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雑感や書評など

宝島社「日本の右翼と左翼」

2007-02-02 22:50:26 | 書評
君は時の涙を見る


浅羽通明「右翼と左翼」を読んだながれで、「日本の右翼と左翼」を読みました。


こりゃ、つまらん。

まぁ真面目に読みたいわけじゃなくて、ちょっと電車での暇つぶしに買った本だけどね。
それにしても、つまらんかった。


内容は、明治以降の日本の右翼・左翼の代表的な人物について語っている本です。

が、右翼・左翼ともに、そちら側の人間が書いているため、どうも批判精神に欠けていて…………、「贔屓の引き倒し」になっています。


特に(僕が左右のどちらと言われれば、左側ということもあるが)右の解説がムゴイ。

結局体制に飲みこまれていった日本の右翼について、
「戦後もこんなにも影響力があったんだよ! エッヘン!」
とエラソーに書いてはいるものの…………、つまるところは、金に目がくらんで、自民党に協力したんだろ?

著者は、まるで、自民党を飲みこんでいたかのように書いてはいるものの…………。


白眉は冒頭の鈴木邦男による「なぜ日本は右傾化するのか?」です。
右側の立場の人間が、最近の右傾化を胡散臭く思っていることを、堂々と発言しています。


そう、本来、右翼であろうと、左翼であろうと、どちらも公平に体制側にとっては、邪魔なものなのです。

が、日本の右翼は、すっかり体制側だったからね。

そして、今の右傾化した世論も、勝ち馬に乗ろうとする浅薄さを感じざる得ないのは、新右翼という立場で絶えず体制に煙たがられた人間としては当然なんだろうなぁ。


後、概説書のくせに、「みんな知っているでしょ?」と言わんばかりに事件の名前が解説もなくピョンピョン飛び出すのも、不親切でした。


日本の右翼と左翼―テロ、クーデター、暴力革命、内ゲバ …その“思想”と“行動”のすべて!!

宝島社

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