何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

安全管理プログラム

2009-04-24 23:07:29 | くすり雑感
サレドカプセル(一般名:サリドマイド)では、TERMSという安全管理プログラムに基づいて使用される。米国ではS.T.E.P.S.と呼ばれるものに相当する。

 リタリンやコンサータでは、乱用防止の観点から、流通管理基準が設定されている。それを知らずに使用することはできない。

 安全性に関連し、既知の重大な健康被害は繰り返さないよう、医療従事者はこれらを理解し、順守すべき仕組みであり、その中心は教育である。

 これら以外にも重篤な副作用のある薬剤があり、危険性や毒性が強くても、その薬剤に頼らざるをえないようであれば、やがて安全管理プログラムが次々と登場してくる可能性はある。時代の流れかもしれない。

 そんな中、クロザリル錠(一般名:クロザピン、ノバルティス)が承認を受けたという報道があった(リスファクス 第5339号、2009.4.23)。

 海外で無顆粒球症や心筋炎といった副作用が相次いだ、統合失調症治療薬「クロザリル錠25mg/100mg」(クロザピン)の承認を得たノバルティスファーマは、安全性を確保するため使用患者の血液検査などを定期的に行うモニタリングサービスを実施していく。

 「クロザリル」は、70年代にフィンランドで発売後、無顆粒球症で6ヵ月間に8人が死亡し、各国で販売中止や開発中止が相次いだ薬剤。日本でも開発を中止した経緯がある。

 ただ、既存の抗精神薬で効果がない患者に対し、有効性があることが判明しており、海外では厳格な安全管理の下、使用が認められている。米国や英国では、血液検査をした上で処方判断を支援する「クロザリル患者モニタリングサービス」(CPMS)の下で使用している。ノバルティスは、日本でもCPMSを導入することを推奨。厚労省もCPMSに登録した医療機関、医師、保険薬局に限定し、さらに登録患者だけに処方することを義務づけた。


 過去に開発中止になったものが“復活”するとは・・・。サリドマイドは、承認取り消しから再承認になった。
 これらの安全管理システムが実効性を持ち、医療従事者がそれに則って適正使用することが絶対条件だろう。

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