体どこまで規制していて果たしていつまで続けるのか検証は不可能だ。

中国は北朝鮮が崩壊することを望んでいない。 

中国と北朝鮮は習近平・金正恩時代に入って急速に冷却化し、双方不信の塊である。

習近平氏の不信の根源は2013年12月、金正恩氏による親中派の叔父、張成沢氏(国防委員会副委員長)の処刑に端を発する。

金正恩氏は今年2月、中国の庇護下にあった義兄、金正男氏もVXガスで暗殺した。

金正恩氏は中国が張氏を使っていずれ金正恩体制を転換させようとしていたと確信していた。

その張氏が幼少からかわいがっていたのが金正男氏であり、「張氏が処刑されたときから金正男暗殺は自明だった」(韓国情報関係者)だった。

従って中朝関係は相互不信と相互利用の相関関係で成り立っている。

中国がバッファー(緩衝地帯)として自分たち(北朝鮮)を必要としていることを金正恩体制は熟知している。

確かに中国は北朝鮮を利用しているが、中国にとって北朝鮮が「金正恩体制」である必要がないのも事実。

習近平氏は金正恩という予測不能の指導者を不愉快に思っているだろう。 

利害と不信が交錯するなかで中朝は核実験をめぐる駆け引きを繰り返してきた。

この稿続く。