鈴木すみよしブログ

身近な県政にするために。

地元医師会との意見交換

2024年02月09日 | 議会活動
令和6年2月9日(金) 

 医師少数区域となっている富士医療圏(富士市・富士宮市)のうち、地元である富士市の医療に関する課題について、富士市医師会役員との意見交換を行いました。

 当市では市立中央病院の建て替え計画が進められており、地域の中核医療機関としての病院機能がどうあるべきか。市民の「かかりつけ医」として1次医療を担う診療所等に関わる市医師会から地域医療の現状を知ることは、医療圏に関わる県の立場からも重要なことと考えています。特に、救急医療体制は重要であり、その機能が満たされなければ市民の命を守ることも懸念されます。

 国は富士医療圏を医師少数区域に指定しており、隣接する沼津市や静岡市と比べ、医師数の少なさが明らかです。医師偏在指標という数値で分類され、少し古いデータですが2019年度の富士地域は指標が150.4で全国261位となっています。県内8医療圏域あるうち、7位と低迷しています。これを病院勤務医師数と診療所医師数を比べると、救急医療を担う病院勤務医師数が少なく、より深刻な状況となっています。人口10万人当たりの病院勤務医師数は、静岡市168人、沼津市106人、富士市は83.4人です。
 今年4月から始まる「医師の働き方改革」は、医師不足をより一層厳しい状況に陥ることも予想されます。

 市医師会は、当市内での病院勤務の医師数が少なすぎることを課題として取り上げ、救急医療への影響のほか、医療圏全体で110床程度が休床病床となっている報告がありました。この背景には、医師だけでなく看護師不足も大きく影響しています。
 この解決方法として、当市においては市立中央病院規模の病院がもう一つ必要ではないかとの見方もあります。その課題解消に向け何ができるのか、外部から医療機関を誘致することができるのか、既存の医療機関における医療従事者を増やすことなどにより医療圏全体の体制強化を進めていく必要がありますが、いずれも容易にできることではありません。

 医師不足のほか、開業医の高齢化は今後大きな課題で1次救急にも影響があることが予想されます。富士市の救急医療センターは1次救急を担う医療機関で、市から市医師会に委託され運営されていますが、診療科により異なるものの、出動される医師年齢は、内科の場合、55歳から75歳までで、60歳代が多くなっています。市医師会員は70歳になれば救急医療センター当番を辞退することができるとされ、さらにそれぞれの医療機関の後継者が少ないといいます。予想では5年後の救急医療センターに勤務できる医師数が不足し、運営が厳しくなると予想しています。

 1次救急で対応しきれない患者は2次救急に回ることになりますが、2次救急を担う医療機関は市内に2カ所あり、そのうち1カ所は当番日のみで、市立中央病院の負荷が大きく全ての患者を受け入れることができないこともあります。それを補うために、かろうじて隣接する医療圏の医療機関に受け入れていただくことも発生しています。
 診療所の多くは正午から午後2時頃までが休診となることが多く、この時間帯の救急患者は市立中央病院に搬送されることもあるようですが、1次救急と判断され受け入れていただけず、受け入れ先が見つかるまで時間がかかるケースもあるようです。
 市は市医師会に協力を求め、当面の間、平日のこの空白の時間帯に救急搬送される1次救急医療患者を、市医師会所属の病院や診療所が輪番で受け入れることになりました。

 この地域の救急医療は危機的な状況といえることから、その課題解決に向けた対策は急務で、新たな市立中央病院の建て替えに伴い、病院設置者の市および病院、地域医療を牽引する市医師会、様々な医師確保(看護師も同様)に向けた県の支援策と連動して取り組むことが重要との認識で一致しました。

 今後は、課題解決に向け市や市議会及び市医師会とも情報交換しながら、県と市の連携を模索していきたいと思います。
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