べんりや日記

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土合町K邸 建具取り付け終了

2007-04-04 20:28:44 | 長岡市土合町K邸(越後杉)


本日は、午前中は晴れ間が広がり、暖かい1日となるかと思いきや、午後から曇りだし、夕方には雨。気温もずっと低くなり、雪の降るような寒さとなりました。

移動性低気圧の通過により、一時的に冬型になったようです。

暖かな春になるのはいつの日か?

さて、土合町K邸では仕上げの最終段階となっています。
表具は貼り終わり、建具や照明器具の取り付け。
明日は、掃除屋さんが入る予定です。
この1週間ですっかり完成した感じになります。
あとは、器具等の試運転や調整くらいの作業となります。

写真は、建具の取り付いた和室の様子です。
最近は、建具屋さんの仕事がめっきり減ったそうです。既製品の建具が増えたし、和室も少なくなってしまった、和室も大壁の和室が主流となり、やはり既製品の建具も出回っている・・

現に、この家の場合も、2階の洋間やトイレの建具は既製品を使い、1階は真壁なので、建具屋さんに作ってもらっています。
昔は、ほとんどの建具は建具屋さんが作っていましたが、現在では各メーカーがこぞって既製品の建具を作り、値段も手ごろなので、こちらにシフトしてしまっています。

この家の構造は杉材なので、建具屋さんも「杉」に材料を統一してくれました。
建具の材料の場合、節の無いいい場所を使うので、1/3くらいしか使えないといいます。目も細かいものを選ぶので、材料単価がものすごく高くなってしまう。

丸太の割り方も、柾目(板目の逆)を取るために、芯から放射状に割っていきます。(大工の場合は、平行に落としていく)

「材木屋さんは、建具屋なんか相手にしない」

と、言っていましたが、地元産の杉でも、下地材や構造材で建具の材料になりそうなものがたまに出てきます。
地場産杉の建具もいいと思うのですが・・(こんど、マルユーさんを紹介してみるか・・)
材料があっても、需要がなければ意味がありません。
建物も、真壁が多かったり、和室があったりすれば建具屋さんが腕をふるえるのですが、大壁で洋風が主流の現在の住宅では数が出ないのが現状です。
おもしろい形の家には、おもしろい形の建具がよく似合う・・
伝統的な建て方に戻ることでも、昔ながらの建具が日の目を見るでしょう・・


「現在の建物は建具を取り付けてしばらくすると、よく狂う」

と言っていました。
杉と松を比べると、杉のほうがおとなしい。松は、ものすごく狂います。
しかも、現在の米松は40年生以下の間伐材みたいな材料が多いようです。それなら尚のこと狂うはず・・
我が社の建物は、杉材で、乾燥期間を設けて、十分狂わせてから内装工事にとりかかるので、引渡し後は狂いが少ないのですが、米松で、乾燥期間も設けないで引き渡せば、おのずと狂ってくるのは必死。建具は狂わなくとも、柱や梁、特に床梁が狂えば、建て付けは悪くなります。

建て方が終わって、1、2ヶ月で引渡しというのは、工務店にとって都合のいいものですが、お客さんにとっては、早く住める以外にメリットは全く無い。むしろ狂いや乾燥が不十分で耐久性に劣る建物になってしまう。

昔の家づくりは2~3年かけてゆっくり乾燥していましたが、そこまでしなくとも1~2ヶ月くらいは乾燥期間を設けたほうが家が長持ちすると思います。
コメント
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