若竹屋酒造場&巨峰ワイナリー 一献一会 (十四代目日記)

何が酒の味を決めるのか。それは、誰と飲むかだと私は思います。酌み交わす一献はたった一度の人間味との出逢いかもしれません。

経営品質を高める (伊那食品工業の訪問)

2007年04月10日 | 同友会の十四代目
経営品質を高めるためのベンチマーキング研修、2箇所目の訪問先は「伊那食品工業」さんです。Jアートさんから車で2時間半をかけて長野県伊那市へ移動しました。ここは伊那谷と呼ぶそうですが、中央アルプスと南アルプスの雄大な自然に囲まれた地方都市です。

移動中のバス車内では拓進産業の藤河さんからアルプスの素晴らしさについて教えて頂きました。藤河さんは登山が趣味で南アルプスを何度も登頂されているとか。3000m級の山々の圧倒的な存在感に絶句していたのに、「このヤマ登ると最高なんよね~」と軽い口調で語る藤河さんにも絶句しました。

伊那食品工業さんも、まさに絶句する会社でした。この会社は創業(1958年)以来、49年間増収・増益・増員し続けているという超優良企業として有名です。社長室長に社内を案内していただきましたが、まずインパクトがあったのはその敷地の広大で美しいことです。自然の地形を活かした敷地内に建物が点在しています。芝生と植林に囲まれているのですが…あれ?枯葉が一枚も落ちていない?ホントに、たったの一枚も落ちていないのです!ありえないと思う光景でした。室長にお尋ねすると「ああ、社員が自主的に掃除しますからねぇ(笑)」と。

事務所と研究室を兼ねた建物でも面白いものを見ました。というか、見ませんでした。以前訪ねた「ホンダクリオ東神奈川」では至る所にあった「社内掲示」が全く見当たらないのです。僕らもやりますが、社訓・社是・経営理念などに始まり、業務に関わる事やお客さまの声、社内コミュニケーションに関するものを壁やドア等に貼ったりしますよね。アレが無いんです。

スタッフの机の上は見事に整理整頓されていますし、とても清潔な社内。でも冷たい感じじゃないんですよね。そこで思ったのですが、「社内掲示」をするってことは「しないと浸透しない」という事で、伊那食品さんは掲示せずとも伝わるべきことが浸透している、ということなのでは…と。

この会社の社是にも感じるものがありました。伊那食品工業さんの社是は「いい会社をつくりましょう」というものです。とてもシンプルな一言です。顧客や社員、地域や環境についての使命を語る社是社訓はよく見ますが、ここまで簡潔なものはあまり聞きません。「いい会社」とは何か。その深い意味を全社員でどうやって共有しているのだろう?

室長にその辺りをお尋ねしたところ、様々な社内行事について教えて頂きました。特にOJTについてスキルアップを支える縦横のコミュニケーションについて徹底されている事が印象に残ります。経営計画や目標設定はどうなのでしょう?経営指針作成の委員会として気になる点を質問しました。室長いわく「ウチには経営計画ってないんですよ」

??本当ですか??
「強いて言えば、企業活動として昨年をわずかでも上回ることが目標ですね」
う~ん、どこまで本当なのか俄かには信じられませんでしたが…研究開発型企業として顧客が望むものを創出することに経営資源を集中している一貫した姿勢を感じました。

研修二日目は静岡同友会の代表理事も務める杉村氏を訪ねました。杉村精工株式会社を経営される杉村会長の講話を聴き、工場見学をさせて頂きました。

工場見学は息子さん(現社長)と部長(両人とも若い)にご案内頂きましたが、この会社はメーカーが使用する製造機器の製造(専用機製作)とOEM生産・部品加工をメイン事業としています。社員さんの技術力向上と研究開発投資をバランス良く行っている企業という印象でした。

1泊2日のハードスケジュールでしたが、今回の研修も内容の深いものでした。企画担当をして頂いた渡根木さんには心から感謝いたします。ありがとうございました。

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