何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

心の雨の日の過ごし方

2012-03-08 22:05:11 | Book Reviews
「心の雨の日の過ごし方 失意の時こそ、人生味わい深くなる 岩井俊憲・著、PHP研究所、2009年11月30日

p.2 いま挫折感を味わったり、失意の時を送っていたとしても、それによって生きる勇気まで失う必要はありません。焦らず、落胆せず、これまで外側にばかり向けていたエネルギーを、しっかりと内側に向けることが大事です。充電の時、癒しの時ととらえ、リラックスして再創造に備えるのです。

p.49-50 「お願い(あなたの側側)+協力(相手の側)=成就」になるのです。
 お願いし、相手が協力してくれたら、必ず感謝すること。お願いの頻度よりも多く感謝すること、すなわち、「お願い<感謝」です。

p.65 外的にはコントロールできないことではあっても、そのことを巡っての心構えは、自分でコントロールすることが可能です。

p.112 私なりの解釈では、「とにかくやり始めようと思う心」が「発心」、「やり始めたらやり遂げようと思う心」が「道心」です。

p.164 「偶発的な変化」は、「自分の身に起きることはベストなこと」だと認識する限りは、「意味のある偶然=必然」になるのです。

p.174-5 勇気のある人は、非常に激しい心の雨の日の辛く苦しい状態にもかかわらず、さらには、身体的・経済的・社会的・心理的なハンディキャップがあるにもかかわらず、加えて、失敗を体験したにもかかわらず、時としてユーモア精神を発揮して、否定から肯定へと自分自身を導く意志と行動力を備えています。

p.176-7 機能体に属すべき企業でありながら、社員は、職場に居心地の良さを感じ、結束感も仲間意識もありました。お互いに助け合う職場風土もありました。ところが、組織としては機能体であるけれども、その風土に共同体的な結束感や仲間意識を伴う「共同体的機能体」としての日本的な経営は、バブルの崩壊とともに否定され、機能体になりきりました。おの行き着く先が1995年頃から各方面で採り入れられた成果主義の制度です。職場に個人主義が蔓延し、協力者が、仲間がライバルになり、助け合う職場風土が競争的な雰囲気に変わってしまったのです。

p.178 家族を例に取れば、家族の中で絆を感じ取れるのは、私は、家族の中での所属感・共感・信頼感・貢献感だと思います。

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奇跡の教室

2012-03-06 16:35:23 | Book Reviews
エチ先生と『銀の匙』の子どもたち 奇跡の教室 伝説の灘校国語教師・橋本武の流儀 伊藤氏貴・著、小学館、2010年12月4日

p.25 気づくセンスこそが国語力なんだよ、何歳になっても、受け取る感性があれば人生は楽しいんだよって――

p.71 季節のグラデーションを察知する感受性こそが『気づき』の力につながり、興味を起こして学んでいく姿勢の基礎になっていったのだ。

p.78-9 押してみたり引いてみたり、下から見たり、離れて見たりと、「壁」をなんとかして「階段」にすることで乗り越えようとするのだ。この「壁を階段にする力」こそが、エチ先生が『銀の匙』の子どもたちに授けた果実なのだろう。

p.80 “奇跡”とは短時間の生成物ではない、というのが筆者の考え方である。いくつかの偶然が運命の糸で手繰りよせられ、一定期間それらが醸成され、いつか蓮の花のように、「ポン!」と、一気に開花するものだと考えている。

p.157-9 「ある意味では社会で合理性が求められることが多くて、なるべく無駄を省いて、なるべく近道で、という感覚が強いかもしれませんね。遠回りかもしれないけど、長い人生の上で見ればどこかで、20年、30年先に生きてくるかもしれないものも大事に、そういうふうに考える余裕というのが雰囲気的に小さくなっている気はします。ただ、今は就職ひとつとっても大変厳しい時代で、それに対して僕らの時代、高度経済成長を続けていた時代は、何をやっていてもなんとか食べられるだろうという粗さというか伸びやかさというか、それがあったから、個人の問題だけじゃなくて、社会構造そのものの違いもあると思うんですけどね。でも、だからこそ、焦らず、少しでも無駄をすることを楽しむようにと、学生に言いたいですね。研究の道に進んでも、会社員になっても、最後はそういう人間が強いんですから」

