何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

感動の涙と、無念の涙

2007-02-12 21:18:27 | 思いつくまま
マグロ漁船転覆、乗組員ら3人を救助 宮崎沖(朝日新聞) - goo ニュース

 マグロはえ縄漁船「幸吉丸」の転覆事故で、いくら暖冬だとはいえ海に放り出されるという一大事に対し、何とか救助されて欲しいと思いながらも、時間が経つほど望みは刻々と減り、半ば観念していた。それが救命ボートで漂流されているところが見つかったというから、本人はもとより、家族や関係者の喜びはひとしおだろう。天候もそう悪くなかったであろうに、もっと早くに見つけられなかったのかと思うくらいだ 

 折りしも、東武東上線で女性を助けようとした巡査が意識不明の重体だったところ、今日午後、帰らぬ人となった。かたや九死に一生を得て、かたや奇跡はおこらなかった。これほど明暗の分かれるとは 

 10管によると、3人は事情聴取に対し、鹿児島県・種子島南部の大竹崎灯台の南東約74キロで漁をしていた9日午前10時ごろ、白い大型船が幸吉丸の右舷の船体中央付近に衝突し、そのまま北東方向に走り去った、と話しているという。船名などは確認できなかったという。

 この“白い船”は、衝突したことくらいわかっていると思う。海上の当て逃げは、いわばひき逃げのようなものだろう。衝突の原因や過失割合がどうのこうのでなく、人命救助をしなかった罪は重い。極端に言えば、殺人かもしれないのだ。近々に見つかってほしい 

 それにしても、幸吉丸の3名は宮崎医大にヘリコプターで搬送された。「宮崎」はこういうところでも明るい話題に恵まれているようだ 
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

正確な調剤は、本質的な要望か

2007-02-11 22:20:33 | くすり雑感
 顧客、お客様に提供すべき満足が、「安さ」の会社もある。」牛丼の吉野家なら「早い安いうまい」であって、「早い」が最重要の提供すべき満足になる。

 建築系から、設計品質による満足度もあろうし、施工品質によるものもあろう。ただし、こうした表現は往々にして誤解を招く。「設計品質に施工品質というなら、いつもわれわれがめざしているものと同じ」。そんな言葉が技術屋的発想の強い読者から返ってきそうだ。現状の技術屋さんたちが、めざしているのは「図面どおり」の「品質」であって、お客様が心の底から満足するかどうかという「品質」ではない。「図面どおりにきちんと、こんなに良いものを作ったんだから、さあ満足しろ」、これはCSとは呼ばない。
(『ISO9000’sが会社をつぶす』山崎裕司・著、日刊建設通信新聞社、1999年、p.196)


 調剤過誤・調剤事故はどんなに注意していても、わずかながら発生する。なかなかゼロにならない。それをゼロにしようと、処方せんに書いてある通りの薬剤調製に対して、多大なエネルギーを投じられていることが多い。相当、神経をすり減らしていることも見受けられる。それで過誤や事故が減ったとしよう。ゼロになったとしても、(冷たいようだが)それはあくまでも「処方せん通りに棚から薬を用意した」にすぎない。

 いくら薬局側が、事故が減った・過誤はゼロだと喜んでも、それで質の高い調剤サービスをしたとはいえない。患者にとっては当たり前の話だからである。よって患者満足提供したことにはならない。患者が期待する「質の高いサービス」とは、その先の、もっと別の視点にあるからである。

 薬局が、過誤・事故を減らすは最低限ことにすぎず、患者から薬局への期待し、要望する本質はそれではない。患者にとって過誤・事故がないのは、必要条件であるが十分条件ではない。だから過誤・事故がないことをもって、薬局側は満足していてはいけない。質の高いサービスができているなどと安心していたら、それは錯覚ではないか 
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ISO9000sが会社をつぶす

2007-02-11 17:00:52 | Book Reviews
 副題は、「間違っていた建設会社の導入方法」。

 「ISO9000’sが会社をつぶす」(山崎 裕司・著、日刊建設通信新聞社)

