クッパ姫に首ったけ:ズレの生む破壊力

2018-09-26 12:20:14 | レビュー系

最近眠りが浅く、薄ぼんやりとした頭でスマホのネットニュースを見ていると、「クッパ姫」なる単語が目に飛び込んできて、俺は未だ眠りの中にあるのかとおのが正気を疑いながらサイトを見てみれば、なんか「スーパークラウン」とかいうアイテムで別キャラがキノコ族から人間に劇変した影響かなんかで(テキトー)、ならクッパ女体化もありじゃね?という具合に産み出され、その後にimaginativeなみなさんによって次々と絵が量産されている模様。

 

なるほど確かにこのキャラは強烈だ。クッパといえば粗暴でお間抜けな悪役感の強いキャラだったが、女体化したことによってそれらがむしろ萌え要素に変化してしまうとは恐れいったぜ。しかも、クッパと言えばピーチ姫絶対拉致るマンで有名だが、

なんでクッパはピーチ姫をさらったん?

実はピーチが好きだけど、女性からの愛は受け入れてくれないのでさらってもうた→謎の尊さが満ち溢れてる

実はマリオが好きだけど、ピーチにメロメロのため嫉妬してさらってもうた→あんな豪快そうなのにめっさカワイイやんけ

ということでアグレッシブなキャラとの強烈なギャップが生まれ、これにどうして眩暈を覚えずにいられるだろうか、いやいられない。特に金髪肉食系おねいスキー(超具体的)な吾輩にとっては、ハートブレイクショット級の破壊力と言っても過言ではない。

 

ここでちょっと一般的な話をすると、このクッパ姫もまた今日的状況の一例と言えそうだ。たとえば「中間管理職トネガワ」「北斗の拳イチゴ味」「金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿」など、今では原作の雰囲気を破壊しそうな、否そうすることで求心力を持つスピンオフ作品が次々と人気を博している。東浩紀風に言えば、ある程度データベースが構築・共有された今日、そこからいかにズラすかが笑いなどの強度を受け手にもたらす、ということである(「ポプテピピック」はその構図を最もラディカルに示してみせた一例だろう。それを踏まえると、「クッパ姫」というキャラについて冒頭に掲載した4コマを作成した御仁は創造力の化身=天才としか言いようがないw)。インターネット・SNSによって情報が容易に蓄積・拡散される今日、この傾向にあらがうことは(たとえ大元がそれを嫌がっても)極めて困難だと言わざるをえない。ディ〇ニーの著作権だって遠くない将来に消えることになってるしね~(まあ延長される可能性はあるが)。そしたらこのカオスは加速することはあっても減速することはないだろう。

 

ま、何はともあれクッパ姫激カワユス!ということでこの稿を終えておきたい。

 

 

「カメラを止めるな」の件(ネタバレ一切不可な方は見ないでくだされ)

こう考えてみると、「カメラを止めるな」がウケるのは、前述のスピンオフ作品に見える楽屋裏的発想であったり、あるいはズレによる笑いという要素が一つ。そしてもう一つに、解体して笑いで終わるのではなく、最終的にはそれがre-union(再統合)の物語として成立しているところが感動を呼ぶ、という要素があるのではないかと思う(ついでに言えば、背景を知って見るので一緒に作ってる感が生まれて観客を巻き込めるのも大きい)。だから斜に構えてる人でも割合納得&感動しやすいのではないか、ということである。


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