p.161-2 「次の展開に一歩踏み出す直観的なドライブが働くのではないでしょうか。そこで惹かれるものが生まれると一歩前に出たくなるし、その過程で自分の経験とも重ね合わせをしていく。そうやって楽しみながら知識を身につけていくことは、人生の豊かさにつながると思います」

p.164-5 『銀の匙』もそうなんですが、時代の変わり目の作品ですね、江戸から明治になったけど、まだかつての言葉や風習が残っていて、それに対する一種の憧憬のようなものがあり、一方で、次の時代に向けてどう生きていくかという思いもある。で、ちょうど僕らの今の時代っているのは、すごく速く変化しているだけに、もう一度、自分たちが生きてきたプロセスというか歴史から知恵を得たいですよね。そういう点で、多分同じような経験をしたのは明治の頃で、自分たちが作ってきたものを、どこまで振り捨てて、どこまで残しながら次の時代に向かって生きていくのか、そういう緊張感のあった時代だと思います。

p.190 『君たちが熱中することに無駄なことなんてない』、そんなことを教えていただいたんじゃないでしょうか。

p.210 「一緒に『銀の匙』を読んだ生徒がねえ、還暦過ぎても、みんな前を向いて歩いている。それが何より嬉しい。それを知ることができて、ほんとうによかったですわ。『結果』が出て、よかった――」 大学受験の成果など、エチ先生が求めた「結果」ではなかった。

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強く生きたいと願う君へ

2012-03-04 20:38:06 | Book Reviews
「強く生きたいと願う君へ」 坂本光司・著、WAVE出版、2012年3月2日

p.3 そして、一つの原則を見出しました。それは、企業の長期的な業績は、経営者やリーダーの「人間性」や「生き方」をそのまま反映するということです。最大のポイントは、「自律心」と「利他の心」です。

p.4 しかし、たとえ経営状況が悪くなっても、「景気が悪い」「政策が悪い」「大企業が悪い」「社員が悪い」と他者を責めるのではなく、「自分はどうすべきか?」と考え、誰よりも努力し苦労する。自分が生き残るために利益の確保を最優先にするのではなく、あくまでも関係者の幸せを第一に考える。だからこそ、画期的なアイデアも生まれ、周りの人々も力を貸そうと思う――。

p.6 時代は変わろうとしている。「経済第一主義」「利益第一主義」「金銭第一主義」といった価値観の誤りに多くの人が気づき始めた。そう勇気づけられました。

p.25 常々言っていることですが、会社経営において、まず第一に大切にしなければならないのは株主でもなければ、お客さまでもありません。何よりもまず、ともに働く社員を大切にしなければならないのです。
 なぜなら、自分が働いている会社や職場に不平・不満・不信を抱いている社員が、お客さまに心のこもったサービスをすることなどありえないからです。

p.27 あらゆる仕事は人間のためにあります。あらゆる仕事の先には、何かに困っている人や、助けを求めている人が必ずいます。
 どうすれば、その人たちの役に立てるだろうか? どうすれば、その人たちを少しでも幸せにすることができるだろうか?
 このことをひたすら追求するのです。そして、コツコツと努力を続けるのです。そうすれば、いつか私たちは「なくてはならない存在」になることができます。

p.43 書籍代に四苦八苦している若い人が目の前にいたのです。その人たちのために、間違った教授会の方針を黙認するのは単なる保身にすぎません。だから、私はあえて異論を唱えました。

p.44 彼は組織人としての振る舞いを求められるサラリーマンです。比較的独立性の高い研究者とは違い、組織の決定に背けば“殺されて”しまいます。それよりも、今は耐えるときです。そして、正しいことを行うためにも、その会社で「力」をつけて地位を高めるべきなのです。
 その「力」とは社内政治力のことではありません。それは「知的パワー」です。「その人をもってほかには代えがたい」という知識や能力を磨き上げるのです。「力」のない人がいくら発言したところで、負け犬の遠吠えにすぎません。しかし、代替のきかない「人財」となり組織に対する影響力を高めていけば、必ず正しい行いを貫くことができるようになります。それこそ、「自律する」ということなのです。