 書名だけ見てISOの批判本だと思った人は面食らうだろう、ボクシングでいうカウンターパンチを浴びるがごとく。「ほらみたことか、だからISOなんて必要ないんだって言っていたダロ?」などと早合点した人は、もはや救われない。

 99年に発行されたものだが、94年版とか2000版かといったことは関係ない。2001年4月に建設関係の入札資格にISO9000シリーズが必要とされたが、建設業界ではやむなく取得したところも多いだろう(今では、改正されちるようだが)。その時点での建設業界に対して向けられたものであろうが、今読んでみるとそこに書かれている内容は建設業界に限ったことではない。また今でも十分参考になることが多い 
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リンナイとパロマ、違いと共通点(2)

2007-02-11 14:30:32 | 思いつくまま
 開放型小型湯沸かし器による死亡事故で、リンナイはその事実を知っていたにもかかわらず、公表してこなかった。「公表する」ということは、利用者の安全を第一に考えているということであり、「公表しない」ということは、隠蔽と言われ、避けられた事例を回避できず被害を拡大するおそれがあることは、パロマの事件から学んでいたことと思う。

 なぜ、公表しないで今まで来てしまったのか。
・今ごろになって公表すれば、隠していたという批判を浴びることを恐れた。
・パロマの事件で世間の目が厳しい中、同業者が今頃になって過去のことを“公表する”ということが、「いい子」になろうとしているのではないかと別の意味での批判を恐れた。ただでせ、同じ名古屋の老舗である。
・使用者が換気を怠ったことが原因であり、湯沸かし器そのものや修理体制の問題ではないから、パロマとは異なると考えていた。
・問題のある機種について警告を出すといっても、松下電器がストーブの修理、回収を呼びかけているのを見て、TVや新聞など、その費用が莫大になるのを心配した。あれだけ呼びかけても、完全に回収が難しい、費用に見合わないと思ったのか・・・。

 「常に換気された状態で使う」と言っても、天候、気温や騒音、室内が見えるなどの事情で、ユーザーは必ずしもその通りに使うとは限らないのは、十分想定できよう。「少しくらいなら大丈夫では・・・」が昂じるのだから。

 すすがたまると不完全燃焼を防止する機能が作動しなくなるというのだから、そういう事態を想定して、たとえユーザーが誤った使い方をしたとしても被害が起きないためのフェイルセーフを万全にしておくべきだった。とすれば、湯沸かし器の機能・性能にも問題があるといえないか。

 パロマの事件を知ったときには、もはや自社の事実を出せなかったリンナイ。本来なら、ここぞとばかり機種を変更してもらうシェア拡大のチャンスなのに、そういえばなんとなくおとなしくみえた。今にしておもえば不自然だった。

 教訓すら活かせない状態に置かれていた悲劇というべきだろうか。湯沸かし器業界でなくても、こういう事件を教訓に、日本中の安全が優先する組織では、内部での安全管理体制を即刻見直すべきかもしれない。

 リンナイもISO9001を取得している。パロマが事実を小出しに出したことで、真実がどこにあるのかわかりにくくなってしまったことや、国への報告や被害者の対応で誠意が見られないことを見ているだろうから、せめてそういう負の教訓だけは踏襲しないでもらいたい 
 
Comment (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リンナイとパロマ、違いと共通点

2007-02-11 12:59:45 | よくわからないこと
リンナイCO中毒 パロマと異なる構図

 安全なはずのガス機器で再び明らかになった悲劇に、一夜明けた10日もリンナイ(名古屋市)は対応に追われた。被害は5件。既に3人が死亡した。一方、警視庁が家宅捜索に乗り出したパロマ工業(同)製品を巡っては21人の死亡が明らかになっている。被害はこれですべてなのか? 機器に構造的な欠陥は無いのか? 実態解明に注目が集まる。

 今回の5件の事故のうち3件は、東京ガスがリンナイ製の湯沸かし器を自社ブランドで販売していた。東京ガスによると、リンナイ製は、パロマ製と異なり、使用時の換気が不可欠で、設置時の説明や取扱説明書、機器に張ったシールなどにより、ユーザーに換気するよう呼び掛けていた。

