At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

Island Feelings / Loyal Garner

2013-04-27 | Hawaii
故ロイヤル・ガーナーによるParadiseレーベル3作目にして最終作。ジャケットにはリリース年次の記載がありませんが、どうやら1982年に制作された作品のようです。いわゆるアイランドメロウ・スタイルのコンテンポラリー・ハワイアン名盤で、盤起こしによる残念音質ではありますが、しっかり元のリリース元からCDでリイシューされており、近年でも定期的にプレスされているようなので、彼女の音源の中では最も手に入り易い一枚。そうした意味でも彼女の代表作と言って差し支えないでしょう。オリジナルのLPもハワイローカル盤の中では比較的よく中古屋に転がっています。ちなみにA-1のタイトル曲とA-2のShave Iceはこの後リリースされるベスト盤でも再演されますが、どちらもこのオリジナルの演奏の方がグッド。この辺りは各人の好みにもよるのでしょうが、やはりこの時期特有のクリスタルな音質で聴いてこそのナンバーと思います。AOR好き的に注目なのはフリーソウル度高めのB-1のOcean BlueとB-2のLove Making Love。特に綺麗なシンセが印象的なこみ上げ系アイランドコンテンポラリーのB-2はフリーソウル目線での彼女の曲としては、タイプこそ違いますが例のDestinyに勝るとも劣らない名演と言えるでしょう。もともとバラードでの歌い上げには非常に定評がある彼女が時折見せる、こうした程良いライト感覚が個人的にはツボ。こういう歌い手はどこにでもいそうで実はなかなかいません。なおB-4のSweet Bye'n ByeはHawaiian Breaksにチョイスされた曲。若干ラヴァーズロック風味のアイランドメロウナンバーで、これはこれでなかなかに良い感じです。他にいくらでもキラーナンバーがある中で、比較的地味なこの曲をあえてセレクトしてくる辺り、さすがの選曲センスですね。彼女本来の持ち味であるバラード好きにお勧めはA-3のOne In Love。裏ジャケットの写真通りの母性と包容力を感じさせられる素晴らしい演奏です。最初にも書いたとおり比較的手に入り易い作品なので、まだ聴いたことがないと言う方は是非聴いてみてください。コンテンポラリーハワイアンの入門編としても良いかと思います。
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The Son Will Arise / Praise

2013-04-27 | CCM
New Bornというカナダのレリジャス系レーベルからリリースされたマイナーCCMの名盤。ここ数年で発掘されたニューディスカバリー作品のうちの一枚で、どうやら彼らの2ndアルバムのようです。このレーベルにはFreewayというグループの同じくニューディスカバリーなアルバムがあり、そちらのほうがモダンソウル作品として知名度と評価が高いため、本作が紹介される際にはどうしても「Freewayで知られるNew Bornレーベルの…」などという枕が付きがちですが、個人的にはどちらかと言うとこの盤の方が本命。西海岸ライクなマリンフレーヴァー漂うPre-AORナンバーが作品の大半を占めているため、聴いていて非常に気持ちの良い一枚に仕上がっています。とりわけ冒頭A-1のLiving Stonesは超絶グルーヴィーなブルーアイドソウル大名曲。Full MoonのNeed Your Love辺りとよく似た雰囲気のライトメロウかつ爽快なナンバーなので、クラブ系のAORリスナーならまず間違いなくツボだと思います。同系統のニューディスカバリー曲だと、個人的には数年前にCD再発までされ大いに話題になったA TrainのBaby Please以来の大ヒット。もしフリーソウル全盛期に発掘されていたら、とんでもない大クラシック曲となっていたことでしょう。その他の曲ではA-4のBrighten Up My DayやB-4のArmy Of God辺りがSSW系のジェントルなナンバーで良い雰囲気。グループメンバーについての記載がジャケットにないため詳細は分かりませんが、ヴォーカルについてもヤングソウル風の甘い男性ボイスでこの手の作品としては理想的です。ちなみに演奏にはコイノニアからハドリー・ホッケンスミス(g,b)、ハーラン・ロジャース(key)、ビル・マックスウェル(ds)が参加。ブルース・ヒバードの2ndを皮切りにした80年以降の一連の作品とはややサウンドの趣が異なりますが、コイノニアのアーリーワークスとしても楽しめるかと思います。現在のところ残念ながら未CD化、おまけにレリジャス系作品なのでリイシューは厳しいのかもしれませんが、どこかに頑張っていただいて是非CD化まで漕ぎ着けて頂きたい作品。このまま一部好事家のみ知るマイナー作品として眠らせ続けておくのはもったいなさすぎます。
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