p.61 こうして、「あれもこれも一応知っているけれども、深く知っているのは専門分野のみ」という形をつくっていきます。私は、これを「T型の情報インプット」と呼んでいます。Tの上部の横棒が「あれもこれも一応知っている」部分に当たり、縦棒が深堀りする専門知識に該当します。横棒を広げながら、縦棒を深く掘り下げていくことをイメージすればいいでしょう。

p.63 一点に収斂することのない、単なる“モノシリ”では人の役にたつことはできません。「人の役に立ちたい」という根っこをしっかりもつことが大切です。

p.63 そして、人の能力はみんな同じだと思うようになりました。言ってみれば、誰でも同じ一升瓶をもっているようなものです。一流の人だから一升瓶を二つ持っているわけではありません。ただ、その中に入っているものが違うのです。

p.73 課長であれば部長、部長であれば役員や社長の立場で考えてみるのです。常に、一段上、二段上の視点で自分の仕事をとらえるなかで、全体を見晴らす力が養われていくはずです。

p.75 強く生きたければ視点を高く持つことです。広い世界、あるいは全体が見えるからこそ、「目の前の仕事」で何をすべきかが明確になるのです。そして、進むべき進路が見えてくるのです。

p.80 このように(「一生懸命」を言い訳に自分を正当化する)過ちを犯さないためには、「現象」にとらわれず「本質」を追求する姿勢が欠かせません。極言すれば、「本質問題」さえ正しく把握できれば、問題の大半は解決したも同然なのです。

p.81 私たちは、ついつい「主観」「短観」「ローカル観」で物事を見てしまいがちですが、意識して「客観」「歴史観」「世界観」で見るようにするのです。

p.85 だから、私たちも「現象」と「本質」を見誤ってはなりません。なんらかの問題に直面したときには、その「本質問題」を徹底的に追求する。それこそ、強く生きるために欠かせない姿勢なのです。

p.90 現場を知らないアドバイスは、会社の道を誤らせる危険性すらあるのです。

p.97 そうした(耳に痛い、耳をふさぎたくなるような)「声」を押しつぶして、自らの思いどおりにしようとします。それが「強さ」だと勘違いしているのです。
 しかし、それは「偽物の強者」です。本当に強い人は、どんなに自分にとって不都合な「声」だとしても、真摯に耳を傾けます。そして、その「声」が正しいものであれば、それを受け入れる勇気をもっています。

p.99-100 これからは、選ばれるのは下請企業ではなく大企業です。選ばれる大企業と捨てられる大企業が出てくるのです。なぜ、こんなことになってしまったのか?
 それは、大企業が「声なき声」に耳を傾けてこなかったからです。「人間の声」に耳を傾けず、会計上の数字ばかりを見つめ、立場の強さに胡坐をかいていたからこんなことになってしまったのです。結局のところ、そのような企業は「偽物の強者」だったということです。

p.107 私たちは、ついつい自分の都合や利益ばかりに目が行ってしまうものです。そして、相手の立場を思いやることなく、一方的な要求を口にしてしまいがちです。相手を言い負かそうと躍起になることもあります。しかし、それで自分の言い分を通したとしても、それがためにかえって自らを貶めてすまうことになるのです。
 それよりも、相手の「声なき声」にじっと耳を傾けることです。相手の立場を考え、相手も幸せになるためにはどうすればいいかを考えるのえす。それが、私たちに強く生きる力を与えてくれるのです。

p.111 「どんなに赤字でも、とにかく、目の前にいる困っている人を助けたいのです」これは、もうビジネスではありません。慈善事業です。しかし、私は企業活動の根本にはこの精神がなければならないと確信しています。

p.131 お互いに相手を尊重し合うことがなければ、いくら隣に机を並べていても、決して本当の意味でのチームが生まれることはありません。

p.137 もしも、あなたが九割の貢献をし、隣の人が一割の貢献しかできなかったとしても、それぞれに懸命に努力した結果ならば、それでいいではありませんか。隣の人の支えがなければ、あなたが九割の貢献をすることはできなかったはずなのですから。

