6月、良い本にたくさん出会えました。
お勧めは、花舞う里・古内一絵さん、永い言い訳・西川美和さん。
小説王・早見和真さん、エミリの小さな包丁・森沢明夫さん、
我が家のヒミツ・奥田英朗さん。
2016年6月の読書メーター読んだ本の数:46冊
読んだページ数:14160ページ
ナイス数:5746ナイス
笑う赤おにの
感想うーん、月初めの1冊には今一つの読後感。生保の不正受給・介護・ママ友カースト・リストラ・引きこもり・年金未納。これでもか、とばかりに重たい話題。我が子可愛さで突っ走った母親、ホントに何にも見えていないのか?モヤモヤ・・・。
読了日:6月1日 著者:
雀野日名子憧憬☆カトマンズの
感想面白かった!これぞ、白・宮木さん。後藤ちゃん・中尾ちゃん、そしてパティの会話が楽しくて、一気に読めました。ウルトラハッピーエンドな話を欲する皆様、お勧めです♪
読了日:6月1日 著者:
宮木あや子闇医者おゑん秘録帖 - 花冷えての
感想竹が鳴く・花冷えての2編。竹が鳴く、大店の婿養子である主に手篭めにされたお竹と女主人お江代の話。花冷えて、母に愛されなかった娘の悲しみと、娘を失った母の切なさ。女の業は重くて切ない。あさのさんの時代物、好きです。続編を楽しみに待ちたい1冊。
読了日:6月2日 著者:
あさのあつこ午後二時の証言者たちの
感想下校途中の小学3年生の女児が交通事故で死亡。新聞の三行記事の記述の影に様々な事実が隠されていた。母の子供に対する愛情が切なかった。謎の女の正体は結構早く気付いてしまいました。まずまずの面白さ。
読了日:6月2日 著者:
天野節子天下一の軽口男の
感想木下昌輝さんの3作目。今までの2作とはガラリと趣が異なり、これはこれでとても良かったです。上方落語の祖と呼ばれる「米沢彦八」、お笑いを追求し、幼馴染の一人の女性に笑ってもらうために生きたその生涯。江戸と上方の笑いの質の違いが何となく分かった気がします。
読了日:6月4日 著者:
木下昌輝ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード 東京バンドワゴンの
感想安定の面白さ。勘一さんが元気で長生きしてくれるのが何より嬉しいですね。そして今巻では国際的な大活劇あり、かんなちゃん・鈴花ちゃんも大きくなり、花陽の受験・研人のデビューと盛り沢山。また1年後に堀田家のみんなに会うことを楽しみに待ちたいです。
読了日:6月4日 著者:
小路幸也バビロンの秘文字III - 激突篇の
感想粘土板の文字の解読、そしてその先は?と期待したのですが、何だか最後はあっけなく…。中東の歴史・風土を知っていたらもっと楽しめたのかもしれません。鷹見さん、良く頑張ったよと言ってあげましょうか。里香には幻滅。
読了日:6月5日 著者:
堂場瞬一犬の掟の
感想暴力団員が射殺体で発見され、事件を追う所轄署の刑事コンビ。本庁の捜査一課の刑事たちは内偵の密命に従って事件を追う。緊迫した40時間、しかし結末が悲しい。門司さんがかわいそう!
