ダイビングにおけるオーバーウエイトは悪なのか
2016-11-01 17:16:48
オーバーウエイトは絶対ダメ!と一刀両断されることが多いようですが、
私はやや違和感があります。
オーバーウエイトは悪となると必然的に「ウエイトが軽いことがいいことだ」
と誤解され、時折水中で「軽過ぎるダイバー」をみてヒヤヒヤすること
があります。
特に脱初心者さんやキャリアの浅いインストラクターが陥りやすい
危険な傾向です。
実際に「ウエイトが少ない=神」との考えだった素人時代に数々の
トラブルを起こした私が言うのですから間違いありません(笑)
所で、いつもみなさんの前を泳いでいるインストラクター(ガイド)は
大体2~4kの余分なおもりをポケットに入れた、
いわゆる超オーバーウエイトで潜っていることはご存知でしょうか?
ゲストのウエイト不足や急浮上、急な潮流でのアシストなどの
トラブルに対応する為の安全対策です。
ここで思い出して欲しいのですが、そんなオーバーウエイトのインストラ
クターは、水中で中性浮力が取れていないでしょうか?
BCボタンの操作を頻繁にしているでしょうか?
きっと水中ではとても安定していて、BCボタンに触っている印象はほとんどない
かと思われます。
だからオーバーウエイトだから中性浮力が取れない、BCの操作を頻繁にしなくては
いけない、ということで全くないのです。
経験を積めば、適正ウエイトでもオーバーウエイトでも中性浮力の取りやすさは
大差ありませんから、もし適正ウエイトで完璧に中性浮力が取れるようになったら
オーバーウエイトで練習する(指導者と環境が許す場合のみ)のも良いスキルアップ
になり、水深変化や環境変化(潮流等)、体調の変化(呼吸が乱れる等)にも
上手に対応できるようにできます。
ちなみに軽過ぎるウエイトで潜っても何のスキルアップにもなりません。
もちろん一般ダイバーの方には最小限の適正ウエイトでダイビングすることを
おすすめしますが、私は完全プライベートでダイビングするときも、
急な流れや呼吸の乱れにも対応できるよう、
必ず1~2kのおもりをポケットに入れたオーバーウエイトで潜ります。
私だけでなく上級者ダイバーの多くは、意外とオーバーウエイトで潜っていることが
多いようです。
本当にオーバーウエイトで困れば、いつでもポイッと捨てればいいだけのことですから。
さて、みなさんが考える「最小限の適正ウエイト」とはどのようなものでしょうか?
講習などで「水面で目線くらいで上下動するのが適正ウエイト」と
誤って学ぶためにBCから抜いただけでスーっと潜降してしまうのはオーバーウエイト
だと勘違いしたり、水中を泳いでいて、みんなはふわふわ浮いているのに自分だけ
ドンドン身体が沈むからオーバーウエイトだと勘違いしている方も多いようです。
ここで私が考える「最小限の適正ウエイト」をご案内します。
「ダイビング終わりの浮上時に、BCの空気をすべて抜いて水深2mで
快適な呼吸でホバリング(中性浮力)できるウエイト量であること」
まず、ダイビング終わり、というのが重要でタンク内の空気が減れば
浮力も2kほど減ります。
だからダイビングスタート時に適正ウエイトが分かるはずもありません。
また、すべてのダイビングにおいて、万一の水面衝突を避けたり浮上速度を
遅くする為に、水面近く(約2m)でホバリングストップ(中性浮力)して
頭上確認、浮上速度確認するスキルは絶対必要です。
このときにBCに空気を入れなければいけないなら、それは余分なウエイトですし
逆に自分の意志に反して身体が水面まで浮いてしまうならウエイトが足りません。
これはビーチダイビングでもボートダイビングでも考え方は全く同じです。
「ボートダイビングで深めの所に行くからウエイトは軽めで」という考えは
間違っているのです。
もしかしたら徐々に自分のウエイト量が減ってきて、スキルアップした気持ちに
なっているダイバーさんがいるかもしれませんが、
浮上時に2mで快適に止まれるかどうか?ぜひ確認してみてください。
もちろんこれはひとつの考えです。
ぜひ身近なインストラクターさんと一緒に適正ウエイトや中性浮力について
話し合ってみてください。
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ブログをご覧いただき、誠にありがとうございました(^^)
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