 両社の製品は、ともに室内に設置するが、パロマ製は台所や浴槽など数カ所に給湯できる大型タイプ。ファンを回して煙突を通じ、屋外に強制排気する。

 これに対し、リンナイ製は主に台所だけに給湯する小型タイプ。屋外ではなく室内に排気するため換気が不可欠だ。不完全燃焼の際の安全装置も装備しているが、繰り返し使用しているうちにバーナーのそばにある、不完全燃焼を感知するセンサーに、すすが付着。正常に作動しなくなる可能性が分かっている。

 さらに一酸化炭素(CO)中毒という共通点はあるものの、「改造」の有無で大きく異なる。

 リンナイ製の器具による事故では、これまでのところ改造例は見当たらず空気供給口にすすやほこりなどがたまり、不完全燃焼を起こしたとみられる。

 一方、パロマ製の器具による事故は主に改造後に発生。室外に排気するための排気ファンが作動しない場合、ガス供給がストップする安全装置があったが、修理業者による不正改造で事故が発生したケースが目立つ。 (毎日新聞 2007.2.10 より)


 事故の原因というか、湯沸かし器の用途や構造には違いもあるが、だからといって死者を出してしまったという点では同じ。果たしてパロマはパロマ、リンナイはリンナイか。
<続く>
Comments (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

患者は顧客

2007-02-09 17:10:42 | 思いつくまま
12月21日(木) 「患者は顧客」

 「お医者さんが、こっちの言うことを親身になって聞いてくれん」と、知り合いの主婦が不満顔に言っていた。患者の身になって考えてくれない、ということらしい。

▽幸い私の接する医師は、みなこちらの言うことをよく聞いてくれて親切である。20歳のころ副鼻腔炎になって、他県の耳鼻科医院で診察してもらったが、おれに任せておけという感じで、何を聞いてもあいまいな返事だった。かつてはこんな、上から患者をみる医師が多かった。

▽病気を治してやる、といった意識は昔型の医師にはあるが、きちんと病状を説明し、自分の考えを患者に分かりやすく説く医師は信頼する気になる。治してやるというよりも、共に病気と戦おうという気持ちが患者に伝わるのである。こんな人は、患者の言うこともよく聞いてくれる。

▽日本の病院では、受診者を「患者」と呼び捨ててきた習慣があった。アメリカでは早くから、患者は「お客さん」として丁重に対応すべきだという考え方がある。日本でも受診者を「診てあげる」という昔ながらの感情を一掃して、顧客として丁寧に接することが当然だ、と医師の日野原重明さんが「95歳私の証・あるがまま行く」(朝日新聞)の中で書いている。

▽受診者は大切な顧客だという意識の変化は、日本でも広がってきているというが、患者の身になって一緒に悩んでくれる医師が増えてほしいものである。(香)
以上、紀伊民報 2006.12.21 コラム「水鉄砲」より


 一緒に悩んでいるだろうか。一緒に悩むには、共通の問題意識が必要だ。悩むにあたり、背景やら経緯らも共有されていなければならない。そんな関係に、プライベートを打ち明けられることが大切である。

 医者は、治療方針を立てる必要があるし、治療を進める権限があるので、なろうと思えばなりやすいが、薬剤師はそれに比べると難しい。話を聞いてあげることができても、肝心の力にどれくらいなってあげられるか。

 簡単に解決しない問題も少なくない。時間もかかることだらけだ。

 悩む状態は、どちらかというと重苦しく、暗い状態だ。楽しくも、明るくもない。そのせいかどうかはわからない。明るい笑顔で接し(接遇上、最初から暗く陰気なのも困るが)、一緒に悩まずに、明るく?薬局を後にさせる様子が珍しくない。

 「患者は顧客」といっても、立場上、負担金の授受を含むとはいえ、お金を払ってくれるからわがままでもなんでも聞く、といった打算的な意味ではないだろう。

 ただちに問題は解決しなくても、多少は晴れた感じで、前向きに生活を送れるエネルギーを与えて、帰途についてもらうようにできればと思う 
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お上の論理に傷つく国民

2007-02-08 09:36:04 | よくわからないこと
懲りないのか、強気なのか…柳沢厚労相また失言「子供2人以上極めて健全」  スポーチ報知 207.2.7