読了日:6月6日 著者:
佐々木譲焔火の
感想東北の寒村で差別され続けた鉄は、おミツを殺され、村長の息子らを殺め逃亡生活を送る。川・夫婦ごぜ・山の石切り場、放浪生活を追い続ける魔の手。運命に翻弄され続ける鉄の運命の過酷さ、一気に読み切れる力強い筆致。吉村さん、追いかけます。
読了日:6月7日 著者:
吉村龍一ユートピアの
感想何ともいや~な読後感です。あ、これは貶しているわけではありません。イヤミス好きな方なら大満足だろうと思います。私自身の性格は単純なので、湊作品に出てくる女性たちのような複雑な思考の人が周辺に見当たりません。ある意味幸せだなぁって思ってしまいます。
読了日:6月7日 著者:
湊かなえ象は忘れないの
感想あの日から5年以上たった今も、何も解決できていない原発事故。原発下請作業員・町の青年団員・東京に避難した幼子のいる漁民の妻・極秘任務に就いた米国兵士・納得出来ないけれど故郷に帰らざるを得ない家族。何とも切ない読後です。漁民の妻を描いた「卒塔婆小町」を読んでから就寝、悪夢にうなされた私です。
読了日:6月8日 著者:
柳広司イーヨくんの結婚生活の
感想夏目家の五男・伊代太、27歳の引きこもり。人にものを頼まれたら「いーよ」と何でも引き受けるお人好し。急死した長男の通夜に突然現れた身重の女性と結婚することに!果たしてこの家族、どうなるの?と読み進め、ラストに明かされた真実。思わず涙、とてもハートフルな1冊でした。
読了日:6月8日 著者:
大山淳子長いお別れの
感想元校長の東昇平は、認知症を発症。妻と三人の娘たちの困惑、進んでゆく症状と周囲には理解不能の行動。十年の月日の流れと、孫の学校の校長の言葉、切ないけど何とも言えない読後感。自身の老後を思うと不安に苛まれそうに・・・。
読了日:6月9日 著者:
中島京子西洋菓子店プティ・フールの
感想昔ながらのあかぬけない下町の洋菓子店・プティ・フール。祖父が経営するその店で働くのはフランス留学経験のある亜樹。出てくるお菓子がとても魅力的で、お菓子に対する色々な思いが伝わってきました。6つの短編、どれも素敵でした。お勧め本!
読了日:6月9日 著者:
千早茜アンチェルの蝶の
感想子供は親を選ぶことが出来ない。人間のクズとしか言いようのない親に虐待を受ける、藤太・秋雄・いずみ。25年前の秘密を抱え、別々の人生を歩んで来た3人。とても辛く重いストーリーでした。遠田さん、いつもながら読ませます!
読了日:6月10日 著者:
遠田潤子天才の
感想角栄氏と同郷の私、身近な人から聞く裏話的な物事を知っていたので、慎太郎氏が一人称で書いたこの本に特に目新しさは感じられず。今の時代にこの人のようなスケールの大きな政治家は見当たらないことを実感。首都の某知事の情けなさと比較したり。
読了日:6月10日 著者:
石原慎太郎キッチン・ブルーの
感想食にまつわる6つの短編。孤食・味覚障害・料理下手など、悩み多き男女6人の物語。給食のお兄さんとは違ったテイストで中々面白かったです。
読了日:6月10日 著者:
遠藤彩見オロマップ 森林保護官 樋口孝也の
感想羆との戦いのあとの、森林保護官・樋口孝也の物語。ニホンザリガニの密漁・増えすぎたエゾシカ・林道計画に反対する男・サラブレッドの怪死事件・さゆみの遭難事件・中学時代の孝也の虹鱒釣りの話、どれも読みごたえのあるものでした。
読了日:6月11日 著者:
吉村龍一茗荷谷の猫の
感想江戸から東京、幕末から戦後の市井の人々を描いた連作短編集。染井の桜が一番好きでした。てのひら、こちらはごく短い1篇ですが、ずしりと心に残ります。
読了日:6月12日 著者:
木内昇かんかん橋の向こう側の
感想すごく良かったです!前作では小学6年だった真子が高校生になり、父亡き後の「ののや」に常連さんが集う。奈央さんが素敵、会話がテンポ良く一気に読了。かんかん橋の向こう側にどんな未来が待っているのかな。
読了日:6月13日 著者:
あさのあつこミナトホテルの裏庭にはの
感想寺地さんデビュー2作目。とても良かったです!祖父の依頼でミナトホテルの裏庭のカギを探すことになった、サラリーマンの芯。亡き陽子さんの生き方を書いた掌編「手の中にある」もとても良かった。装丁が可愛らしく好きですね。
読了日:6月14日 著者:
寺地はるな殺人鬼の献立表: Team・HK (文芸書)の
感想シリーズ2作目。そういえば、この作風はちょっと合わなかったんだなぁ。こちらも禍々しいタイトルと表紙のギャップに多分そうかな?って思った通りでした。何事にも自信の持てなかった佐伯美菜子は、このお仕事に出会えて幸せをつかめたので良かったのでしょうね。那須河先生の思い込みは読んでいて疲れます(笑)
読了日:6月14日 著者:
あさのあつこ炎上チャンピオンの
感想プロレスラーが起こしたコンビニ立てこもり、拳銃を持ち人質を取ったその事件を機に『プロレス自粛宣言』が出された。それから10年、犯人とされたレスラーが出所する…。プロレスが好きな人が読んだら、きっと楽しいのかも?
