間取りのなにが難しいか、というと、まず第二話の客室の謎。広海の彼女、富士子と、海都の彼女、桜の両方が泊まりに来て、そっくりな部屋に同日に泊まっている。つまり、この作りの部屋は二つある。屋根勾配からすると、母屋と同様、東西に振り分けになっていると思われるのだが、ドアも窓も同じであるために、左右対称の配置ではなく、点対称になっていることがわかる。
もう一つの客室は、第四話で部長が泊まった客室。これも第二話の2つの客室と似ているが、センターに梁組が露出しており、奥が一段下がって、大きなガラス窓がある。しかし、部長は子連れ四人で来たことからすると、これは絵に見えているツインルームでは小さすぎる。第二話の点対称客室と合わせて考えると、ここは左右倍サイズ+センターのファミリールームであることが想像される。では、正面に窓があって、なぜ一段下がっているのか。真琴の部屋や海都が最初に泊まった部屋が東向きであったことからすれば、この正面は北向きで、そこから左側に海を見ている。一段下がっているのは、一階に裏玄関、海から風呂場に直接に上がる入り口があるからではないか。
言うまでもなく、本館正面二階にも客室がある。第七話で美智恵が泊まった部屋だ。窓辺に立っているシーンがあり、また、ダイニングの上の吹き抜けの廊下で真琴が足をぶらぶらやっているシーンに、この部屋のドアが見える。点対称2つのツインルーム、奥のファミリールームとの関係から、ここはトリプルルームだろう。
これらの配置が厄介なのは、部屋から部屋に移動するトランジットカットがあって、廊下の曲がり方が奇妙なこと。また、二階のどこかにもトイレがあったはず。廊下幅は、柱間1050。普通の家だと、トイレなんて洗面台の奥、900幅で奥行1350でもいいのだが、洗面所が一階の別となると、トイレには中に手洗い器もあっただろうから、1050幅で奥行1800だったかも。それも、満室だと、客だけで10人を超えるから、二つは必要。
これらの下に一階が配置されるのだが、ヒントになるのは、第四話の洗面所。ここにはお湯の配管もされている。真琴が洗濯の話をして奥から出て来るが、そこに脱衣カゴがあるので、そちらに風呂場があるはず。とはいえ、なぜか机と電気スタンドがあり、奥にはカレンダーもかかっている。その右側は、ガラス戸の部屋があって、カーテンがかかっている。脱衣所がカーテンだけとは考えにくい。となると、ここはなんだ? リネン室か。しかし、奥は壁。どこから風呂場に抜ける?
意外に気づきにくいが、第10話の最後で、社長が棚の下からサーフボードを引っ張り出すのは、母屋の作業場ではない。作業場の棚はスチール。ここの棚は、むしろ下に窓がある。タイヤなどもおいてあったから、これは物置で、一階にあったはず。しかし、第11話でサーフボードを立てかけているのは、母屋の作業場。第12話で、死んだ社長が年をごまかしていた話を広海と海都がするのが、この物置。このとき、広海は大きなテーブルに座っていて、その上に横長の窓が見える。この窓の裏側は、外気との換気が必要なトイレや風呂場ではない。可能性があるのは、リネン室で、物置からリネン室に抜けるドアもあったのかも。
いずれにしても、夏の間、ドラム缶風呂を名物にしているので、風呂場は一度も写ったことがない。が、潮音海岸には、渚二号の屋台しか無かったから、民宿ダイヤモンドヘッドは、日帰りの観光客にとっては海の家でもあり、風呂場を更衣室やシャワーとしても使わせていたとなると、けっこうな人数だ。男女別で、カラン3つくらい、風呂400リットル(二人サイズ)の広さがあったかもしれない。となると、ボイラーは、キッチンや洗面所を含め、1000リットルくらいの能力が必要だ。くわえて、二階も、トイレだけでなく、ファミリールームにも洗面台くらいあって、下からお湯と供給していただろう。
これらの二階客室と一階ユーティリティを別館に納めて、廊下のトランジットカットの辻褄をあわせるのは、容易ではない。どのみち、実際はセットだったから、第四の壁、つまり、カメラ側の壁は実在しなかったために、それぞれの部屋の広さは、母屋側から推測するしかない。点対称のツインルーム、その倍サイズのファミリールーム。さて、どんなふうに想定されていたのだろうか。


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