新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
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ヤシャブシ:夜叉五倍子(痩せ地の助っ人)

2006-03-09 07:00:48 | 植物観察1日1題
建設業者の重機置き場の脇にヤシャブシ:夜叉五倍子(カバノキ科ハンノキ属)の花芽が膨らんでいます。
崩壊地などの裸地に多いのは、この仲間は根粒菌の働きで空中の窒素を固定できるからです。
このため砂防や荒地の緑化樹としてよく植えられます。写真の木もこの木にぴったりの環境で育っていました。
日当たりのよい産地に生える落葉小高木で、高さは4~7m、花は早春、葉に先立って雄花穂は枝先に、雌花穂はその下に短枝につきます。花はハンノキ(2月10日記事)似ますが、ハンノキは雄花穂に柄があるのに対し、ヤシャブシの仲間のそれには柄がありません。
翌年まで残る果実にはタンニンを多く含み染料に(昔は鉄漿にも)使われます。このことがヌルデの虫こぶの五倍子(フシ)に似ていて、球果の凸凹を夜叉に見立てヤシャブシの名がついたといわれています。自然工作の材料としてもおなじみのこの実、夜叉とはこんな顔をしているのでしょうか。