読了日:6月15日 著者:
横関大漆黒の象の
感想元刑事の喫茶店マスター・井出亮二が、元同僚に頼まれて一流製薬会社の社長が精子提供して生まれた5人の息子を探す。平行して24年前に近所で起きた殺人事件や、15年前の心中事件の謎を追う。。うーん、いま一つの印象。
読了日:6月16日 著者:
海野碧帝国の女の
感想大手テレビ局でのお仕事小説。宣伝・プロデューサー・脚本家・背中に刺青の入った人気女優のマネージャー・テレビ雑誌の記者。女が仕事を続けることは大変なんでしょうね。。でも、知らない世界をのぞき見ることが出来て面白かったです。
読了日:6月17日 著者:
宮木あや子ブラッドラインの
感想父が簡単腹腔鏡手術の最中に出血多量でショック死をする。次期教授候補である父の死、そして父とともに候補になっていた医師の相次ぐ死。謎を追う息子である裕也。たどりついた真実は悲しいものでした。タイトル、上手い!
読了日:6月17日 著者:
知念実希人当確師の
感想残念本。選挙も近いし、面白そうだなと思って読みましたが、期待はずれ。
読了日:6月18日 著者:
真山仁さよならクリームソーダの
感想若い感性で描かれた作品。新しい家族に馴染めない二人の美大生の物語。親の立場で読むと、切ない思いになります。今までとやや作風が違いますが、この路線も好きです。次の作品も楽しみです。
読了日:6月19日 著者:
額賀澪スクープのたまごの
感想千石社シリーズ第3弾。新米週刊誌記者の信田日向子の奮闘記。単純なお仕事小説家と思ったら連続殺人事件の謎解きも絡み、中々面白かったです。週刊千石を脳内で◎春と変換してしまったのは私だけじゃないですよね?(笑)
読了日:6月20日 著者:
大崎梢花舞う里の
感想母の故郷である奥三河の中学校に転校した中二の潤。その村は花祭りという伝統神楽のある地。心を閉ざし舞うことに拒否感を持つ潤の心の成長を描いた半年間。人の生が悲しみや憎しみを避けて通ることが出来ないものだと知ったとき、大きく変わることが出来る。古内さん、これも素晴らしい作品です。お勧めします!
読了日:6月21日 著者:
古内一絵この日のために (上) 池田勇人・東京五輪への軌跡の
感想興味深いタイトルにひかれて手にしましたが、中々乗れません。ようやく読了。感想は下巻で。
読了日:6月22日 著者:
幸田真音この日のために (下) 池田勇人・東京五輪への軌跡の
感想64年のオリンピック、この招致に奔走した田畑政治。それを機に日本の経済を立て直した宰相・池田勇人。下巻は読みやすく一気に読了。2020年のオリンピックも課題山積だが、何としても成功をと思いました。池田勇人さん、もっと長生きして欲しかったですね。
読了日:6月22日 著者:
幸田真音青空のルーレットの
感想読み友さんの感想から手に。「青空のルーレット」は高い所のガラス清掃の男たちの物語。まっすぐなストーリーでとても良かったです。もう1編の「多輝子ちゃん」、こちらも素敵!良い本に巡り合えて幸せです。
読了日:6月22日 著者:
辻内智貴世にも奇妙な君物語の
感想上手いなぁ~、朝井リョウ恐るべし!「脇役バトルロワイヤル」は現実の俳優さんを脳内で当てはめて思わずニヤリ。
読了日:6月23日 著者:
朝井リョウエミリの小さな包丁の
感想傷心のエミリが頼ったのは15年ぶりに会う母方の祖父。海辺の小さな漁師町で祖父や柴犬のコロ、周囲の人たちに温かく迎えられてゆく。ひと夏を龍浦で過ごしたエミリの再生の物語。小さな包丁、読み終えてプロローグを読み返して納得しました。これも良書、お勧めします。
読了日:6月23日 著者:
森沢明夫国境の雪の