p.143 私たちがやらない、やれない、よいこと・正しいことをしている人を見つけたら、私たちがやることは、その人を支援してあげることだ、と。そして、もしその人が“火の粉”を払ってあげるべきなのです。

p.144 「強者」と「弱者」は、状況によって入れ替わる相対的なものにすぎません。

p.149 そして、状況が変わって苦境に陥ると、「環境が悪い」「市場が悪い」「政策が悪い」と他者を責めるばかりで、自らに矛先を向けることはありません。「偽物の強者」は「偽物の弱者」になるのです。そのような人に、誰かが本気で力を貸そうとすることはありません。そして、彼らは滅びていくのです。
 間違えてはいけません。「弱者」になったから滅びるのではありません。「偽物」だから滅びるのです。

p.149 本当に強く生きるとは、「強者」になることではなく、「本物」になることなのです。

p.152 「利益を出すため、会社のシェアを高めるため、会社を大きくするために働いてきました。しかし、それはキリがない。終わりがないんです。“いったい何のために生きているんだろう?”そんな思いを、もう抑えることができなくなったのです」

p.159 訂正のきかない過去に思いを馳せるより、明日を夢見て、今日を精一杯生きるべきだ、と。

p.179 従業員を不幸にするような会社ならないほうがいい――。

p.181 このような(数々の苦しい)経験をされた方が、事故を起こした従業員に対して「それはあなたの操作ミスですから・・・・・」という考え方をするでしょうか。「誰かの犠牲のうえに成り立つような経営」をしようと思うでしょうか。従業員に危ない仕事をさせて平気でいられるでしょうか。そんなわけはありません。

p.187 「痛み」は誰もが避けたいものです。しかし、「痛み」を経験するからこそ、人の「痛み」を思いやる心、すなわち「利他の心」をもつことができるのです。そして、「利他の心」こそが私たちに「力」を与えてくれるのです。その意味で、「痛み」とは恵みなのかもしれません。

p.201 もちろん、「経済」も「利益」も「お金」も大切です。しかし、それらは私たちの生きる目的にはなりえません。私たちがいちばん大切にしているのは、そんなものではないからです。だから、心に蓋をしてはいけません。
 では、心の蓋はどうすれば取り除けるのでしょうか。簡単です。感動の涙を流すのです。そのとき、私たちは、自分が本当に大切にしているものが何なのかをはっきり理解することができます。

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不可能を可能にするあしたの発想術

2012-03-03 22:08:25 | Book Reviews
「不可能を可能にするあしたの発想術 岡野雅行・著、KKロングセラーズ、2010年10月1日

p.17 職人とはただものをつくるだけの人をいうんじゃない。こだわりと意地と工夫、そして向上心をもって、ものをつくる、ここが職人の一番肝心な心得なんだよね。

p.26 「流行は十年、二十年の周期で戻ってくるから、技術に関するものは絶対に捨てるな」

p.33 いまの金型屋は、親会社から何工程でこういうふうにつくってくれって、図面をもらって、そのとおりにつくっているけど、そういう仕事は金型屋の仕事の部類に入らない。金型屋というのは、自分で図面を起こして自分で工程数を組んでこしらえるの。だから、相手に図面を書いてもらったら、それは金型屋じゃなくて、ただの加工屋さん。加工屋のほうが仕事は楽なんだよね。

p.53 確立された技術というのは、すぐに誰かが追いついてくるものだから、見切りをつけるというところが商売では肝心なんだよ。

p.81 要するに、値段が高いとか安いじゃないんだ。そこでしか食べられない味があって、お客が満足すれば、お金は払う。

p.117 みんな、ついた餅より心持ち、って知らないのかねぇ。ご馳走してもらった餅よりも、それをご馳走してくれた相手の心意気のありがたさってぇのが、まるで判っちゃいないんだから・・・・・。

p.136 人間というのは面白いもので、いいところを伸ばしてやると、不思議と欠点が目立たなくなくなるものなんだ。長所の陰に隠れて見えなくなるというか、だんだん目立たなくなってくる。

