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純丘曜彰 Teruaki Georges SUMIOKA のメモ

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3か月でマスターする絵を描く?

2025-05-07 22:00:00 | 日記

 あまり人の仕事を貶したくはないが、ちょっとひどかないか? この先生、どういう素性か知らないが、絵描きじゃない。イラストレーターだろ。デッサンの経験が無いとしか思えない。

 今回、見てしまったのは、バランスのよい人物画、だとか。足を立派に画け、とか言っている。が、足があんな風に真横に見えることは、ありえない。そもそもウェストが真横線って、写真とすら似ていない。

 たしかに人物のバランスを取るなら、足と腰、そして、肩だ。だが、そのとき、描かれる相手の人物だけでなく、描く自分が問題になる。じぶんより背が高いのか、低いのか、近いか、遠いか、で、見え方がまったく異なるからだ。安直なマンガ家やイラストレーターが写真の合成で絵を捏ち上げようとすると、この、描く自分がぐちゃぐちゃになる。

 まず第一、腰。真横線、ということはありえない。人間の骨盤は、絶対的に前傾している。壇上のモデルでもなければ、相手の腰は、描く自分の目の高さより低いのが一般的で、楕円、それも背骨から前へ傾いて見える。とくに女性は、その楕円が幅広で、より前傾が深い。それが背中側でヒップのボリュームにもなる。

 次に肩。曲げた腕の側は、肩から下がる。それに首に対して、前に出る。インバースキネマティクスでもよく知られているように、肘だけが曲がるのではなく、手首の位置に合わせて、肘はもちろん、背骨の付け根から肩先にかけても下がる。逆に、まっすぐに下ろした腕は、肩が上がる。これは大胸筋側の都合だ。

 そして、足先。これは、腰の楕円の左右から、それぞれの足のかかとに直線を下ろした延長線上に爪先が前に出る。そうでないのは、O脚かX脚だ。いずれにせよ、描く自分の目より低いから、真横などということはありえない。

 逆に頭は、腰の楕円と肩の中心を結んだ線に水平直行する向きになるのが、ふつう。もちろん、首だけひねる、なんていうポーズもあるが、そうなると、背中心も反対にズレる。この背中心は、女性の場合、前後の奥行があるためにとくに重要で、着衣であっても、肩から下がって胸の正面の高さと向きを決めることになる。

 こういったことは、実際にいくつもデッサンをしたことがあるまともな絵描きならば、だれでも経験的に知っている。近ごろ、ちょこちょこっと、お絵かき上手が、シロウトだましで跋扈しているが、本気で上達したいなら、『かくかくしかじか』のように、うるさくても、ちゃんとした先生に習った方がいい。