窓と空と雲が好きだ。
小さい頃から好きだった。
誰かのお宅におじゃましてそこが階上だった場合、
どうしても窓が見たいと思った。
時刻表と列車の旅が好きだった若い頃はもちろん、
窓側の席が大好きだった。
恋人と旅行した頃も、彼はいつも窓側にわたしを座らせて、
窓外の景色を一心に眺めているわたしの傍らで静かにしていた。
だから今でもバスがすきなんだと思う。
「視ること、それがすべてだった。」(梶井基次郎)
京都でのんびりしようと計画してまず列車の窓側席を確保し、
それからホテルである。
それはもうたくさんあって迷いに迷う。
昔、京都に一人で行って姫路の友人と会ったときは、
格安宿舎にした。
でももうこのトシなので安ければいいってもんでもない。
一昨年長崎へ一人旅したとき、交通便利だからと駅前のビジネスホテルにしたら
何となく違和感があった。
だからといって大きな観光ホテルには気後れする。
それで、いろいろ考えてひとつ決めて、
「この部屋の窓からは外の景色が見えますか?」と質問しておいた。
ホテルの部屋写真をつくづく検証してもわからなかったのだ。
そうしたらすぐに返信がきた。
「眺望の良い上階のお部屋をご用意してお待ちしています」
けしてハイクラスではない普通のホテルだと思うが、この返信は嬉しく、
こころが弾んだ。
みること、窓のむこうに想いが流れ出ていくこと、うごくものがあり、
うごかないでみている。みているじぶんを感じること。
小さい頃から好きだった。
誰かのお宅におじゃましてそこが階上だった場合、
どうしても窓が見たいと思った。
時刻表と列車の旅が好きだった若い頃はもちろん、
窓側の席が大好きだった。
恋人と旅行した頃も、彼はいつも窓側にわたしを座らせて、
窓外の景色を一心に眺めているわたしの傍らで静かにしていた。
だから今でもバスがすきなんだと思う。
「視ること、それがすべてだった。」(梶井基次郎)
京都でのんびりしようと計画してまず列車の窓側席を確保し、
それからホテルである。
それはもうたくさんあって迷いに迷う。
昔、京都に一人で行って姫路の友人と会ったときは、
格安宿舎にした。
でももうこのトシなので安ければいいってもんでもない。
一昨年長崎へ一人旅したとき、交通便利だからと駅前のビジネスホテルにしたら
何となく違和感があった。
だからといって大きな観光ホテルには気後れする。
それで、いろいろ考えてひとつ決めて、
「この部屋の窓からは外の景色が見えますか?」と質問しておいた。
ホテルの部屋写真をつくづく検証してもわからなかったのだ。
そうしたらすぐに返信がきた。
「眺望の良い上階のお部屋をご用意してお待ちしています」
けしてハイクラスではない普通のホテルだと思うが、この返信は嬉しく、
こころが弾んだ。
みること、窓のむこうに想いが流れ出ていくこと、うごくものがあり、
うごかないでみている。みているじぶんを感じること。