p.144 あたしゃ、相手の会社がどうのこうのじゃなくて、担当者と仕事をするんだよ。その人が気に入ったら仕事を受ける。会社なんか、いきら大きくたって関係ない。

p.167 「東京で儲けられないやつが、地方で儲けられるはずがない」

p.177 言っちゃなんだけど、大会社というのは幹部も社員もみんな自分の立場を守るために汲々としている。だから、出来あがってしまった会社というのは成長よりも保身が大事なやつが多くて困るね。

p.178-9 何の仕事がしたいかじゃなくて、有名企業のサラリーマンになることが目的なんて、おかしいと思わないかい?
 それに、部下の失敗に責任を取る上司がいないでしょ。そんな上司のもとじゃ、社員だって新しいことにチャレンジする気にならないよね。不景気だと言ったって、仕事はいくらでもあるんだよ。でも、できない。できないのは、能力の問題じゃない。責任を取る人がいないからなの。
 いまどきはオーナー企業が少なくなって、社長だってみんな月給取りになっちゃったから、任期中だけは何の波風も立たずに過ごせればいいやってことになる。冒険する気もないし、チャレンジしようという気も起こらないわけだ。
 組織が大きくなればなるほど、リスクを負おうとしない傾向が強くなるもんで、官庁の役人なんかが、いい例でしょ。

p.214 そんな(優秀だと思っていた会社が)なぜ倒産したというと、技術がどんどん劣化してしまったからなんだ。つまり、技術を持った職人がいなくなってしまったからだよ。
 会社も一人前の職人を育てる余裕がなかったのかもしれないし、職人自身が努力しなかったこともあるだろう。でも、会社が倒産すると腕のない職人なんて惨めなもんだよ。

p.214 一人前になるってことは自分が得するわけで、他人が得するんじゃない。目を養い、手を練り、考える力をつければ、リストラとか定年に関係なく、やろうと思えば一生仕事を続けることができるものだよ。

p.225 だって、そういう(未来型の製品開発の)仕事は揃いも揃って雇用を生まないどころか、ほかの人の仕事を奪ってしまうものばかりなんだ。うちで何かをつくると、必ずどこかの会社がなくなったり、従業員が半分になったりしてしまうから、きっと・・・・・。

p.230 もう、いまは大企業全盛の時代じゃない。小さいことは、いいことなんだ。新しい発想や知恵さえ絞れば大企業と対等以上に戦えるんだからね。

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口コミ繁盛店のつくり方

2012-03-02 23:29:32 | Book Reviews
お客さんがお客さんを連れてくる! 口コミ繁盛店のつくり方 花谷博幸・著、アニモ出版、2012年1月30日

p.3 口コミは商品や技術という目に見えるものから起こるのではなく、信頼感や好印象という目に見えないものによって発生するのです。そして、お客さんが感じる信頼や好印象を、お店の側が目に見える形にして提供できるかで、口コミ繁盛店になれるかどうかが決まります。

p.4 口コミ繁盛店は売上げ中心の店ではありません。売上げをあげるために口コミシステムを作るのではなく、口コミを増大させるために口コミシステムを作ると売上げは自動的にあがるという考え方です。

p.24 実際は、口コミが起こらないのは「口コミ紹介の方法が解らない」からです。そしてリピートが起こらないのは、お客さんと接触不足による「次に行くきっかけと理由がない」「忘れていた」が、そのほとんどの理由です。

p.26 口コミ紹介のない飲食店は「おいしい、安い、多い、きれい」という商品の話までしかされませんが、口コミ紹介される店は、必ず「人」まで語られます。したがって、「商品」を磨くことは当然ですが、「人」をどんなふうに話してもらえるようにするか事前環境を整えることが必要となります。

p.29-30 画一的なサービス対応ではなく、オーダーメイド的なサービス対応と言ってもいいかもしれません。オーダーメイド対応により優越感を感じられれば、口コミはウンチクとなって広がっていくのです。

p.31 たとえば、人は紹介する際に「大切な友人に口コミ紹介したいけど、ちゃんと接してもらえるだろうか? 嫌味な態度やぞんざいな扱いをされないだろうか? 本当に友人は喜んでくれるだろうか?」といろいろ心配になります。
 そうした心配を払拭する信頼感は、お客さんがそのお店で何を感じたかによって判断されます。つまり、「このお店はしっかりしているな」と感じてもらえるかどうかです。

