鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

日本の伝統文化である畳の行方

2018年05月23日 | 議会活動

平成30年5月23日(水)

 

 富士富士宮地区畳商工業協働組会の総会に出席し、来賓としてあいさつをさせていただきました。また、関係者の皆様との意見交換をさせていただきました。

 

 今年で39回目の通常総会を迎え、事業報告・決算および事業計画・予算のほか、新体制での人事案について熱心な審議が行われました。審議が全て終了してからのあいさつであったことから、その審議内容についてつぶさに見させていただきましたが、業界が置かれている厳しい経営状況を目の当たりにしました。

 

 私達日本人にとっては、和室を構成する畳は当たり前の生活必需品でもありました。しかし、生活様式が和式から洋式に変化し、今では畳のない家も増えているといい、それに伴う畳の生産量は激減しています。

 畳の材料も自然のイグサのほかに、化学繊維製や紙製などもあると聞きます。見かけは同じ畳でも、素材によって畳の性質が変わり、畳の特徴的な機能が失われているといいます。

 イグサを使った畳の特徴は、優れた保湿性と断熱性により、高温多湿な日本の気候に適し、快適な生活が可能。自然由来の材料のために、多くの建材の接着剤や塗料などによるシックハウス症候群といわれるホルムアルデヒドなどの原因物質を放たず、さらに空気の浄化作用もある。イグサに含まれる成分には鎮静作用があり、リラックス効果が期待できるなどが指摘されています。

 同じ畳でもこの効果が得られるのはイグサを材料に使ったものであり、かつてはどこの家庭の和室でも意識せずにその効果を得ていたことになりますが、人工材料が普及すると、その効果は望めず見てくれだけとなりました。畳の良さが失われていった背景には、イグサ以外の材料が使われるようになったからとも言えます。

 

 さて、このところ外国人観光客が多く来日するようになりましたが、かつての爆買いはなりを潜め、日本文化や食、景観などを楽しむ「モノからコトへ」と求める対象が変わっています。これまで、外国人観光客を受け入れるために、宿泊施設ではあえて外国人が自国で生活しているかのように洋式に改造するケースが多くありました。それはそれで相手に対するおもてなしとして理解できないものではありません。しかし、最近の外国人観光客が求めるのは、外国人向けの日本ではなく、ありのままの日本であり、日本文化や伝統を体験したくて訪れるとも聞きます。来日して一日のうち、約半分が宿泊施設に滞在する時間とすれば、その中で日本を体験できる和室は重要な位置づけといっても過言ではありません。

 

 日本の文化が国民の間でいつの間にか薄れたものの、外国人の関心の高まりにより、また日の目を見ることがあっても良いのではないでしょうか。その一つに畳があり、本物の畳の良さを私達日本人が再認識する時が来ることを期待したいと思います。

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