DCアーケードスティックの改造をやってみた感想として、改造ベースのジョイスティックとしてはそんなに高品質でもなく、パーツ換装や取付加工などで作業に手間がかかる事の方が多いです。レバーとボタンの間にVMのスペースがあるので、この離れ具合が嫌な人もいるでしょうし。
ですので、普通でしたら素直にリアルアーケードPRO系やファイティングスティックなど、他のジョイスティックをXBOX360用に改造したほうが楽でしょう。(^^;
それでもこのスティックを使いたい理由として、
- 360対応後もVMが使えるまともなDC用スティックとして残したい。
- DC本体は無いけどスティックだけ余ってるので360用に再利用したい。
- できれば改造後のパーツや基板をあまり無駄に余らせたくない
など、そんな事を考えている方へ改造の参考になれば幸いです。
今回の改造で参考にしたサイト。
今回の通販で買った主な必要部品(購入先…マルツパーツ)
- 超高輝度チップLED緑(BG1101W/5個1セット)…210円
- 小信号用汎用ダイオード(1N4148/50本)…500円
- ファストン端子(#110/10個入×2)…840円
- ファストン端子(#187/10個入)…420円
1.DCアーケードスティック分解
裏蓋および天板の鉄板のネジを外して、中のパーツを全て取り出し。中の部品はコネクタやネジで簡単にバラせるが、ボタン類はケースとの隙間に精密ドライバーでツメを押し込んで天板から外す(スタートボタンのみハンダこてで端子を取り外し)。天板の裏はサビが酷くプラケース側にも結構こびりついていたので、可能な限りサビをこすり落としてみる(完全には落ちませんでした…)。
2.ケース加工
自分の好きな改造内容に合わせて、電動ドリルやカッター、ヤスリ、ハンダこて等でケースを加工します。私の場合は以下の箇所を加工しました。
- "BACKボタン"と"ガイド(椎茸)ボタン"の穴追加。レバー取付土台の削除。
- ゲーム機接続ケーブル用コネクタ部分の開口、ケーブル切替SWの取付穴を追加。
- 360パッド基板設置のためレバー下のケース補強の削除、その他細かい箇所。
特に穴を開ける前は、ケース裏側を見て取付部品がケースに干渉しないか確認。今回は"BACK"ボタンがケース側面にギリギリ過ぎて、取付に苦労することになりました。
3.XBOX360パッド配線
今回使用した360パッドは、有線コントローラ新型の方。購入時の新旧見分け方や配線内容などの詳細はまとめWikiを参照。実際に扱った注意点として、ハンダが乗る面積が小さいうえ、ハンダ後にちょっとした力で配線を引っ張るとパターンが剥がれるので、ホットボンドで速攻固定してしまうのが絶対安全です。右写真中央の焦げた跡が、その見事な失敗例… そのため、表側の十字キー接点より直接付けてホットボンドで固定。
また、Lトリガー可変抵抗(黒い部品)を取り外す際に、3つある端子のうち中央のパターンが切れてしまったので、裏の"TP10"へジャンパー(紫の右斜め配線)を飛ばすはめに。最初これに気付かず、バーチャ5体験版でガード押しっぱなし状態だったり、DOA4体験版で操作不能状態でした。
4.XBOX360ガイドボタンの移植
今回、悩んだ箇所その1。単純にスイッチとしてなら、パッド基板より信号線を引っぱり出して適当なスイッチを付けるだけでよかったのですが、LEDも光らせるとなると何らかで基板を作らないできそうにないです。考えたうえ、ポポ次郎氏の作成例のようにLED基板を自作することにしましたが…
しかし、ケースには24mmボタンを付けるスペースも無いし代用材料も特になし、パッドの極小LEDを別基板に移植する自身もなかったので、別途LEDを購入して使い古しのユニバーサル基板の切れ端で作成する事に(あとで予備のユニバーサル基板も注文すればよかったと気付くも、すでに手遅れ)。
とりあえず、パッドよりガイドボタン1組とゴム端子("START"や"BACK"が繋がってるのをガイドボタン分だけ切り取り)を再利用。作った基板上にLEDを取り付け、ダイソーで買ってきたアルミテープを小さく切り貼りしてガイドボタンの接点を作成。全配線をハンダ付けしたら、ゴム端子のLED穴も現物に合わせて、若干切り欠いで広げてます。
購入したLED寸法はL3.0×W1.5×H1.5で、何とか普通に取り扱える大きさです。最初は青を買おうと思ったら、値段が極端に高かったので安い緑に変更。でも、光るLEDを基板上で直接見ると実際は黄色?? まぁ、光ればいいのですけど…
この時点でのLEDは、元のパッド上と新基板上の平行接続で両方光らせてますので、出力が落ちて若干暗くなってます。そのため、後でパッド上のLEDを外しましたが、取り外し中ハンダこてにLEDがくっついて溶けてしまい1個破損。もう一つも落として危うく無くしかけました。やっぱり別に買ってて正解。(汗)
ケースへの取付はガイドボタンをケースに穴を開けて入れたあと、両側にM3×25mmの皿ネジ(後ほどM2.6×25mmの鍋ネジに変更)をケース裏の4×15の金属スペーサに通して、ボタン&端子ゴムを基板で挟んでナットで固定。これでボタンを押した感触そのままに移植完了。
5.各種ケーブルのコネクタや配線
後々の更なる改造作業や部品交換・修理時のメンテナンス性の向上のため、基板や部品の区切りをコネクタの取り外しでバラせるようにしたつもりです。コネクタがD-SUB15Pと樹脂製12P角コネクタ(筐体のコンパネ接続用)の両方を使ってるのは、それぞれの手持ちの数が足りなかったから。(汗)
写真左上から順番に…
- DC基板からのケーブルと、レバー及びボタンの接続ケーブル。ファストン端子はレバーが"187"、ボタンが"110"を使用。
- 360パッドからゲーム機側接続コネクタまでのケーブル。今思えば、360パッドやDC基板からのケーブルは途中で切らなくても、根本のバラ線あたりで切って繋げばよかったと後悔してます。(汗)
- 今回、悩んだ箇所その2。信号誤動作防止のダイオード基板。同じ配線でもDCと360では信号の流れが、以下のような感じで逆になります。
・DC時…橙色コネクタ(各ボタン別信号)→D-SUB15P(各入力スイッチへ)→共通線(GND)
・360時…共通線(Vcc)→D-SUB15P(各入力スイッチへ)→白色コネクタ(各ボタン別信号)
接続ハードをどちらかにすれば何も考えなくていいんですが、DC・360両対応で2系統の配線をそのまま繋ぐと誤動作が起きます。そのため、スイッチングダイオードを各入力信号×2(今回はレバーと6ボタン、スタートで全22個)使用して、DCと360の信号でそれぞれ方向を逆に取り付けて逆流を防止。念のため共通線のGND/VccはスライドSWで切替式にして、未使用側の配線を完全に遮断したつもりです※。今のところ、これで問題は一応起きてないです。
※5/11追記
ダイオードを付けた状態なら切替スイッチ無しでも、動作の不具合は特に見られないようです。
と、いろいろ区切ってみたものの、最後に全て繋げて詰め込むと余計にゴチャゴチャとなってしまいました…
一旦、ここで終了。残りはまた後ほど「まとめ2」にて。文章が長くてスミマセン。