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平成30年北海道胆振東部地震 全道が停電、産業にも大きな影響、今後も節電が必要に

2018-09-10 00:19:16 | ニュース

秋サケ、サンマ漁に影響、噴火湾のホタテ養殖にも被害

 9月6日午前3時8分、北海道胆振地方中東部(深さ37㎞)を震源に発生した「北海道胆振東部地震」は、地震の規模がマグニチュード6.7、厚真町で本道初の最大震度7を記録した。本道は9月4日〜5日、日本海を北上した超大型の台風2号によって強風による被害が発生し、ダブルパンチとなった。

 地震で厚真町に大規模な土砂崩れが起き、周辺で住宅の倒壊などにより多くの死者が出たほか、道央圏で道路が損壊した。道内最大の苫東厚真火力発電所(出力165キロワット)から火事が出て、道内の電力の需給バランスが崩れ、北海道電力によると、全道295万世帯で停電が発生。かつてない「ブラックアウト」が道民の生活、経済に大きな影響を及ぼした。真弓明彦北電社長は8日の記者会見で厚真火発の復旧には「1週間以上かかる」と説明した。札幌市内はすべての公共交通機関がストップし、物流、通信が完全に麻痺した。

 水産業界においても、鵡川漁協で秋サケ定置、ホッキ漁が操業を取りやめ、21号台風への備えから9月1日〜10日まで漁業が中断された。現地では停電で冷凍・冷蔵機能が失われ、トラック輸送も確保できないことで、最盛期の5千万円におよぶ経済的な損失となった。道東でも、燃料が確保できないことから、サンマ漁船が出漁を見合わせたり、産地市場の製氷、冷凍・冷蔵、水産加工やトラック輸送能力が失われ、水産物の処理・加工、流通に大きな影響が出た。サンマ、サケなど秋漁の最盛期に起こった災害に関係者は頭を悩ませている。道南日本海でも最盛期イカの荷受や出荷が麻痺し、加工にも停電の影響が出た。

(写真)「漁協組合員総出です。ホタテ被害処理」盛田氏(鹿部漁協)のフェースブック投稿より

 養殖にも被害が出て、噴火湾の鹿部漁協では被害にあったホタテ養殖のケタを作業船で上げ、組合員総出で150㌧以上のへい死した育成貝の処理に追われた。現地を視察した前田一男前衆議院議員(自民、道8区)は「 国や道の支援が必要な事態。政権党として被災者支援に全力を尽くす」とフェースブックに投稿した。

(写真)「秋サケ日本一・斜里町」さんのフェースブック投稿より

 オホーツク海では、日本一の秋サケ漁獲量を誇る斜里町で8日から秋サケの水揚げを再開した。

 8日には、道内9割の世帯で停電が解消され、道路や公共交通機関の運行も徐々に回復するなど、週明けの10日から正常化に備えた動きが活発化した。

 政府は、激甚災害に指定する方向で取り組み、秋の臨時国会で補正予算を組み、災害地域の自治体や住民、中小企業、一次産業の復旧を支援する方針。安倍首相は7日の関係閣僚会議で「ライフラインの復旧」を早急に行うよう指示した。8日の関係閣僚会議では被災者の応急的な住まいの確保に取り組み、9日には自ら札幌市内、厚真町の被災地を視察し状況を把握した。自民党は7日、災害対策本部(本部長・二階俊博幹事長)を開き、中村裕之衆議院議員(自民、道4区)が被災地の携帯基地局増設など情報環境の整備、病院への支援を強く求めた。

 道は、6日未明に災害対策本部を設置し、自衛隊の災害派遣要請を行った。高橋知事は道内179市町村を災害救助法の適用を決めた。被災者に道営住宅の提供、中小企業向けの緊急融資などを行っている。9日午後10時現在の発表によると、死亡39人(厚真町35人ほか2市・2町で各1人)、安否不明が1人(厚真町)となっており、捜索が続いている。建物被害は全壊32(厚真町19、安平町7、むかわ町6)、半壊18(安平町4、むかわ町14)、住民避難は累計1万6,649人にのぼった。

 10日からの通常営業・操業再開を前に、政府(経済産業省)、北電は2割の節電を呼びかけている。道内最大の苫東厚真火力発電所の復旧するまで、道内の最大需要380万キロワットに対し、350万キロワットしか供給できないため、需給がギリギリとなっている。北電は「ピーク時で10%不足する」と見ている。また、政府は節電がうまくいかなければ、計画停電の対応も検討する。

 秋の行楽シーズンを迎え、道内各地でイベントが予定されていたが、地震による影響でいずれも中止・延期となっている。札幌市中央市場は、6日から2日間、休業を余儀なくされたが、8日からセリを再開している。

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