何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

売れ続ける理由

2010-12-27 22:14:54 | Book Reviews
「売れ続ける理由 一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法 佐藤啓二・著、ダイヤモンド社、2010年9月16日

p.11-2 そのためには、従業員に心をこめてものをつくる姿勢、心をこめてそれを売る姿勢を徹底することが大切です。
 言ってみれば、「惣菜をつくる姿勢をつくる」ことが、さいちの従業員教育なのです。

p.44-5 その後、いろいろな惣菜づくりを従業員に教えてきましたが、専務はお客様にほめられたときは、「この子がつくったんですよ」と言って、そのお惣菜をつくったスタッフをお客様のもとに連れていきます。すると、その従業員はものすごい感動を受けるのです。従業員はお客様のことを頭に浮かべながら、ますます一生懸命にお惣菜をつくります。すると、またお客様がほめてくださる。
 「人はお客様によって育てられる」。そう確信した減点は、おはぎを始めたときにお客様にほめていただいた、あのときの感動にあるのだと思っています。

p.55 よく「××産使用」とか「完全無農薬」を謳い文句にしている商品を見かけますが、結局それは「材料を売り物にしている」ことにつながりやすいのです。「この材料だから」という理由ではなく、「おいしいから」と言ってお客様にリピーターになっていただけてこそ、本物ということではないでしょうか。

p.85 たとえ一品でも手まめにつくるのが、私たちのような小さな店のやるべき本来のこと。逆に、大きな店にはなかなかできないことだと思います。
 たしかに手間はかかるし面倒ですが、そこをやらないから売れなくなっているということも言えるのではないでしょうか。

p.89 心をこめてつくる。それが正しいことであり、それができるのが正しい従業員教育です。
 ですから、「見えない部分を大事にする従業員になってほしい」、私はいつもそう言っています。見えない部分とは、徹底的に考えること、そして自分を磨くことです。

p.103 レシピがあると、「レシピどおりにつくって終わり」になってしまい、反省が生まれません。人は反省がなければ成長しないのです。

p.106 「正しい」という字は、五感の集約です。そのひとつが欠けても「正」という字にはならないのです。忙しいからと言って、少しでも手抜きがあったら、商売として正しくない。正しくない商売は絶対に長続きしません。

p.115 私は「努力できるかどうか」の判断として、成績を重視します。たとえ、あまり偏差値の高くない高校や大学でも、通知表の成績がよいということは、その中でもきちんと努力をしてきた証になります。ちょっと偏差値の高い学校に入っても、その中で努力してこなかった人はダメなのです。

p.146-7 研修にいらっしゃる目的の多くは、「お惣菜をどうやったら、リピートして買っていただけるようになるか」です。そのためには、どの家庭よりもおいしいものをつくるしかないので、研修に来た方にはお惣菜のつくり方を一から勉強してもらいます。
 さいちで教えているのは、「いかにおいしくつくつか」だけです。

p.153-4 自分で考えて一生懸命いいものをつくろうという姿勢でいらっしゃる会社もあれば、「何かいいものがあったらうちでも売ろう」と、売ることしか考えていない会社もあります。
 自分で考えてつくろうという姿勢のない会社ほど、相手を潰しにかかる姿勢が強いような気がします。

p.176 私と問屋さんとのおつき合いの原則は、「価格交渉はしない」です。
 問屋さんに言うのは、「納得のいく商品を、おたくとの信頼関係においてお願いします」ということだけ。こちらが信頼すれば、問屋さんもそれに応えようと、納得のいく商品を一生懸命探して納めてくれます。

p.183-4 問屋さんや農家さんとの関係に限らず、商売をやっていくには信頼関係が何よりも大切なのです。
 信頼関係を築くには、自分が先に動かなくてはいけません。相手に「信頼してくれ」と言うのではなく、まず自分が相手を信頼することです。
 自分が「この人ならやってくれる」と感じたら、自分が考えていることを腹を割って伝え、キチッとお願いする。そのときどきの都合で話が変わってくるのでは困るからです。

p.208 過疎地で商圏が小さい、立地が悪い、ライバル店ができた、大きなスーパーに客をとられた。不景気で客が来ないなど、経営者の方はいろいろ売れない理由を言いますが、その前に、どんなに小さな町、田舎の不便な場所でもお客様が足を運びたくなるような店づくりや他にない商品など、自分だけの「強み」を考えてみてはどうでしょうか。

p.209 また、安いという理由だけで買い物にくるお客様は、「お得意様」にはなってくれず、よそのスーパーが安ければまたそちらに行ってしまいます。

p.210 また、チラシにはもうひとつの大きな弊害がありました。
 それは従業員のお客様に対する扱いが乱暴になってしまうのです。お客様はとにかく安ければいいと思ってくる。すると従業員もただ売るというだけになって、きめ細かいサービスなど忘れてしまう。サービスがまったく向上しないのです。

p.210 安さで買ってもらうのではなく、食べたいと思って買っていただき、「おいしかったよ」と言っていただけるような商品にしたかったからです。

p.215 競争相手がいると、「お客様がライバル店に行ってしまって困る」と考えがちですが、そうではありません。お客様はよく勉強していて、同じレベルの店があっても、少しでも努力している店のほうに足が向くのです。お客様が比較してくれる対象があることは、自分たちがもっと勉強し、自分自身を磨くために欠かせないことです。仮にライバル店がばくなっても、そこで努力を怠れば、お客様はもっと別の店に行ってしまいます。

p.223-4 商売は、ともすると毎日毎日が同じことの繰り返しのようです。しかし、毎日毎日が新しい一日であり、常に改善していくこと、常に新しいアイデアを生み出す努力が必要です。

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