  「女は産む機械」発言で批判を浴びる柳沢伯夫厚労相(71)が6日、今後の少子化対策について「若い人たちは、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる」と持論を語った。結婚して2人以上の子供を持つことを「健全」と表現したことに、またも与野党から批判の声が噴出。安倍晋三首相(52)から続投方針が示された翌日だけに、懲りないのか、それとも強気なのか…。

 事の本質が理解できていないのか、指摘はわかっていても、腹の中は違うからつい本音が出てしまうのか。

柳沢厚労相開き直る…「健全」発言撤回せず  スポーツ報知 2007.2.8

 女性を「産む機械」に例え、批判を浴びる柳沢伯夫厚生労働相(71)が7日、あらためて陳謝を繰り返し、辞任はせず、厚生相として少子化対策などに取り組む考えを示した。だが、6日の「若い人たちは、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる」とする発言は撤回せず、開き直る場面も。新たに問題ともとれる発言をするなど、野党からの「辞任コール」はやみそうにない。

 言葉尻をとらえて、揚げ足をとるようでやりすぎだとの批判もある。せっかくの予算委員会の時間をそんなことに費やしていても不毛という気もするが、それでも反省していると言った矢先に立て続けに失言を続ける大臣が居座っているのは、資質を欠いた者でも許されるという価値観を肯定するようでもあり、審議に熱が入らないのではないか。予算質問の答弁だとしても、まともに向き合いにくい。

 結果を出さなきゃいけないということは、当事者である人を人とも思わないだけではなく、結果さえ出ればそのプロセスは多少のことは目を瞑るといった弊害も生み出しかねない。また人を「出産」ということで評価することにもなり、ますます人の心を傷つけるように思う。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不二家埼玉工場、研修ほとんどなし

2007-02-05 14:26:48 | ISO9001奥が深いか浅いのか
不二家埼玉工場、研修ほとんどなし…外部改革委が視察  読売新聞 2007.2.3 より

 大手菓子メーカー「不二家」(本社・東京)の再生に向けた助言を行う「『外部から不二家を変える』改革委員会」は3日、同社の埼玉工場(埼玉県新座市)と秦野工場(神奈川県秦野市)を視察した。

 消費期限切れの牛乳を使用して洋菓子を製造していた埼玉工場では、社員やパート従業員に対する研修がほとんど行われていなかったことが判明し、改革委は、早急に研修システムを確立するよう同社に指示した。

 視察したのは、改革委の田中一昭委員長(拓殖大教授)や委員のほか、同社の桜井康文社長ら計10人。

 視察後、田中委員長は、手作りの工程が多く、従業員による高度な衛生管理が求められる埼玉工場について、「きちんとした研修システムがなく、新人は職人芸を盗んで仕事を覚えるという雰囲気だった」と指摘。同工場のパート従業員からは、「これまで一度も研修を受けたことがない」という証言もあったという。


 耳を疑うような内容ではないか。ISO9001の審査で、指摘事項のひとつとして研修の不備が挙げられていたが、このようだとは思わなかった。個人商店が軒先でお菓子を作って細々と売っているのとは違う。それで済ませているところに、根の深さを感じる。

 生命や健康にかかわる業種でありながら、社会人なら自ら生涯学習をして当然だ、個人で研修から何かを得るのだから、その費用は個人でもつべきだ、などとする組織もいまだにあると聞く。教育・研修は、リターンの計算できない投資だと思っているようだ。

 自分たちは社会に対して何をしているか、認識が欠けているのだろう。自分たちがどうありたいかだけを追い求めているからのように思われる。根底にある発想が違えば、教育・研修をするにしても、その実態が雲泥の差となって現れる。その典型のように思えた 
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

消費期限は、おいしく食べられる可食期間×60~80%

2007-02-02 14:04:44 | よくわからないこと
 消費期限 洋菓子や惣菜など日持ちのしない食品につける表示で、定められた条件下で保存して安全に食べられる期間(製造日を含めて概ね5日以内)
 賞味期限 レトルト食品などそれ以外の加工食品につける表示で、おいしく食べられる期限


