新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

ハナヤエムグラ:花八重葎(可愛い葎)

2007-05-11 07:20:24 | 植物観察1日1題

土手の高い雑草の中で、小さな紫紅色の花を見つけました。
ハナヤエムグラ:花八重葎(アカネ科)です。ヨーロッパ原産で南北アメリカやオーストラリアに帰化している越年草です。4稜の茎は直立して高さ60cmほどになり、下向きの棘があります。長さ2cmほどの線形の葉は4~6枚輪生します。春から夏にかけて枝先に8枚の苞葉に包まれた花序を出し、長さ1cmほどの淡紅色の花を数個つけます。
1961年に初めて報告された比較的新しい帰化植物です。
ヤエムグラは、和歌のイメージから、荒れ果てた淋しい感じですが、このハナヤエムグラは、帰化種に珍しく可憐な草花です。

ベニシタン:紅紫檀(実とまがう花)

2007-05-10 06:02:16 | 植物観察1日1題

秋、細長い枝にびっしりと鮮紅色の小さい実をつけるベニシタン:紅紫檀(バラ科シャリントウ属)を取り上げようと思いつつ時季に写真が撮れないままになっていました。
街を歩いているとこのベニシタンの赤い実がまだ残っている!と近づいてみると、実とまがうばかりの赤い花でした。
中国原産の落葉または半常緑性の低木で、日本には昭和初期に入り、挿し木や実生で簡単にふえるため庭木や生垣によく植えられています。
5~6月、葉のつけ根に淡紅色の5弁の小さい花をつけます。少し開きかけの丸いつぼみは秋の果実にかわらぬ美しさです。

ミヤマキケマン:深山黄華鬘(果実で区別)

2007-05-09 13:26:03 | 植物観察1日1題


黄花のケマンソウで本州の近畿地方以東に産するといわれるミヤマキケマン:深山黄華鬘(ケシ科キケマン属)は、山地の日当たりのよい崩落地や谷川の礫地、林のふちなどに生える越年草です。
全体に柔らかく、高さ20~50cm、葉は羽状に深く切れ込みます。よく似たヤマキケマンは、果実が著しく屈曲するのに対し、ミヤマキケマンの果は、線形で数珠状に曲がることで区別されます。

アカヒダボタン:赤飛騨牡丹(濃霧に鮮やか)

2007-05-08 05:59:49 | 植物観察1日1題

連休最後の6日、全国的に低気圧に覆われ大雨の予報の中、伊吹北尾根の花を訪ねるというバスツアーに参加しました。
案の定伊吹山は濃霧と横殴りの雨風で、途中旅行社の本部からの強い示唆も入って意見集約の結果、メインの北尾根縦走は中止となりました。登山道が整備された伊吹山本体の頂上までは登ることになりましたが、霧と風雨が強く、観察どころではない状況です。
その中で、僅かに目を惹いたのがこのアカヒダボタン:赤飛騨牡丹(ユキノシタ科ネコノメソウ属)です。
高さ10cmほどの多年草で、上部の苞は鮮黄色、花は花弁がなく、萼は赤褐色で直立し、8個の雄蕊は萼片より短く、葯は黄色です。
ネコノメソウの仲間は、地方によって多様な変化があり、ネットで検索しても30もの品種が載っています。アカヒダボタンは本州中部地方西部から近畿東部地方に分布が限定されているようです。
黄色い苞と赤褐色の萼の対比が鮮やかで、まだ芽吹きも少ない伊吹山頂でよく目立っていました。


シロモジ:白文字(楊枝にはしない?)

2007-05-07 07:06:06 | 植物観察1日1題

クロモジに対して白文字の和名を持つシロモジ(クスノキ科シロモジ属)は、本州中部以西の山地に生える落葉小高木です。互生する葉は、長さ7~12cmの倒卵形で、中ほどまで3つに切れ込み、切れ込みの奥が丸くなるのが特徴です。
雌雄別株で、花期は4月、葉が開く前に黄色の花が固まってつきます。雌花は雄花より小さく数も少なくなります。
クロモジに比べて見かけることが少ない気がしますが、湖北山門水源の森ではいたるところに生えています。4月の末とあって、花は終わりかけていて、特徴ある葉がずいぶん大きくなっていました。
昔は種子を絞って灯油にしたそうで、強靭な材を杖に利用したとありますが、楊枝にするとは書いていません。


ショウジョウバカマの栄養繁殖(二刀流で繁殖)

