頭は獅子、体は山羊、尾は毒蛇という怪物。口から炎を吐き、人間を苦しめていたが、ペガサスに乗った英雄ベレロフォンに滅ぼされた。
合成獣の代名詞でもある。神の創造の法則を乱す、不正な創造を予感させる。
人間はその科学力で、遺伝子を操作することすらもできるようになった。シャーレや試験管の中で生殖細胞を操り、ある程度受胎を操作することもできるようになった。
クローンという肉体を創造できる可能性も見た。
その技術の行く先には、キメラのようなまがまがしいものを生み出し、かつてない暴虐の獣をこの世界にもたらす可能性もあるのである。
霊魂を無視した肉体の創造は、想像をはるかに超えた歪んだ未来をもたらす。人間はこの伝説の獣に、タブーの壁を感じねばならない。
肉体創造の技術よりも先に、霊魂の進化の道を学ばねばならない。
本館:ポーラースター・システム・46
別館:ミンタカ・4
第3館:紫の薔薇と朱いすみれ
写真館:夏の蝉
ご自由にお書き下さい。
*ハンガリー建国記念日、蚊の日、禁門の変が起こった日。誕生花はセンニチコウ。
人間の苛立ちを掻き立てる昆虫。
夏に、特有の翅音を立てて飛んでくる不快さはひときわである。
人間の肌に円筒状の口吻を刺し、血を吸う。吸われた後の皮膚は、蚊の唾液に反応してアレルギー反応を起こし、異様にかゆい。
ほんの少しとは言え血を奪われ、後に不快な症状を残していかれることに、人間は時に憤慨する。このほとんど15ミリ以下の小さな虫を駆逐するために、様々な製品を作る会社が繁栄していることに、彼らがどんなに人間を苦しめているかがわかる。
小さな虫だが、構造はすばらしく、神の表現としては実に巧みである。生き物の中ではほとんど最小限の機能をもたせ、実に巧妙にできている。
だが、人間の徳分の向上により、蚊の害は減少しつつある。彼らによる苦しみを味わわねばならないのは、霊魂に野生の色を残した人間のみである。向上した霊魂を持つ人間は、ほとんどこの昆虫に悩まされることはない。
その点で、人類の向上の一つの道しるべと言える存在である。ゴキブリの存在は、人類に罪の影があることを教えるが、カの存在は、人類に野生の影があることを教えるのである。
本館:おばあさん
別館:ヴィンデミアトリックス・28
第3館:ファンゴーの猿・9
写真館:すずめ
ご自由にお書き下さい。
*ドミニカ共和国共和国再興記念日、女子大生の日、北条政子の忌日。誕生花はカライトソウ。