Google Videoに投稿されたビデオに関連して、Googleの幹部がイタリアで訴えられ、プライバシー法違反で有罪になったという報道がありました。
はっきり言って、メチャクチャな判決だと思います。Googleは控訴するとしており、最終的にどうなるのかは分かりません。ただこのことは、所詮、今のインターネットの仕組みが、そういうメチャクチャな判決を出させてしまうほど、大したものではないということの表れなのだろうと考えます。
今日のインターネットの限界については、私がこのブログの中で、繰り返し述べてきております(「大量犯罪者時代への分岐」、「責任を伴う「場」の提供」、「インターネットのリアル化」等参照)。そして、インターネットやコンピューターの業界に携わっている関係者の方々は、こうした問題に対して、今後、真剣に取り組まなければならない点、私なりに述べてきたつもりです。
しかし、今回の一件を見る限り、業界のトップランナーであるGoogleでさえも、このことには気付けていないように感じます。
本問題について、Googleは「あらゆるソーシャルサービスはユーザーが投稿するテキスト、画像、ファイル、ビデオなどすべてのコンテンツについて責任を負うことになり、現行のWebは成り立たなくなる」と主張しているようです。言いたいことはよく分かります。私の感覚からしても、今回の判決はメチャクチャですし、Googleの言う通りだというほかないと考えます。しかし、そもそも「現行のWeb」の仕組みを信じ過ぎている、「現行のWeb」の限界を理解していないことが、業界のトップランナーたるGoogleの致命的な限界であるようにも感じるのです。
Googleが指摘する通り、こんなことがまかり通るようでは、早晩、「現行のWeb」は成り立たなくなるでしょう。否、もともと「現行のWeb」等というものは、それほど大した仕組みではなく、成り立たなくなって当然なのです。その思考ができていないことの方が、現在の業界にとっての大問題かもしれません。
「現行のWeb」が荒れれば荒れるほど、新しいプレイヤーにとっては、チャンスになるでしょう。そして、その時が訪れた暁には、Googleですら見えていないものを見据えている人々が、これまでにない新しい価値や仕組みを提供するようになると思うのです。
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