5月中旬、利きコーヒーに4種類を追加しました。
で、昨日第1号の方がご注文。
感想をお聞きすると「コーヒー好きなので4種類も飲めて幸せ」とのことでした。
また違う種類でお楽しみくださいね~!
いつから書いてなかったのかわからないくらいの久々のコーヒーの話です。
この文章をテーブルに掲示したら、ある奥様が「いつも主人に話しているのに、
こう書き物にしてくださると助かるわ…」とお礼を言われ、
ご主人が頭を掻きながら帰って行かれました(笑)
少し長いですが、お暇なら読んでください。
春まだ浅い4月のある日、年配女性と20歳くらいの男性がご来店。
帰り際に男性が「今までコーヒーには必ずミルク・砂糖を入れてし
か飲みませんでした。でも、ここのコーヒーは何も入れなくても自
然に飲めました。初めて本当のコーヒーを味わったんですね。今ま
で飲んだのは何だったんだろうと思います。美味しくて感動しまし
た」とお礼をおっしゃって帰られました。
この男性は若い頃からコーヒー本来の味を知ることができて幸せで
すね。この先60年程は、種類によって、また店によって違うブレ
ンドの味など、何千回何万回と飲むたびに違う味を味わっていける
のですから。一方、いつもミルク・砂糖を入れて飲む方は、何千回
何万回のコーヒーを全てミルク・砂糖の同じ味で飲むことになりま
す。もしかすると一生に一度もコーヒー本来の味を飲むことがない
かもしれません。人生の豊かさで考えるとものすごい違いですね。
日本にはインスタントという安くて便利なものが流通しているから
こそ、それがコーヒーの味と勘違いしている人も多いのです。
(なぜ多いかは、メニューの後半部分にあります。興味がある方は
そちらをどうぞ)
同じく4月。陽気な年配女性がストレートコーヒーにミルク・砂糖
をご注文されました。私が単一種類のストレートに混ぜ物をするこ
とのもったいなさを説明すると、「わかった!ミルク・砂糖はイン
スタントに好きなだけ入れたらいいということね」と明快に言われ
ました。なんと理解が早い!その通りなんです。特に、単一種類の
味を楽しむストレートや十数時間も水にエキスを抽出して飲む「水
出しコーヒー」など、その繊細な味を楽しむコーヒーに混ぜ物をす
るのは、大変もったいないことです。理由も知らずに何でも混ぜて
本来の味を失うなんて、チコちゃんに叱られるかもしれませんね(笑)
世界中のコーヒー生産量の約5%しかない希少なスペシャルティ
コーヒー。緑茶で例えるなら玉露中の玉露になるでしょうか。
最高級の玉露にミルク・砂糖を混ぜて飲む人がいるでしょうか?
また、インスタントコーヒーの原料は何だと思いますか?やはり
コーヒー豆ですが、一般の喫茶店では流通しないような品質の豆
が原料に入ってます。美味しい味になる訳がありませんよね。
中には「最初の一口だけはブラックよ」という方がおられますが、
残念ながら人間の舌は熱いものには体を守る防衛本能第一なんです。
まず火傷をしないかどうかを最優先にし、味覚は二の次なので適度
な湯温でじっくり味わいましょう。
昔、ウィスキーのCMでものすごくいい言葉があり覚えています。
「何も足さない、何も引かない」。製品の純粋な味と品質を表し
た言葉ですが、まさに言い得て妙ですね。美味しいコーヒーや紅
茶などにも全く同じことが言えます。混ぜ物をしたい場合は、ス
ーパーなどの大量生産既製品や自動販売機のものをどうぞという
ことになるでしょうか。