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雑感や書評など

大和和紀「あさきゆめみし (2)」

2005-04-15 18:09:22 | 書評



「あさきゆめみし (2)」です。

父である桐壺帝が崩御し、有力な後ろ盾を失った光源氏は失脚して、須磨に流されます。そんで、新しい愛人と遊んでいるうちに、なんだか知らんけど復権して京都に戻るというのが大まかなストーリーです。

権勢の失墜が明らかになり、苦しむ光源氏に花散里は、こう言います。
やがてあなたは国の柱となられるおかた 天も時流も いつまでもあなたを ほうっておかれるはずがありません
もうすこし待てば きっと いい日がきますわ
大和和紀「あさきゆめみし (2)」204頁 講談社漫画文庫

そうか?

当人たちは深刻ぶっているのですが、エッチばっかりして、為政者として建設的な仕事をしているように見えない光源氏が転落したのは、「まぁ、当然かなぁ」と感じてしまい、個人的には同情などできず。


そんな醜男の嫉妬はほっといて。


紫の上と光源氏が始めて結ばれた後のこと。
男女のむつみ事など知らなかった紫の上は、たいそう怒り、悲しみます。
……ひどい……!
ひどい……!
おにいさま……!
おそろしかった……!
……まるでおにいさまではない人のように……
いままでやさしくしてくださったのも……
このためだったというの……
そんなことに気づきもせずに
なんておろかだったのだろう……
まるでほんとうのおとうさまか おにいさまのように思っていたなんて……
ああ……
いや……!
ぜったいに許さない
おにいさまなんて大きらい……!
大和和紀「あさきゆめみし (2)」88~89頁 講談社漫画文庫

そんな悲嘆に暮れるいたいけない少女に向けていった光源氏の言葉。ちなみに、紫の上は14才です。

わたしは男だから男としての愛の示しかたしかできない
こうしてあなたを導いていくことしか知らない
大和和紀「あさきゆめみし (2)」91頁 講談社漫画文庫

あんた、ほんまもんの男や。


あさきゆめみし―源氏物語 (2)

講談社

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