2007-05-06 05:35:52 | 植物観察1日1題

ショウジョウバカマ:猩猩袴(ユリ科ショウジョウバカマ属)の花が終わりました。
花茎は花の時よりさらに伸び、60~80cmにもなり、花の跡は緑色になります。種子は1株で2~3000個にもなりますが、発芽率はきわめて低いといいます。
それを補うように、葉の先端に小さい植物体を形成し、栄養繁殖を行います。今の時期、古い葉の先端に根が生じ、小さい芽が育っています。
ショウジョウバカマは越冬を終わった時点では2年分の栄養葉を持ち、新葉展開直後は3年分の葉を持つことになります。

ウマゴヤシ:馬肥やし(小さな豆の花)

2007-05-05 07:22:58 | 植物観察1日1題

よい飼料になることからこの名がついたウマゴヤシ:馬肥やし(マメ科ウマゴヤシ属)は、地中海沿岸原産で、アメリカ、オーストラリア、アジアに広く帰化している越年性草本です。江戸時代に牧草として渡来し、現在では、牧場周辺、道端など日本各地に帰化しています。
茎は地を這って横に広がり、よく分岐して長さ60cmに達します。葉は3小葉で、小葉は長さ7~20mmの矢筈形で、托葉は棘状に深裂します。
春、黄色の長さ5mmほどの蝶形花を葉腋に4~8個ずつ集まってつけます。ごく小さい花ですが、ルーペで見ると、可愛い蝶形花が集まっていて、立派なマメ科ということがよくわかりました。豆果はクルクル巻いて渦巻状になり、ふちにはカギ状に曲がったやわらかい棘が並びます。

ハナイバナ:葉内花(漢字でわかる)

2007-05-04 06:58:26 | 植物観察1日1題

名前を聞いただけでは意味がわからず、葉と葉の間に花をつけるからハナイバナ:葉内花と聞いて納得のこの花(ムラサキ科ハナイバナ属)は、道端や畑などにふつうに見られる高さ10~15cmの1~2年草です。茎は細くて上向きの毛があり、葉は長さ2~3cmの長楕円形~楕円形です。
花冠は極く小さく直径2~3mmの青紫色で、葉と葉の間につき、萼などに伏毛があります。
キウリグサに似ていますが、キウリグサの花序はくるりと巻いていて、開花するにつれてほどけていくので区別できます。

ユキバタツバキ:雪端椿(雪と藪の間)

2007-05-03 07:02:53 | 植物観察1日1題


新緑の奥琵琶湖、山門水源の森でユキバタツバキ:雪端椿(ツバキ科ツバキ属)の花に出会いました。
ユキバタツバキは、ツバキ科の常緑低木。東北~北陸地方の日本海側の多雪地帯に適応した低木でヤブツバキとユキツバキの自然雑種だとされています。
葉は薄く、幹は高さ1~3m、枝は積雪のため這うことが多く、地表に接した枝は発根し、独立の個体となります。ヤブツバキに比べ、花は広く開き、雄蘂の筒部は短く、花糸は鮮黄色~黄赤色、離生部は筒部の2倍長でやや開出します。
傍らの銘板に、Camellia rusuticana var. intermedia とありました。ユキツバキの変種ということでしょうか。ユキツバキとヤブツバキの間にはいろいろの段階の雑種があるらしいのですが、一度会いたいと思っていたユキツバキより先に対面したこのユキバタツバキは、果たしてどちらに近い雑種なのか、また新たな興味が湧いてきました。

カワラサイコ:河原柴胡(切れ込む小葉)

2007-05-02 06:11:35 | 植物観察1日1題
続いて大阪南港の花です。カワラサイコ:河原柴胡(バラ科キジムシロ属)は、日当たりのよい河原や砂地に生える多年草で、茎はねもとから枝分かれして四方にひろがり、長さ30~70cmになります。互生する葉は奇数羽状複葉で、7~14対の小葉があり、小葉はさらに深く切れ込み、裏面には白い綿毛が密生します。 5~8月、直径葯1.5cmの黄色い5弁の花が咲きます。和名の柴胡は根茎を薬用とするセリ科のミシマサイコ類の漢名で、根茎が似ていて川原に生えるからいいます。

ハナハマセンブリ:花濱千振(濱に咲く赤い千振)

2007-05-01 06:20:34 | 植物観察1日1題

昨日に続いて大阪南港の花です。名にハマが付いていますから、海辺に多いということでしょう。
初めて見る花でしたが同行の仲間がおしえてくれました。
ハナハマセンブリ:花濱千振(リンドウ科)は、地中海沿岸の原産で北アメリカなどに帰化しています。1988年に神奈川県で報告された比較的新しい外来種です。
茎は中空で、直立してよく分岐し、高さ20cmほどになります。夏から秋にかけて直径8mmほどの桃色の5裂した花を多数つけます。5枚の萼片は花筒のほぼ半分の長さです。
欧米では畑地雑草となっているそうです。
新しい帰化種の常として情報不足です。センブリのように苦くて胃腸の薬になるかどうかは載っていません。