「消費期限 どう決まる? 「おいしい期間」×安全率60~80% (朝日新聞 2007.2.1 より抜粋)

 消費期限と賞味期限は、いずれも05年に国が決めた「食品期限表示の設定のためのガイドライン」をもとに各企業が独自に決めている。①食品の粘りや濁りなどを測る理化学試験、②細菌数を測る微生物試験、③見た目や味を見る官能検査――をして、安全かつ、おいしく食べられる「可食期間」を出す。この日数に各企業が一定の「安全率」をかけて期限とする。

 ガイドラインの委員だった食品産業センターの門間裕企画調査部長は「細菌数が増えていくより、風味が悪くなるほうが早い場合が多いので、官能検査で出た日数に60~80%をかけて設定するのが普通」と話す。

 同社(=不二家)は、可食期間の80%がけで消費期限を決めている。

 「在庫管理の問題で、可食期間の範囲なら大丈夫だろうと1日延ばしてしまった。意識に甘さがあった」
 「消費期限は、余裕をもって設定しているので、1日超えたからといって、直ちに健康被害を起こすわけではない。問題は、自分たちで決めたことを守らなかった企業の姿勢だ」と指摘する。


 ところで、薬局は温度管理をしているだろうか、調剤室内はもちろん、倉庫や保冷庫、商品を並べている待合室もだ。
●温度計が設置されているか?
●そこで現温度ではなく、ある期間における最高・最低温度が計測・管理されているか?

 とくに保管温度を超えやすいのは休日である。夏場ならエアコンのスイッチを切って帰る。保冷庫なら開閉しないのでよく冷える。

 夏場では、局方で規定される室温(1~30度)を超えることは案外少なくない。薬局の構造(テナントの1階、平屋、店舗の方角、等)にもよるとはいえ、30度を超えることが往々にしてある。どのくらいの時間、オーバーしていたかはわからないが、窓や戸を締め切っているので、気温以上に長時間高い状態が続くだろう。

 その場合、そのような状況に置かれていた医薬品を調剤に使用してもよいか。

 多くの薬剤では、苛酷試験(40度、RH75%で、例えば3ヵ月間)が行われている。薬局の環境がそれを超えることはなく、夏場といえども平日の昼間はエアコンをつけているので、少しくらい30度を上回っても大丈夫だと考えるだろう。

 しかし添付文書で定められた医薬品の保管条件は多くは「室温」保存である。30度を超えた状態に置かれた薬を使ってもよいのか?

 30度という上限は、薬局が決めたのではなく予め決められたものである。苛酷試験のことを考えれば、かなりの“安全率”があるだろう。少しくらい30度を超える日があったって薬への影響は少ないと思われるが、使用しても大丈夫と考えるのは、患者さんからすれば「甘い」と映るだろうか。

 おそらく世の中の薬局の多くは、猛暑の休日後もその医薬品を使い続けている。廃棄することなどない。しかし保管条件を超えた室温に置かれていたことは、またそれも事実である。

 どう考えればよいのだろうか 
Comments (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いったいあの事故は何だったのだろうか

2007-02-01 18:47:00 | JR西に学べ
JR側、事故調に反論 宝塚線脱線事故意見聴取会 朝日新聞 2007.2.1 より

 乗客と運転士107人が死亡した05年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故で、国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の意見聴取会が1日午前、東京・霞が関で始まった。最初に意見を述べたJR西日本副社長の丸尾和明鉄道本部長は、事故の背景に余裕のないダイヤ編成や、新型の自動列車停止装置(ATS)の設置遅れがあったとする事故調査委の見方に、反論した。

 丸尾本部長はまず、日勤教育と呼ばれる運転士の再教育制度について「制度の有用性は過去の裁判でも認められており、運転士の自覚を促し、意欲の向上に必要と判断している」と主張。ATS設置の遅れも「設置計画は妥当で、施工の安全に万全を期したため」などとする一方、「曲線での速度超過対策を必ず行う必要があるとは認識していなかった」と話した。

