東京・台東借地借家人組合1

土地・建物を借りている賃借人の居住と営業の権利を守るために、自主的に組織された借地借家人のための組合です。

【Q&A】 借地更新の条件は期間10年で、更新は今回限りという厳しい内容

2005年06月03日 | 契約・更新・特約

 (問) 最近借地契約を更新したが、契約内容に不安がある。更新は今回限りで借地期間は20年から10年に縮められ、次回の更新は認めないという契約である。10年後に借地を明渡さなければならないのか。


 (答) 質問者の契約は平成4年8月1日以前の契約であるから、借地借家法附則4条及び6条により、借地の存続期間及び更新については旧借地法の規定によることになる。
 
 先ず契約期間の10年について検討する。
 既に存在している借地契約を当事者の合意によって更新する場合に当事者が借地権の存続期間を約定することは自由である。

 だが、その最短期間は堅固な建物については30年、その他の建物は20年に制限されている(借地法5条2項)。それ以下の期間を定めても、例えば5年とか10年とかの期間で契約を結んでも、借地法5条2項の最短期間制限に抵触し、借地人に不利益な契約条件であるとして法律上効力がないものとして取扱われる(借地法11条)。

 その結果は「合意による契約の更新において借地権の法定存続期間よりも短い期間を定めても、その特約は無効であり、堅固な建物については30年、非堅固な建物については20年の存続期間が与えられる」(東京高裁1955年5月30日判決)ということになる。従来の判例は存続期間をこのように借地法5条2項の規定に拠った解釈をしていた。

 しかし最高裁判所は、「建物所有を目的にする土地の賃貸借契約において、借地法2条2項所定より短い期間を定めた場合には、右存続期間の約定は同法11条により定めがなかったものとみなされ、右賃貸借の存続期間は、借地法2条1項の本文によって定まる。」(最高裁1969年11月26日大法廷判決)という統一解釈を示した。

 借地法2条1項は、借地権の存続期間は堅固建物の所有を目的とするものについては60年、その他の建物所有を目的とするものについては30年とすると法定存続期間を定めている。

 従って、仮に当事者の合意で借地法2条2項の期間よりも短い存続期間を定めても、その約定は同法2条2項の規定に反する契約条件にして借地人に不利なもに該当し、同法11条の強行規定により、その定めは無効となり、当事者に合意がなかったものとして扱われ、非堅固建物を目的とした借地権であるので30年の存続期間が法定される。

 次に「次回は一切更新しない」という特約について検討する。
 借地法4条1項は、「借地権者が契約の更新を請求したときは、その借地上に建物がある場合に限って、従前の契約と同じ条件の借地権が設定されたものとみなす」と規定している。

 同じく借地法6条1項は、「借地権者が、借地権の消滅後土地使用を継続する場合においては、土地の所有者が遅滞なく異議をを述べないときは、前の契約と同一の条件をもって、更に借地権を設定したものとみなす」という継続使用による法定更新の規定を定めている。これらの規定に反して、借地人の更新請求権や法定更新制度を予め排除する特約は、借地人に不利な契約条項として借地法11条により無効とされ、その効力は認められない。

 結論は、特約自体が借地法の規定に違反し、合意がなかったものと取扱われるから10年後に借地を明渡す必要はない。借地期間は借地法5条によって30年の存続期間が認められる。また、30年後の更新も可能である。 

 

 参考法令
 借地法
第2条 借地権の存続期間は石造、土造、煉瓦造又はこれに類する堅固な建物の所有を目的とするものについては60年、その他の建物の所有を目的とするものについては30年とする。但し建物がこの期間の満了前に朽廃したときは、借地権はこれによって消滅する。

2 契約で堅固な建物について30年以上、その他の建物について20年以上の存続期間を定めたときは、借地権は、前項の規定に拘らず、その期間の満了によって消滅する。


第11条 第2条、第4条~第8条の2、第9条の2(第9条の4でこれを準用する場合を含む)及び10条の規定に反する契約条件で、借地権者に不利なものはこれを定めなかったものとして扱う。

 

東京・台東借地借家人組合

無料電話相談は 050-3656-8224 (IP電話)
受付は月曜日~金曜日 (午前10時~午後4時)
土曜日日曜日・祝祭日は休止 )
尚、無料電話相談は原則1回のみとさせて頂きます。

この記事についてブログを書く
« 【Q&A】 地主との合意がな... | トップ | 【Q&A】 適正な地代算出方... »

契約・更新・特約」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事