すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

恩田隆「夜のピクニック」

2006-10-28 23:14:34 | 書評
流行か…………


恩田隆「夜のピクニック」を読みました。

えぇそうです。話題だから、手にしました。
ミーハーで、何が悪い?


「いや、悪いです」
と、思わざる得ない結果でした。


大して面白くないね。

文体は普通。
特に凝ってもないので、読み易いのは確かですが。


物語は「超映画批評」での指摘が小説にも当てはまります。

この映画は、2時間のほとんどが歩くシーンだが、その間引っ張りつづけるには、ヒロインの抱える秘密のネタが弱すぎる。

ネタバレしてしまうと、このヒロインというのが同級生の男の子と異母兄弟なんですよ。
で、男の方は、女の方を一方的に恨んでいて………でも、女は、私たちは、やはり和解すべきなんじゃないかと悩んでいて。

この物語の背骨である「異母兄弟」という設定は、ケッコウ早い段階で明かされます。
その後は、そのことでウジウジと二人が悩むことが中心で展開。


まぁさぁ中上健次なみの複雑は血筋を期待しているわけじゃないけど、「そんな悩み、ぶっちゃけ、どうでもいいよ」というのが、僕の感想。

そこで感情移入ができないから、後は、この微温的ストーリーを読むのは苦痛でした。

人によっては、このくらいの温度が好きなのだろうけど。

僕にはぬるま湯だった。


夜のピクニック

新潮社

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