 ダイヤも「余裕時分は弾力的な運行ができるよう設けており、なくても標準的な方法で定時運行できる」と説明。安全管理体制の妥当性も強調した。

 これに対し、調査委の佐藤淳造委員長は「批判するのもいいが、原因は何とみているか、具体的な再発防止策を伺いたい」と苦言を呈した。丸尾本部長は「原因は分からない」とした。

 一方、人間の行動と安全問題に詳しい日本ヒューマンファクター研究所の黒田勲所長は「経済性を最優先する風土や懲罰的な教育制度など心理的ストレスを高める要因が多く、現代のヒューマンファクター(人的要因)の教育理念に著しく逆行している」と指摘。「運転士と車掌の連携などチームでの安全対策について、他産業より10年遅れていると感じる」と話した。


 この春が来ると福知山線の脱線事故から2年を迎える。毎年1月17日には阪神淡路大震災を思い出すように、4月25日も忘れられない1日になろうとしている。
 これだけ調査をしてきて、「原因がわからない」とはいったいどういうことだろうか。推測の域を出ないということ、高見運転士でなければ真実はわからないということ、それ以上に、だから今となっては調べようがない以上、自分たちには非があるとは認めるわけにはいかない、ということだろうか。

 この副社長の言葉を被害者やその遺族はどう思うのだろうか。JR西日本はいまだに反省がない・しようとしない、会社自体に非はなく、ひょっとしたらJR西日本もある意味被害者だと言うのか。
 さらにJR西日本の社員は何を思うだろう・・・。昔からいる者は、いいかげんにしろよと思うのか、今年度入社した者は、まさか!って思うのではないか。

 公共交通機関だから、不買もなければ回収もない。食品会社のように路頭に迷うこともないと開き直りはないか。某大臣は失言で辞任に追い込まれているが、JR西日本のこの発言に対して、国民はどう向き合ったらよいのだろうか   
Comment (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

不二家の是正指摘7項目

2007-02-01 09:34:33 | ISO9001奥が深いか浅いのか
不二家3工場、国際規格の認証「保留」 7項目に不備(朝日新聞) - goo ニュース

 不二家は31日、スーパーなどで販売する卸売り菓子の3工場が取得していた品質管理の国際規格認証について再審査を受けたところ、基準に達しない7項目の是正報告を求められ、認証を「保留」されたことを明らかにした。再度の認証は早くても数週間かかる見通し。また認証が認められても、小売り各社が「安心のお墨付き」と受け取る保証はなく、すぐの販売再開は厳しい情勢だ。

 不二家が31日までに審査機関から指摘された、不備は7項目に及ぶ。業界関係者は「指摘は広範囲で、問題の根深さを改めて感じる」と驚く。不二家商品への信頼回復を狙った再審査だが、むしろ「逆効果」となる可能性もある。

 是正を求められた「7項目」とは、
●管理責任者の権限が不明確。従業員と意思疎通が図られていない(5.5.2、5.5.3)
●不良品が適切に処理されていない(7.5)
●品質マニュアルを含む文書管理、記録に不備がある(4.2.2、4.2.3、4.2.4)
●従業員教育が不十分(6.2)
●取引先の認定基準があいまい(7.4)
●製造工程の検査態勢が不適切(7.3.4、7.3.6、7.5.2)
●内部監査が徹底されていない(8.2.2)

 ということだそうだ(朝日新聞 2007.2.1)。規格要求事項の部分は推定である。

 やはり内部監査が機能不足だといわれたか・・・、というのが第一感。東横インの不祥事の際、これを防止できたとしたら内部品質監査ではないかと思った。

 品質管理責任者が問われたのは意外だった。ISO9001を中心になってすすめる役割を持つからという管理責任よりも、内部での意思疎通を良くして、すみやかに不適合の発生、流出を防がなければいけない、そういう役割があるということだろう 

 安全管理システムの不備を指摘した7項目ではあるが、マネジメントレビューが機能していなかったであろうことや(誰もこの製品販売をとめようとしなかった)、法的にも耐えられない状態であること、食品が美味しい以前に安全であるのは当然という想いをないがしろにしたり、5.1や7.2.1において、是正指摘がなされなかったのは、なんでだろう 

 さらに「改善の機会」としていったい何項目の指摘があるのか、ちょっと想像がつかないところだ 
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする