新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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目標は毎日1記事です。

シロバナムシヨケギク:白花虫除菊・除虫菊(消えた蚊取線香の原料)

2011-07-03 12:17:01 | お知らせ」

“日本の夏、金鳥の夏”がやってきました。渦巻き蚊取り線香を見ると思い出すのが高校の3年間を過ごした和歌山県の箕島(現有田市)のことです。
当時、ここには金鳥の大日本除虫菊(株)のほか、いくつも除虫菊関係の会社・工場があって、女工さんが手作業で器用に渦巻き蚊取り線香を作っていました。
箕島と除虫菊の関係は、除虫菊を初めて日本に導入して、瀬戸内海地方を中心に各地で栽培を始めた大日本除虫菊(株)の創始者上山栄一郎が、箕島出身であったからです。
「金鳥」「KINDHO」ブランドで知られる同社の商品の金色の鶏マークをよく見ると、その中に創始者“上山”の名が今もついています。
除虫菊といわれるシロバナムシヨケギク:白花虫除菊(キク科ヨモギギク属)は、胚珠部分にピレトリンを含み、殺虫剤として大いに利用されましたが、類似の化学合成品のピレスロイドが開発されてからは、急速にその座を譲り、栽培地で初夏の風物詩といわれた一面の白い除虫菊畑も、今ではわずかに倉敷の因島、向島などで種子採取や観光用としてのみ残っています。
ある薬科大学の薬草園で見た除虫菊の花は、観賞用としても見るに堪える美しさですが、一般に見られないのは、名前のせいなのでしょうか。