訃報届くエンマコオロギ鳴き続く
秋旅は通夜へ急ぐさくら号
喪主となる姪の健気さ秋の葬
秋天へ遺影の笑顔進みゆく
月見あぐ初七日すみし安堵から
障子の間窓を開ければ金木犀
朝、子メダカの群れの鉢に何やらうごめく物がいる。黒くてメダカたちより大きく、足を上げてもがいている。いつも鳴いてくれているエンマコオロギみたいです。助け上げて横の鉢の土の上に置くとまだ足を上にあげてもがいている。私と同じ不器用だねと思い、草を足の上に置くや否や、目の前からいなくなった。とんでもなくすばやいじゃないと。忘れていた。暗くなるとコオロギが玄関先から鳴きだし始め、ああ無事だったんだなと思っていたら、少しして小倉の兄の訃報がとどいた。