住みたい習志野

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Narashino Geography 73  「DV空間化する世界」

2022-03-13 21:09:25 | 地理学

DV空間化する世界 

DV(ドメスティック・バイオレンス)」には巧妙で多様な支配のスタイルがあります。家庭などだけでなく、学校や刑務所、軍隊や病院というような閉じた空間では支配と被支配の関係がとりわけ明確になりやすいと言えるでしょう。

今の世界は巨大なパノプティコンのように見えます。

パノプティコン(panopticon)とは、「あまねく(pan)」「見る(optic)」というギリシャ語の語源から「一望監視施設」と呼ばれる監獄施設です。

功利主義者のベンサム(17481832)が提案した「一望監視施設」のことですが、フランスの思想家のミシェル・フーコー(19261984)が刑務所などの監視施設が、ヨーロッパでは社会全体を効率的に監視するシステムとなっていると「監獄の誕生」(下図)で指摘しました。

ボクたちは「超監視社会」に生きている

ボクたちは「超監視社会」に生きています。現在の超監視社会では、自由なようでも、さまざまなシステムで監視されています。街には防犯カメラという監視カメラがいたるところに設置され、交通系ICカードで移動のデータや、クレジットカードなどの購入履歴もデータとして蓄積されています。マイナンバーにひも付けすれば、あらゆる情報を容易に管理することが可能です。いつの間にやら監視され、管理したい時に、データを引き出して利用するという社会になりつつあります。さらにクラウドに蓄積された情報を企業などが利用する動きも強まっています。「デジタル」という名の下に国民がよくわからない世界が構築されているようです。

警察法が改定されると危険、国家警察の復活

最近気になったのが警察法の改定です。警察庁のなかにサイバー特別捜査隊を設置するというものです。「サイバー攻撃の増加」というもっともらしい理由を掲げていますが、警察庁という国家機関に国民を直接調査する実働部隊が置かれることは、敗戦後、避けてきた国家警察の復活ともいえます。憲法21条で保障された通信の秘密を侵害することにもなる法案がわずかな審議で国会を通過しそうです。メディアでは、ほのとんど取り上げられていないのですが国民のコミュニケーションが制約される時代が迫っているようです。

デジタル化ですべてが監視される社会に

テクノロジーの発達でデジタル化は避けられないことですが、それが人間のためになるのかが十分吟味する必要があるとおもいます。「デジタル神」のしもべとなって人間が生きていく時代はどうなるのでしょうか。

学校でもコビッド19パンデミックの下、十分な研究もなく、オンライン授業が行われて、教員も子供たちも戸惑っています。さらに「GIGAスクール構想」という得体のしない動きやデジタル庁は「デジタル社会の司令塔になって一気呵成にインフラ整備を進める」と宣言しています。どちらも内容不明で十分な議論なく進められるところが心配です。

教育は人生で繰り返しできない一度きりの経験です。そして、教育が自分の人生を豊かにしたかは、ほぼ検証不能です。学校では生徒のさまざまなデータが蓄積されて管理されています。今までは、紙ベースのもので構内にとどまっていましたが、これがデジタル化され、いつでも文科省やデジタル庁が監視、管理できるようになるようです。もちろん教員も監視、管理の対象です。もしかすると教室に監視カメラが設置され、授業内容をチェックする時代になるかもしれません。表向きは「授業の自由」と言いながら、いつでもチェックできるというシステムが構築されるでしょう。

学校でマインドコントロールされるようになる?

