すんけい ぶろぐ

雑感や書評など

谷崎潤一郎「痴人の愛」

2006-10-10 20:52:23 | 書評
さて


谷崎の「痴人の愛」など読んだり。

28才の男が、15、16才の少女と一緒に暮らしていくという冒頭から、頭がクラクラする設定です。

当時は、良かったのか?


で、最初は飼いならしていこうとした少女が、徐々に悪魔的な魅力を備えていき、最後には少女に男が飼いならされていくというお話。

面白いのは、「悪魔的な魅力」というのが、イコール「欧米化」していくこと。

男が女に屈服していく恥辱とともに、日本文化が欧米文化に敗れていくことも同時進行しているわけでして、こういう筋立ては、やっぱ玄人ですな。


痴人の愛

新潮社

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