べんりや日記

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中島H邸 浴室

2008-07-03 21:19:09 | 長岡市中島 バリアフリー住宅(越後杉)


夕方になって、ようやく雨が降り始めました。
これより梅雨本番というところなのでしょうか?
でも、また晴れる予報が続くようです。

今年は、天然乾燥の当たり年?

写真は、中島H邸の浴室です。
土間コンクリートを打ち込み、この後、防水工事を経て、仕上のタイル工事に移ります。
この浴室の広さは4.5帖で、通常の2倍以上の広さとなっています。

寝室よりシャワーキャリーにて、浴室中央に設置予定の浴槽の横まで運び、リフトで吊って浴槽へと入れる形状です。
4.5帖といっても、浴槽が入ると、洗い場は意外と狭い。
浴槽が中央に来るのは、反対側に介助者が付いて、浴槽の側面、両側からリフトで下ろすのを介助するためです。
それでも、中央から窓側へ10cmほど送ったのですが・・

この寸法は、リハビリ・チームを組んで、その意見を集約して割り出しています。
昨年の設計の段階から、ほぼ月に1度のペースで会合を開き、設計、施工と綿密な打ち合わせをしながら、各寸法、位置を決めてきました。
浴槽の位置も、一度合板で仮床を貼り、浴槽の模型を原寸大で作成して、決めています。

床の各所に防水ドレーンが配置されています。
ここに床排水や浴槽の排水、洗面器の排水がつなぎこまれます。

今までの、経験上、排水金具は微調整が効かないので、一度防水をかけてから、塩ビパイプにて調整が可能なように工夫してあります。
防水面でパイプを貫通するよりも、受けを付けて、そこにパイプの水を流せば良いという結論に達したのでした。
パイプ周りの防水が一番厄介だからです。また、そこから漏れる可能性が非常に高い。

こういった工夫は、リフォーム工事をしている内に思いついています。
屋上防水や屋内浴槽のリフォームの際に、どうやったら効果的に防水ができるか、考えさせられるのです。
まあ、普通の工事をしている人には、全く用の無いことなのですが・・
ユニットバスで対応すれば早いし・・

でも、こういった特殊な用途の浴槽の場合は、原点に戻る必要があります。

より、水が漏れないように、モルタル下地の合板より外側へ、ポリシートを貼っています。それを浴室を包み込むように天井まで貼る予定です。

このポリシートとその下地(間柱等)の仮固定には、両面のブチルテープを貼っています。仮押さえが容易にできることと、ビスやクギを打ったときに、ブチルテープにてクギとブチルがなじんで、そこでも防水が利くようにしています。

こういった工夫は、屋根工事や外壁工事の応用です。
どうすれば、ありきたりの材料を使って、効率よく目的を達成できるか・・
知恵をしぼればいい。

さらに、この外部には、旭化成のサニーライト断熱材を入れています。
浴室が温められたときに、結露を起さないために、浴室の壁、天井に入れ込んでいます。
更に、この土間打ちの前に、エスレンフォーム(断熱材)を挟み込んでいます。
(ちなみに、サッシも断熱サッシです)
床、壁、天井・・全ての面に断熱を施すことで、「在来の風呂は寒い」という印象を覆したいものです。

タイルは腰の75センチまで貼り、その上の壁は桧の羽目板を貼る予定。

入り口は、開口を1間近くまで空けたいために、3枚戸の引き違いサッシを入れています。
既製品の上3方枠と、敷居はステンレスで鉄骨屋さんに特注で作ってもらったものを使用。
ステンレス敷居によって、床の段差を解消するバリアフリーを実現。

既製品の3枚戸の場合、浴室対応ではなく、普通の形状なので、水仕舞が非常に悪い。
ブチルテープやコーキングを駆使しても、絶対に水が漏れる。
3尺空くタイプならば既製品でも浴室用のサッシと防水ドレーンがセットになっているものもあるのですが、規格品以外では、作るしかない。

前回、本町K邸にて浴室工事を行った際の経験が活きてきます。

今回は、更に、知恵を絞り込んで、上の3方枠とステンレス敷居のつなぎ目を床から10センチくらい上がったところに設定しました。
その高さまでステンレスは1体になっているので、水は漏らないはず・・
更に、壁面のポリシートを裏側へ巻き込んでからサッシ、敷居を取り付けています。
ステンレスの敷居は排水と一体となり、水が脱衣側へ流れないようにしてあります。

こういった、製品は、医療関係で必要だと思うので、製品化しておくべきでしょうが、需要事態が少ないので、自分で工夫するしかない。
(バリアフリーが叫ばれているのにね~・・実態は、全くといっていいほど整備されていない)
今ある製品を参考にして、どこまでが、そのまま使えるか、どこから自作するべきか・・どうすれば安く上がるかを検討する・・
それでも、特殊なユニットバスを入れるよりも安く上がります。



無数の工夫が散りばめられた浴室です。
一見、普通に見えるのですが・・
隠れたところに妙手あり。
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