新・むかごの日記

高槻市に在住の、人間と自然が大好きな昭和1桁生まれの爺さんです。
出かけるときはカメラ連れ。
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因幡の白兎の傷を治した妙薬:ガマの穂

2005-08-02 05:50:44 | 植物観察1日1題
「昔、兎が岐島から因幡国に渡ろうとして、鰐鮫を騙して海の上に並べその背を渡ったが、嘘がばれ、鰐鮫に皮を剥ぎ取られた。八十神の教えに従って潮水で洗ったためにかえって痛み苦しんでいるのを、大国主命が、真水で洗って、蒲の穂の花粉をつけよと教えて助けてやった。」古事記にも出る有名なこの因幡の白兎説話も今の若い人はどれだけ知っているでしょうか。
ガマ:蒲(ガマ科)は、全国各地の池や沼に生える大型の多年草で、高さは1~1.8m、茎は円柱形で直立し、長さ1m幅2cmくらいの葉があり、基部で鞘状になって茎を包みます。夏に花茎の先端に穂を付け、下半分の太い部分が雌花穂で、長さ15~20cm、こげ茶色のソーセージ状です。やや細い雄花穂が上につきます。
雌花は果穂となり、無数の種子を含み、最後は綿毛状になって飛散します。
説話のとおり、花穂には傷を治す薬効があるそうですし、かつては、葉を編んで筵にしたり、穂を布団の芯に入れたりしたそうです。
昔の蒲鉾は主に竹串を芯にして筒型につくり、これが蒲の穂に似ているところから、蒲鉾の名が生まれたというのはよく知られた話です。

(訂正:写真はガマではなくてヒメガマではないかとのご指摘をいただきました。お詫びして訂正します)