最悪の状況はまだ想像できます。生徒の持つタブレットに直接さまざまな情報が送られ、マインドコントロールのような状況が作り出されるかもしれません。今日は「首相講和の時間」と言って全国の生徒たちが首相のお話を聞かされるという悪夢も危惧されます。

なにしろ、先行きがまだ見えません。「火事場泥棒」のように理由をつけて、いろいろなことが進められそうです。(近)

 

 

 

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今問題のロシア、実は昔、戦時国際法で世界をリードしていた

2022-03-13 20:40:59 | 歴史

以前「習志野歴史散歩」を連載して頂いた「ニート太公望」さん、シリーズの中の

習志野歴史散歩:習志野のロシア人捕虜の世話をしたニコライ主教(「ニコライ堂」を造った人) - 住みたい習志野

という記事で、

当時ロシアは、国際法をリードし、「万国平和会議」を主唱。西欧列強に「文明国」として認められようとしていた

と書かれていました。ウクライナが緊迫する中、改めて以下の通り投稿してくれました。

戦争当事者が国連で議決権や拒否権を持っているのはおかしい

 ロシアの拒否権のおかげで国連が機能停止なのですが、自分が当事者である議案には議決権は行使できないとすべきではないでしょうか。習志野市議会でも、自分が利害関係人であるときは一時退席を求めますよね。だからロシアも、採決の前には退席すべきでしょう。当然、拒否権は使えない。
先日も、当番だからと安保理の議長席に平気で座っていましたが、おかしいですよね。

ロシアは国際法破りの常習犯?

 ロシアのウクライナ侵略は市民を巻き込んで、悲惨な様相を呈してきました。「戦争ではなく特殊軍事作戦だ」という強弁に、国際社会からは「国際法違反だ」という非難が巻き起こっています。

 ところで、ロシアは国際法破りの常習犯だ、と言われます。特に日本は第二次世界大戦において、まだ残存期間のあった日ソ中立条約を破棄され、樺太や北方領土をソ連に奪われた苦い経験があるので、そう思う人は少なくありません。ロシアより先に条約を破ったのは、独ソ不可侵条約を破棄して、突如独ソ戦を開始したヒトラーぐらいのものだ、とも言われています。

しかしロシアは昔、国際法をリードしていた国だった

 ところが意外なことに、19世紀から20世紀初頭にかけて、実はロシアは戦時国際法において世界をリードしていた国だったのです。フョードル・フョードロヴィッチ・マルテンス博士(1845~1909)という碩学がいてロシア皇帝を動かし、ハーグ平和会議を開催して戦争というものに国際法の網をかぶせようとしたのでした。

 マルテンスはエストニア人の両親の下に生れ、ドイツ語で教育をうけた後、サンクトペテルブルク大学法学部に入学します。1868年(明治元)にはロシア外務省に勤務、その後、母校サンクトペテルブルク大学で国際法の講師となります。そして、戦争というものが避けられないならば、何とかしてこれに文明の網をかぶせ、野蛮な行為を禁止しようという理論を提唱したのです。

マルテンス博士がリードし、ハーグ条約で、毒ガス兵器禁止、軍事目標以外への攻撃禁止、捕虜の取り扱いなどが決められた

 その学説はロシア政府を動かし、皇帝ニコライ2世は万国平和会議の開催を提唱します。1899年(明治32)、オランダのハーグでその会議が開かれました。26ヶ国(ドイツ、オーストリア=ハンガリー、ベルギー、清国、デンマーク、スペイン、アメリカ、メキシコ、フランス、イギリス、ギリシア、イタリア、日本、ルクセンブルク、モンテネグロ、オランダ、ペルシア、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、セルビア、シャム、スウェーデン、スイス、トルコ、ブルガリア)が集り、ロシア代表としてこの会議をリードしたのはマルテンス博士でした。その結果、陸戦の法規・慣例に関する条約(ハーグ陸戦法規)などの重要な条約と,毒ガス兵器の使用禁止宣言などが採択されます。陸戦法規は軍事目標でないものへの攻撃の禁止、無辜の民の保護、捕虜の取り扱いなどを初めて成文化したものでした。

「ハーグ条約を守って文明国の仲間入りをしたい」という日本の捕虜の取り扱いを「模範的」と賞賛したマルテンス博士

 第2回の会議が予定されていましたが、その前に戦争が発生してしまいます。日露戦争(1904~05、明治37~38)です。ニコライ2世はこの戦争に、ハーグ陸戦法規を適用すると宣言します。この時ニコライ2世は、対する日本は国際法など守れまいが、文明国の戦争とはどういうものか、日本人に見せてやれとうそぶいたといわれます。マルテンス博士は俘虜情報局長に就任し、日本人捕虜の管理に心を砕きます。ハーグ条約が出来て最初の戦争だったため、いかにして理想に近い捕虜の管理をするか、実践してみせようとしたのです。

