今度は同じジャズ・ボッサでも少し趣が変わってコーラスものです。もはや知っている人には説明不要なわけですが、ボサノヴァ黎明期から活躍するOscar Castro Nevesの兄(弟でしたっけ?)、MarioがSamba S.A.(サンバ株式会社)名義でRCAに残した不朽の名作です。ピアノ・トリオ+ツイン・ヴォーカルという比較的シンプルな構成にも関わらず、その演奏クォリティがとてつもなく高いために、1枚通して聴いてて全く飽きが来ません。この手の作品としては先日再発され話題となったG/9 Groupと双璧なのではないでしょうか? 特に白眉としたいのはA-3のNana。一瞬のリム・ショットに導かれて始まる超絶グルーヴィー・ジャズ・ボッサです。須永氏やNicola Conteのフェイバリットとしても有名で、たしか二人ともテープに収録済みだったはず。2分少々というタイトな尺も逆に潔くて良いです。B-2のVem Balancaも軽快なスキャットとピアノが美しい名演。その他の曲も全編ハイ・クォリティなので、この手の音楽が好きな方は一聴の価値ありだと思います。ちなみにオリジナルのLPはかなりレアな模様。2001年に国内盤リイシューが出ているのでそちらでどうぞ。LPは限定だったようですが、CDならば今でも普通に買えます。僕の持っているのもこの再発のLP。ただ、結構盤質が悪くノイズが入るので、綺麗な盤を見つけたら買い直しを考えています。
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