p.31-2 口コミは店外で起こります。お客さんがお店から出たときにどんな印象を持ったかで、口コミ発生率は変わるのです。

p.35 まず最初は、店側が「自己開示」をします。
 こちらから先に自己開示しなければ、お客さんだって自己開示をしません。その結果、口コミ紹介するに値するほどの信頼感を提供できないことになるのです。

p.38 あなたから「自己開示」することから始まる「共感のコミュニケーション」が、お客さんとスムーズにコミュニケーションできるスイッチになる。

p.39 実は、口コミは「情と興奮」を媒介として、人から人へ動いていきます。「情とはなにか」というと、それは「愛情」であり、「友情」「情熱」「情報交換」です。

p.60 たとえ新規顧客を失っても、もともと来なかったと思えばいいだけですが、既存客を失えば、また最初からお客さんとの関係を作っていかなければならないのです。これは100倍大事さが違うと認識してください。同じ1人のお客さんではないのです。

p.62-3 口コミ紹介の阻害要因は「どう口コミしていいか解らない」ですから、メニューの数が多いと、その店を簡単に紹介することができなくなります。
 「この店に初めて来た人に食べてもらいたいのは、どのメニューですか?」

p.65 多くのお店が陥りがちな勘違いが、リピートシステムより集客システムを優先させてしまうことです。でも、いままでのお客さんがすべてリピートしてくれたら、そんなに集客にこだわる必要はないはずです。
 一見すると、毎日新規客が来店するのはいいことのような気がしますが、実は、そのお店の足元は弱いということなのです。

p.71 昨日入社したアルバイトの新人さんも、お客さんにとっては店員であり、新人であるかどうかは関係ありません。
 よく言われることですが、そのお店のスタッフのチームとしての完成度は、新人の能力で判断できます。新人の能力が高くなることでチーム全体の評価は高まっていきます。
 お店側は自分の店の「売り」をアピールして評価してもらいたいと思います。そこが得意であり、好きな部門だからです。ところが、お客さんの視点は逆にあります。最低の部門を評価して、その点数をお店の点数とするのです。

p.73 たとえば、「ラーメン屋さんはラーメンを食べさせる場所だ」と思ってラーメン店を営んでいると、「うまいラーメンを食べさせればいいだろう」という思考に陥ります。でも、うまいラーメンが出せれば、それだけでいいのでしょうか?

p.79-80 言い方を変えると、「治すために治療をする」のではなく、「口コミをしてもらうために治療をする」のです。そのためには「信頼と好印象を感じてもらえる治療をする」と切り替えます。
 そう考えていくと、あなたが口コミ繁盛店をつくるためにやるべきこと、学ぶべきことのすべてが変わってきます。

p.80 その最初の一歩は、自分の商品・技術・サービスを通してお客さんから信頼と好印象を得ることをシステム化しなければならないのです。

p.85 すべてのインフラは売上げをアップさせるものではなく、「絆の時代」にマッチした口コミをサポートするためのインフラに仕上げていくのです。口コミをしやすいインフラをきちんと用意して、店内で「信頼と好印象」を作ることで口コミ環境が整うのです。

p.95 当然、ホームページの内容は集客目的ではなく、信頼づくりをベースに構築された口コミサポート目的でなくてはなりません。
 口コミの順番は「商品→人」になりますので、ホームページでの商品の説明も口コミ紹介者が語っているようにしておくと、2回同じことを言われた錯覚によって行動までのあと押しになります。

p.98 紹介はしてみたものの、行った人はどうなったのか? それをお店と行った人の両方から確認したいのです。お店がその点に気付いてくれたら、紹介者も安心するはずです。ここから生まれるのが「信頼と好印象」です。

p.104 お客さんは、店内での行動に関して「えっ」「あのー」と疑問や不安を感じると、そのひとつひとつがお店へのマイナス評価と無意識レベルでカウントしてしまいます。

p.107 「お店というのはファンクラブの集会所」ですから、どうしたらVIP扱いとなるのか、そのルールが明示してあると、一部の人たちはVIPになろうと行動を起こします。それがファン心理というものです。