 ところが、日本に捕虜となったロシア兵がどういう処遇を受けているか、中立国から情報を受け取ったマルテンス博士は、日本は国際法など守れないどころか、大変立派な捕虜の取り扱いをしていることに驚きます。「日本の収容所は模範的だ」と惜しみない賞賛を語ったとされているのです。平和会議後最初の戦争ということで、日露戦争で国際法がどれほど守られ、どれほど守れないか、欧米各国が日本の取り扱いを注目していた中でのことでした。

 なお平和会議は、日露戦争の後、1907年(明治40)に第2回が開催され、第3回は1915年(大正4)に予定されていました。しかし、マルテンス博士は1909年(明治42)に亡くなり、1914年(大正3)には第一次世界大戦が勃発してしまいます。第3回会議は開かれることのないまま終ってしまいました。

 日露戦争は戦場で兵士が戦う戦争でした。バルチック艦隊が日本の沿岸に寄ってきて、都市に艦砲射撃を加え、無辜(むこ)の民が逃げ回るなどという場面は発生しなかったのです。

ところが第一次大戦で様相は一変。「戦時国際法」を守らなくなった世界

ところが第一次世界大戦で、ナポレオン以来の戦争の様相は一変します。長距離砲がパリを砲撃し、ツェッペリン飛行船はロンドンに無差別爆撃を加えました。戦場では非人道的な毒ガスが使われました(砲弾に仕込むのではなく、ボンベから直接戦場にガスを流せば「兵器」ではないだろう、という屁理屈が主張されました)。

また、ロシアでは革命が起こります。そして、帝政派対革命派、さらに革命派の中でも共産主義を掲げる勢力が台頭し、三つ巴で残忍な内戦と粛清を繰り広げます。これはロシア国内の内戦ですから国際法が及ばないのですが、その残酷な様相は、国際法上の取り扱いにも影響を与えます。こうして、せっかくマルテンス博士が戦争にかけた法の網は、早くも破られるようになったのです。続く第二次大戦では、戦時国際法は各国によってズタズタにされ、第二次大戦後は国連憲章が戦争は違法なものであるとしたことによって、戦時国際法が重視されることはなくなってしまいました。戦時国際法はいわば、戦争の正しいやり方を決めているのですが、国連憲章の下で、違法な戦争の正しいやり方ということは矛盾であり、もはや過去の遺物になったのだと考えられたからです。

ハーグ条約以前の野蛮な世界に戻ってしまった

 ところが、国連が出来ても武力衝突の歴史は続きます。そして今回、第二次大戦以来という露骨な侵略戦争の下で、無辜の民が殺され、逃げ回る映像が世界中に流れているわけです。戦争は違法だと言ってみても、これは戦争ではない、特殊軍事作戦だと主張されれば、規制する術がないのです。事態はどうやら、ハーグ陸戦法規以前の野蛮な世界に戻ってしまったようです。

ロシアにマルテンス博士という偉人がいたことをプーチンに思い出して欲しい

 プーチンはロシアに、マルテンス博士という偉人がいたことを思い出し、自分のやっていることを恥じてもらいたいものですね。

マルテンス博士(2014年にロシアが発行した切手)

(おまけ)

日本の捕虜の扱いの話に触れましたが、習志野のドイツ人俘虜収容所の橋口兼尊中尉はドイツ語が堪能で、捕虜から、バイエル社がゴムの添加剤を開発している話を聞き、実兄がやっているゴム工場に導入した、という話があります。習志野の歴史、世界とつながっているんですね。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/gomu1944/70/9/70_9_514/_pdf/-char/ja