感想うーん、思っていたエンディングじゃなくて残念!脱北した美しい女が持ち去った国家機密と彼女を追う北の組織。米中露の思惑や各国のエージェント。世界で起きている様々な事柄の裏には、本当にこんなことがあるのかも?長かったけれど読みごたえはありました。
読了日:6月25日 著者:
柴田哲孝難民調査官の
感想難民調査官という職業があることを初めて知りました。母国で迫害され命の危険がある人々を難民と認定、しかし自分の都合のため難民認定を訴える人も数多い。作中の過激な言動をする団体は、実在のあのグループか?作者の様々な切り口へのチャレンジは認めたいと思います。次はどんな本を読ませてくれるのか、楽しみですね。
読了日:6月26日 著者:
下村敦史永い言い訳の
感想西川美和さん、初読み。とても、とても良かったです。不遇の時代を支えてくれた妻を、突然のバス事故で失った人気作家の幸夫。同じ事故で妻夏子とともに亡くなったゆきの遺族と知り合い、幸夫がだんだん変化してゆく。これはまたいつか読み返してみたい1冊です。
読了日:6月27日 著者:
西川美和シンデレラの告白の
感想櫻部由美子さん、初読み。面白かったです!あのシンデレラのお話をモチーフに、多くの登場人物が出てくるわりに読みやすく、あっという間に読了しました。継母と二人の醜い姉、この女性たちがとても魅力的。特に次女マリエッタ、好きですね。次作も楽しみに待ちたい作家さん。
読了日:6月27日 著者:
櫻部由美子小説王の
感想横浜の小学校でともに学級新聞を作った同級生。一人は若いころに文芸誌の新人賞を受賞し、もう一人はそれを読み、編集者になることに。文芸書の冬の時代に、熱く物語を綴り、それを世に出す。とても面白かったです。本好きならば読む価値ありの1冊。
読了日:6月28日 著者:
早見和真マル暴甘糟の
感想どれほど暴力的な刑事なのかと思って読み始めたら、あらら、予想に反して優しい甘糟さんでした。マルBが本物のヤクザ、マル暴は警察官、なるほどでした。中々面白かったです。
読了日:6月28日 著者:
今野敏一人っ子同盟の
感想東京郊外の団地の一人っ子ノブ・小1のときに転校してきたハム子。ノブの階下の家にやってきたお調子者のオサム、ハム子の家にやってきた義理の弟陽介。昭和の時代の団地の暮らしを小6の子供の目線で描く。自治会の会館の運営、駄菓子屋の光景、中々重い読後感。。
読了日:6月28日 著者:
重松清チルドレンの
感想陣内のキャラクター、面白い! ただ、この人が自分の家族とか親戚だとちょっと困るかな?永瀬さんと盲導犬のベスが大好きです。サブマリン、まだまだ読むのは先になりそうですが、楽しみに待ちたいです。今川焼きの屋台が登場したけれど、オーファーザーのあの人かな?
読了日:6月29日 著者:
伊坂幸太郎アレー! 行け、ニッポンの女たちの
感想理不尽なリストラで四半世紀勤めた会社をクビになったアラフィフのかすみが、しぶしぶ引っ張り出されて東京マラソンの応援をしたその日から大きく変わって行く。とても読みやすく、共感出来ました。応援する人もされる人もどちらも素敵でした。
読了日:6月29日 著者:
こかじさら我が家のヒミツの
感想色々な家族のこと、虫歯とピアニスト・正雄の秋・アンナの十二月・手紙に乗せて・妊婦と隣人・妻と選挙の6編。母の急死で実家暮らしにもどった息子の視点で描く「手紙に乗せて」が良かったです。どれも全部好き!
読了日:6月30日 著者:
奥田英朗アシタノユキカタの
感想10歳の少女あすかを連れ、札幌から熊本の病院に入院した母鈴崎凛子のもとへ旅する凛子の親友でキャバ嬢の由希と詐欺師篠田高之。小路さんらしい極悪人は出てこない、あっさりした1冊。
読了日:6月30日 著者:
小路幸也読書メーター