p.117 口コミが起きなくなるのは、お客さんが「忘れていく」からです。それが、半数以上だと思ってください。

p.119 つまり、口コミ繁盛店をつくるには、この忘却対策である「きっかけ」をお店で用意することが必要になります。そして、忘却を補完する方法はひとつしかありません。チラシ、メール、ニュースレター、ハガキ、DM、なんでもいいので、定期的な接触を図るのです。定期的な接触がお店を思い出すきっかけづくりになります。

p.142 VIP顧客になる人にはあるパターンがあります。それは、「濃い人」「手間のかかる人」「寂しい人」です。こうしたお客さんは、一般に面倒なタイプと言われます。ただし、この面倒なタイプのお客さんを親切に受け入れると、VIP顧客となるのです。なぜなら、このタイプの人たちはほかのお店ではキャパシティーオーバーだった人だからです。

p.155-6 このお店は自分が紹介した人の期待に応えることができると、お客さんが判断したときに、初めて口コミ紹介が発生します。そして、口コミが口コミを呼ぶという好循環が生まれるのです。

p.156 当院のような高齢者の多いお店が考えなければいけないのは、その患者さんが1人で暮らしていれば、入室時の「おはよう」が、その日に初めてしゃべった言葉かもしれないということです。しかも、その日に誰かと話す唯一の機会かもしれないのです。
 そんなときに、自分を受け入れてくっるお店の存在は実に貴重です。そのお店がなくなったら困るのは、そのお客さんのほうなのです。だからこそ、寂しいお客さんほどVIP客になって、口コミ紹介をしてくれます。

p.173-4 多くのコンサルティングを通して私が見つけた、チームが出来上がらない会社の特徴があります。それは、社長が従業員を道具と思っている会社(お店)です。人と思わず、自分のための道具と思っているのです。

p.182-3 経営者の視点が目先の売上げばかりに向いていると、いまここで絞りとっておこうみたいなことが起こります。何度も言いますが、口コミ増大を目的とするお店づくりこそが、繁盛店につながるのです。

p.191 お客さんがなぜ、そのお店に何度も来るのか? そこにはいろいろな理由がありますが、ひとつの共通項は、気持ちを埋める作業として来店していることです。
 お客さんがモノを買うかどうかは、その人の気持ちが決めます。治療効果の実感も、リピートするかどうか、口コミするかどうかもお客さんの気持ちが決めます。

p.192 同じ仕事をしていれば、飽きることもあります。このマンネリ感と戦うのが商いです。実は、マンネリ感とは悩みを避けることで成長がとまっているために起こる現象です。

p.203 お客さんは社会の変化に反応して、購買の方法を変えていきます。

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ひたむきな人のお店を助ける魔法のノート

2012-03-01 21:00:34 | Book Reviews
ひたむきな人のお店を助ける魔法のノート」 眞喜屋実行・著、ぱる出版、2011年7月1日

p.30 しかし一つ確信を持って言えることは、そうやって足を踏み出した人間のところにしか、ゴールは訪れないということです。

p.37 具体的な利用方法を教えることで、お客さまに利用してもらうこと

p.44 お店がお客さまにアプローチするためには、お客さまとの適度な距離感を築くことが大切です。それには、あまり詳しくない範囲で、使い方を提案するのが一つの方法です。
 分かりそうで、なかなか分からない――そんな、バランスの取れたヒントとしての利用方法を、お客さまに提案してみてはいかがでしょうか。

p.90 ビジネスで、何か「体験したいもの」を作り出せば、爆発的ヒットにつながる可能性があります。なぜなら、こちらが何もしなくても、お客さま自身で宣伝してくれるからです。

p.105 「分かります! 隣の人が食べているものって、食べたくなりますよね!」
 要は、前回考えた「体験したい」をつくり出すことを、広告だけでなく店内でもお客さまに感じていただくということだった。そして、その日に体験してもらうのではなく、次回の楽しみにしてもらえれば、もう一度来店する理由になるということだった。

p.176 例えば、ポジティブシンキングをしていると、お客さまが来なくても「そのうち来るさ」と単純に前向きに考えて、来ない理由を探さなくなります。


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