ゴム薬品輸入の動機と平泉洋行設立の経緯
第一次世界大戦では我が国は連合国に加盟 してドイツに宣戦布告し,大正2年には青島(チ ンタオ)に進駐した。青島で捕虜となったドイツ兵を千葉 習志野にあった捕膚収容所に収 容していたが、そこで軍務に服していた橋口兼尊はドイツ語が堪能であったので、たまたまゴム技術に明るい一捕虜からバイエル社の加硫促進剤のことを聞き、これを実兄橋口巳二 に伝えたのがきっかけで、有機ゴム加硫促進剤が工業的に使われていることを知 った。橋 口はドイツと通商が再開された大正9年に、見本として超促進剤に属する“Vulkacit P"を 輸入した。これが輸入促進剤の第一号である。
(ニート太公望)

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2019年日韓(한일)高校生コンサートに出演した韓国の元高校生からビデオメッセージ

2022-03-13 13:27:38 | 催しなど

2019年に千葉女子高ホールと習志野市民会館で開かれた日韓(한일)高校生コンサート

毎年行われていた日韓(한일)高校生コンサート、コロナ禍で2019年を最後に中断しています。

(2019年の時のチラシ)

2019年のコンサートは、新聞にも大きく報道されました。

声楽コンサート:日韓高校生、歌の懸け橋 千葉女子高オーケストラ部と協演 6人、手つなぎ /千葉 | 毎日新聞

 日韓の高校生による声楽コンサート「響けよ 歌声」が25日、県立千葉女子高文化ホール(千葉市稲毛区)で開かれ、声楽を学ぶ日韓の高校生6人と同...

毎日新聞

 

 

日韓関係改善歌に込め 高校生が共演 習志野

 声楽を学ぶ日本と韓国の高校生計6人がオペラや歌曲を歌い共演するコンサート「響けよ 歌声」が27日、習志野市民会館で開かれた。日韓関係が悪化...

 

 

 

日韓 歌声で結ぶ 両国の高校生 あす千葉でコンサート:東京新聞 TOKYO Web

声楽を学ぶ日本と韓国の高校生各三人と、県立千葉女子高校オーケストラ部によるコンサート「響けよ 歌声」が二十五日に同校(千葉市稲毛区)で...

東京新聞 TOKYO Web

 

ブログ「住みたい習志野」でも、何度かご紹介しました。

日韓高校生コンサート - 住みたい習志野

8月日韓高校生コンサート(習志野)記事 - 住みたい習志野

出演した韓国の元高校生からビデオメッセージ

来日し、このコンサートに出演してくれた韓国の元高校生からビデオメッセージが届きました。何と!日本語字幕までつけてくれました。

3月27日(日)にプラッツ習志野市民ホールでコンサート

今はまだコロナ禍なので韓国の高校生を呼ぶことはできませんが、2019年コンサートのステージに立った元高校生たちと県立津田沼高等学校オーケストラ部、合唱部の生徒さんたちによるコンサートが開かれます。

お誘いあわせの上、ご参加ください。

3月27日(日)

午後2時〜(開場1時30分)

千葉で響けよ 韓国の歌
を越えが来るように

この音楽会の出演者は、2019年8月に千葉と習志野で開催しました”日韓高校生コンサート”のステージに立った元高校生たち。そして県立津田沼高等学校オーケストラ部、合唱部の生徒さんたちです。

プログラム

オーケストラによる
「河を越え春が来るように」「鳥打令(タリョン)」

ソロによる
「春来れば」「ぶらんこ」「船頭の歌」
2台のチェロとホルンによる
「青菜摘む娘」「麦畑」
オーケストラと歌による
「木蓮の花」
歌とフルートのための
「韓国の童謡メドレー」
女声二部合唱による
「アリラン」
合唱による
「저 구름 흘러가는 곳(あの雲の流れ行く所)〜浜辺の歌

チケット代 1,000円

会場 プラッツ習志野市民ホール(京成大久保駅 徒歩2分)

主催 響けよ歌声実行委員会

 

 

 

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ウクライナで多くの犠牲者。ところでプーチンが言う「ネオ・ナチ」とは?

2022-03-13 10:10:42 | オスプレイ、安保、平和

罪もない人々が犠牲になっているウクライナ

ウクライナでは、罪もない民間人が毎日犠牲になり、250万人以上が命からがら国外に脱出している。多くの子どもたちが犠牲になっています。

ロシアの人々はどう思っている?

日本では欧米のメディア寄りの報道が多く、一方ロシアも戦時下の報道統制を行っているため、なかなかロシアの人々の声が聞こえてきませんが、少しは報道されているようです。

ウクライナ侵攻をロシアのテレビで見る まったく別の話がそこに - BBCニュース

プーチン大統領についてモスクワ市民の声…西側メディアへの不信が浮き彫りに。ウクライナ危機の背景【欧州沸騰現場】#56|テレ東BIZ(テレビ東京ビジネスオンデマンド)

「欧州沸騰現場」第56弾は、緊迫状態が続くウクライナについてロシアの首都モスクワから。一連の出来事について、ロシアに暮らす人々がどう思ってい...

テレビ東京

 

 

「モスクワ市民の声」とセットでご視聴ください。ロシア現地メディアの報道は… 【欧州沸騰現場】#57|テレ東BIZ(テレビ東京ビジネスオンデマンド)

シリーズ「欧州沸騰現場」第57弾は、ロシアの首都モスクワの今の様子を伝える。 ロシアの現地報道ではウクライナとの出来事はどう伝えられている...

テレビ東京

 

戦争に賛成しているひとばかりではない、経済制裁の影響もあってスーパーの棚がガラガラ、などの報道がされています。

「この戦争はネオ・ナチとの闘い」とプーチンは主張しているが…

今のロシア、戦前の日本と似ている、という見方があります。

満洲から撤退しない日本への経済制裁で追い詰められ、戦争を始めた当時の日本と、NATO(対ロシア軍事同盟)包囲網に、国境を接する「兄弟国」ウクライナまで加盟しそうになる、敵にかこまれてしまう、という事態に追い詰められて侵略戦争を始めた今のロシア。

日本は「大東亜共栄圏」をかかげて戦争を行いましたが、プーチンは「ネオ・ナチとの戦い」だと宣伝しています。

いくら何でもプーチンのこの主張には無理がありますが、その根拠ともなっている「アゾフ大隊」という、ウクライナ国家親衛隊に入り込んでいるネオ・ナチ集団が今注目されています。

アゾフ大隊ってなに?

(以下、アゾフ大隊に関する記事が載ったサイトです)

アゾフ大隊 - Wikipedia

アゾフ連隊: ウクライナ国家親衛隊に実際に存在するネオナチの暴力集団

アゾフ連隊

さて、このウクライナ国家親衛隊にはアゾフ連隊という部隊が存在する。世界的にはアゾフ大隊の名前で知られているが、ウクライナ政府はこれを後に連隊に昇格させている。

アゾフ連隊は元々ウクライナの都市ハルキウのサッカークラブの熱狂的なサポーターの集まりだった。

サッカーチームの暴力的なサポーターということに関しては、日本人には恐らくフーリガンの名でよく知られているだろう。サッカーは欧米では労働者階級の憂さ晴らしという側面があり、試合にかこつけて会場の内外で暴れたり、外国人の選手に差別的な言動をぶつける人々は日本でもニュースで目にするかもしれない。

ヨーロッパで不良やならず者が信奉するのが暴力行為のほかに白人至上主義やナチズムである。ウクライナの場合、住民にウクライナ系とロシア系がいるので、ウクライナのフーリガンはロシア系住民を排斥する民族主義に繋がりやすい。

ウクライナ分離で水を得た魚

フーリガンと極右思想との繋がりはアゾフ連隊に限ったことではなくアメリカやイギリスなどでも見られるが、ウクライナの場合、2014年にウクライナが分断され、新ウクライナ政府がロシア系の東部と戦闘に陥ったことでネオナチのならず者たちは格好の活躍の場を得た。もう暴力衝動を発散させるための場にサッカー場は必要ないということである。

ロシア系の人々を相手に暴力的な衝動を発散させたいアゾフ連隊と、ロシアに支援されたウクライナ東部を攻撃したい新ウクライナ政府の利害は合致し、アゾフ連隊はウクライナ国家親衛隊に組み入れられた。

ウクライナの軍隊とアゾフ連隊は民間人を立ち退かせて民間の建物を広く使用しており、そこでは民間人の財産の略奪が行われている。

日本の公安調査庁がアゾフ連隊について書いているページを引用しておこう。

極右過激主義者の脅威の高まりと国際的なつながり | 国際テロリズム要覧2021 | 公安調査庁 (moj.go.jp)

「2014年,ウクライナの親ロシア派武装勢力が,東部・ドンバスの占領を開始したことを受け,「ウクライナの愛国者」を自称するネオナチ組織が「アゾフ大隊」なる部隊を結成した。同部隊は,欧米出身者を中心に白人至上主義やネオナチ思想を有する外国人戦闘員を勧誘したとされ,同部隊を含めウクライナ紛争に参加した欧米出身者は約2,000人とされる」

2月24日以前から戦闘が続いているウクライナ東部では、ネオナチ極右勢力が義勇兵として、ウクライナから独立を宣言した勢力と戦っていることが報告されている。この地域ではウクライナだけでなく欧州全体から反ロシア系の右翼が集まっており、ハーケンクロイツが掲げられたこともあったという。2015年には、ウクライナの準軍事組織であるアゾフ連隊がハーケンクロイツを掲げるネオナチであるという報道が、ロシアだけでなくアメリカでも出たことによって、アメリカ議会はアゾフ連隊に対する武器供与の支援を取りやめる決定を下した。

ただしこの地域で、ロシア側が主張するようなネオナチによるロシア系住民への虐殺や迫害が行われているという証拠はない。また上述のように、ネオナチの懸念がある団体に対しては、欧米諸国はむしろ支援を取りやめているのであって、NATO諸国によってネオナチが支援されているというプーチンの主張には根拠がないといえる。

ウクライナ危機の影の主役――米ロが支援する白人右翼のナワバリ争い(六辻彰二) - 個人 - Yahoo!ニュース

 アゾフは2014年、クリミア危機をきっかけに発足し、民兵としてロシア軍やロシア帝国運動と戦火を交えた経験を持ち、その頃から民間人の虐殺といった戦争犯罪がしばしば指摘されてきた(そのためロシアメディアではネオナチ、ファシストと呼ばれる)。

 現在でも自警組織として市中パトロールなどを行なっているが、その一方ではLGBTや少数民族ロマへの襲撃もしばしば行なってきた。それでも現在のウクライナ政府と密接な関係にあることから、その不法行為はほとんど問題にもされず、首都キエフにある本部はウクライナ政府さえ介入できない、いわば「白人右翼の聖地」の一つになっている。

 欧米諸国では2010年代後半から白人右翼によるテロや暴動が目立つようになったが、近年では取り締まりも強化されている。活動の場を求める白人右翼のなかには、混乱の続くウクライナや実戦経験の豊富なアゾフに惹きつけられる者も増えていて、例えば2019年NZ(ニュージーランド)クライストチャーチのモスクで51人を殺害したB.タラントもウクライナ行きを希望していた。

いつも犠牲になるのは罪もない民衆

バイデンに利用され捨てられたウクライナの悲痛(遠藤誉) - 個人 - Yahoo!ニュース

バイデンは昨年12月7日のプーチンとの会談後「戦争になっても米軍は派遣しない」と言っていた。これがプーチンへのウクライナ侵攻の「ゴーサイン」になった、とも言われています。

チェチェン戦争のように、暴力でウクライナを制圧し、自らの支配を維持しようとするプーチン。アメリカはアゾフ大隊に武器供与する、など支援をし、バイデンは自分の息子のウクライナ疑惑に見られるように、さんざんウクライナを利用してきた。それなのに、戦争が始まっても何の責任も取ろうとせず、アメリカの「軍産複合体」の利益しか考えないバイデン。

いつも犠牲になるのは罪もない民衆です。この戦争をやめさせるため私たち一人一人が行動に立ち上がることが大切なのではないでしょうか。

 

 

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