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パロマに見る「安全確保はどこまでやるの?」

2006-07-19 08:54:24 | ISO9001奥が深いか浅いのか
 <不正改造>「パロマ講習会で習った」…元業者証言 苫小牧

 92年4月に札幌市で2人が死亡した事故の損害賠償訴訟で、パロマ製品の修理をする「パロマサービスショップ」を北海道苫小牧地区で経営していた元業者が、被告側弁護士に対し、「(不正改造は)パロマの講習会で教えられた」と証言していたことが、札幌高裁の裁判記録などで分かった。しかし、パロマ側は「改造を絶対に行ってはいけないと指導していた」と証言を否定し、判決はこの点に触れなかった。
 この訴訟は、遺族側がパロマと取り付け業者らを相手取って損害賠償を請求した。証言した業者は75~87年まで同ショップを経営。札幌市の事故とは無関係だったが、87年に苫小牧市で2人が死亡、3人が軽症を負った事故で、安全装置が作動しないように不正改造をしていたとして、関連証言をした。
 ◇パロマは否定
 この業者は98年2月、取り付け業者の弁護士に対し「メーカーの指導なしに、サービスショップレベルの知識でこんな改造は出来ない。パロマ札幌営業所は年に2、3回、サービスショップを集めて講習会を開催していた。(動作制御をする)コントロールボックスの故障が多かったことから、講習会で応急措置として(安全装置を作動させない)バイパスを教えられた記憶がある」と証言し、証拠提出された。
 また、不正改造を行った動機について、この業者は「パロマの(事故機の一つの)PH―101Fなどはクレームが多かった。修理にはコントロールボックスの交換が必要だったが、パロマの製造が間に合わず改造で急場をしのいでいた」とし、「パロマはこのように応急措置をしていることを苫小牧事故以前から知っていたが、何もしなかった」と指摘した。

以上 (毎日新聞) - 7月19日3時6分更新

 当初からパロマ側が修理業者の行ったことを“不正行為”だと言っていたことに、どこかひっかかるものがあったが、もしこの報道が明らかならさらに事故の原因を考えるうえで、根底が覆されることになる。

 いったい自分たちの扱っている製品を、どのようなものだと考えていたのだろうか。社会や消費者に対して、どのように位置づけていたのであろうか。

 修理?、そりゃ全くしなくてもいいとは思っていないが、
・そこまで販売側がやらなくてもいいのではないか
・そこまでやらなきゃ、いけないの?(後は修理側に任せれば、そこまでで販売側の役目は終わりじゃないのか)

 そう考えていたフシはないか。今回のパロマの報道があるから言うのではない。これは身の回りに、もっと広く存在する考え方かもしれない。ここまでやっていればいいじゃないか、と自分たちで範囲を決めていたのかもしれない。

 どこまでやるかについて、法的に決められていたのなら、その線引きで問えるが、これらは法的に決められて、やる・やらないを考えるものではない。モラルや倫理的に、自主的に具備すべきものだろう。

 とりわけ扱う製品が生命関連であればなおさらのことだ。湯沸かし器のように、万一のトラブルが一酸化炭素中毒でなくても、ガス漏れ~爆発、火災といったことも考えられ、生活への影響が大きい製品である。他人から言われてやむをえずやるようなものとは違うのではないだろうか。自らその必要性を自覚して、臨むものではないかと思う。

 どこまでやればいいのか、それは消費者の視点、時代の要請などで決まってくるのだと思う。今がそうだから、将来もそれでいいというものではない。おそらくそのハードルは、売り手側が考える高さより、はるかに高く設定され、とどまるところを知らず、つねに高くなっていくものなのだろう 

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