新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
目標は毎日1記事です。

ウメ:白梅(雪中に梅花力を見る) 

2007-02-03 07:48:42 | 植物観察1日1題

1日の読売夕刊で、中西 進 京都市立芸術大学長の 「梅花力」の話が掲載されていました。
道元が正法眼蔵で、「風をしき雪をなし、歳を序あらしめ、および渓林万物をあらしむる、みな梅花力なり。」といっているそうです。一年中に吹く風を繰り返させ、雪を降らせるのは梅の花の力で、月日の運行を順序よく秩序づけるのは実に梅の花の力だというのです。
小さな梅の花に万物の秩序を司る力をあるとする鋭い感覚とともに、当今流行の老人力、教育力などの言葉より800年も前に○○力の言葉があったことに驚き、妙に印象的でした。
その翌日(2日)の朝、目覚めると暖冬の夢を破って粉雪が舞い草木も薄化粧です。雪中に「梅花力」を体感しようと家の前の土手に走りました。
今にもほころびそうな白梅のつぼみの上に、僅かに消えやらぬ雪が光っています。
中西学長はいいます「一輪の梅の花の綻びによって春は始まる。しかしこの一輪は風景をあまねく展開させてゆくべき、自然の意思の現われなのである。」と。
冷たい雪を載せた薄紅の蕾は、凛として、今まさに始まろうとする天地の春の到来を告げているのです。