オレンジ色の紫陽花

携帯から軽快に綴るおいらの日々。
…だったのだが、ツイッターのまとめブログに変更。極稀にこっち単独の記事もある、かも。

「図書室の海」

2005年08月02日 22時48分54秒 | ほぼ、文庫本
図書室の海/恩田陸/新潮文庫

タイトルから受ける印象や期待感が見事に裏切られた一冊。がっかり。
恩田作品をどれ一つ読んだ事がなくて、初・恩田作品がこの本だ、というのが失敗の原因か。どれもまさに本編を前提にした予告のようで、肝心な謎解きがなされていない。いや、されているかもしれないけど、本編への伏線の匂いがぷんぷんしていて、言い方は悪いけどあざといといえばあざといな、と思ってしまいました。
題材とか、ストーリーとか、文章なんかは、ファンタジィだかミステリーだかなんかそういうカテゴリーに入る感じ(そもそもその点からしても、おいらの守備範囲では決して、ない)。日常と非日常のまざり具合がいい感じで引き込まれもした。それだけに、読み終わって、え?で?何?終わり?あれ?って思うのがいやでした。短編でも、たとえそれが本編への伏線てんこもりの予告編でも、その作品の中でケリをつけてほしい、と思うのはおいらのわがままでしょうか。
なーんかー、消化不良だったなー。
それに、おいらはこれを読んで、恩田作品、つまりここに収められている短編(予告編)の本編を読みたいとは思わなかった。その、読後の消化不良感があまりにもあまり、だったので、もういいや、と思ってしまったから。
おいらは、二つに分ければ間違いなく「本好き」で、図書館とか図書室という場所には、ある種の畏敬の念すら抱いていて(大袈裟だけど、あながち嘘でもない)、神聖な場所のように思ってしまっている(思い込みですよ)ので、ああ、もう、よけいに裏切られた感が大きいんだと思います。ちぇーっ。

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