羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

空也最中

2010年02月07日 | Weblog
父が亡くなって何年も経つのに、遺された母をいつでも気にかけてくださる人たちがいる。
「先生がお好きだったから」と言って、銀座の空也最中をお土産にいただいた。
たしかこれは予約しなければ手に入らないものだったと思う。
「上品」という形容がピッタリのこぶりな和菓子。
すこし焦がした皮が香ばしく、あっさりとした甘みが美味しい。
しおりを読むと、漱石の好物だったそうだ。林扶美子の小説にもでてくるらしい。
そういえば、父が好きだったかもしれないが、実は私も母も忘れていた。
家族の知らないところで、父の思い出が鮮やかに生き続けている。
照れくさくてあまり話をしなかった。
いま会えたらいろんな話をしたい、といつも思う。
こうして、関わりのあった方たちから思い出話を聞くのはうれしい。